考える技術・書く技術 (1973年) (講談社現代新書)

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感想・レビュー・書評

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  • これも一種の知的生産のための方法論と捉えてよいだろうか。頭のウォーミングアップに始まり、情報のインプット、整理、文章の作成(つまりアウトプット)までを一冊にまとめている。
    視野を広げるべく専門外の情報をも積極的に取り入れることを勧めたり、文房具に関するこだわりを熱く語ったりしている章などは特に楽しく読めた。また、法則性の発見(p22)は笑い話と見せかけて我が身を振り返り反省せざるを得ない内容だった。
    1973年発行のかなり古い本ではあるが、本文中に石原慎太郎や大江健三郎が出てきたのには思わずにやりとしてしまった。本書を意外と新しい本と見るべきか、それとも引用された作家たちの活動期間が長いと見るべきか……。

  • 印象に残った記述がいくつかありました。

    テストの点数の良し悪しで頭の良し悪しが測れると思ったことは一度もない。試験とはせいぜい、怠けているかどうか知るのと、励ます程度にしか役立たないと思う。

    頭の良し悪しは型を早く見つけるかどうか、または型をたくさん持っているかの差に換算できる。例えば相手の行動の型を理解できずにいつも同じ事でオロオロする同僚。相手の行動の型を理解していればオロオロすることはなくなる。

    年をとるとすべてを経験と慣習に頼る傾向となり、ついには人生が無反省なルーティーンになる。型を見つける努力をしなくなるか、決まった型にはまる連続となる。決まった型にはまるのは頭を使っていないということ。

    学者がやっていることと我々がやっていることに大差はない。表面に現れた見えと、その背後に隠れている要素との関係、法則性を考え調べることの連続。その法則性を見出す力が頭の良さ。

    あだ名づけは型を把握した上でそれを短い言葉で描写する練習。だから頭の体操には抜群。

    誰しも自分のことは見えにくい。これを防ぐために、自分のほかに、もう一人の自分を見つめる自分という視点を作る必要がある。

    自分はダメではないか、という否定的自己暗示は発想の邪魔になる。スランプになると、俺は天才だ!と窓に向かって叫ぶ。それくらいの強さが必要。

    雑学を増やすことは良いことだ。自分の専門のことしか知らないのは良くない。精神的に屈した時に、俺はこういうこともできるのだ、と慰めとも誇りともつかない心理を生み出してくれる。精神衛生上も雑学は役立つと言えよう。

    蓄積された知識は頭の中で整理して管理する必要がある。井戸端会議の達人は多くの情報をもつ。学者との違いは、井戸端会議の達人は情報を乱雑に取り入れて、その取捨ができないで、情報のプールする方法がきわめてまずい。


    痛烈な言葉が散りばめられているものの、的を得ている、と感じる主張が多くありました。

  • 題名通り、考える技術と書く技術が載っている本。『考具』と似たような印象を受けたが、もちろんこちらの方がずっと古い。両方読むと、つまり基本のやり方というのはだいたい一緒なのだなと思わされる。

  • 昭和40年代の本で、なかなか古い本。しかし、著者の発想法やカード、KJ法等を使った考えをまとめる技術は現代にも使われている。また、日常生活から考える力を鍛えようとする著者の姿勢は見習いたい。ちなみに私はものを書く機会があまりないので、後半の方(書く技術メイン)は結構読み飛ばしました。

  • 旧い本ではあるが各章において著者の主張と実例が綺麗にまとまっており著者の主張そのものが本の書き方として現れているように感じられる本。十分今で通じる観念がキラ星のようにありました。「だきこめ・なめられるな・のせろ」の説得の技術が特に白眉。

  • これ読んでがんばるぞ~!(って何を)と思った頃もあったな・・・

  • いつ購入したかもわからないけど、間に挟まっていたのは初任校時代の定期券。初任者の論文作成に読んだ本でもあるとは思う。

  • 読みやすく、また、実践してみたいことも多々載っていて、たいへん興味深かった。誠実さをもって書きたい。

  • 日本では、討論というのが勝った負けたの場になることが多く、自説を改善向上させる機会は乏しい。
    見出しつけは本の要約に役に立つ。
    英語は一番目と二番目の語を一緒に聞き取る努力をする。
    見出しは動詞文でつける。
    形容詞は静的なイメージ、使いすぎない。俳句のような文章がいい。
    受け身を使わないと強いい文になる。
    シェークスピア
    言葉の効果を学ぶ
    ヘミングウェイ
    言葉の簡潔さを学ぶ
    辞海
    語の意味を当用漢字だけを使って与えることにした最初の辞書

  • 1977初版というだけあって言っていることが古い
    そして、全体的に上から目線で教えてやろうという態度が滲み出ている
    しかも題名とは関係の無い時代批判的なことまで書いている
    これで、実用的なことが書いてなかったらダメ本だけど、ちゃんと書いてあった

    資料の集め方、アイデアの貯め方、アウトプットの仕方など著者のやり方を説いていた

    この著者個人のやり方なので、気に入らなければ無視すればいいけどいつか読んだ外山滋比古の「思考の整理学」に書いてあったことと似ているから裏付けとして役立つっちゃあ役立つのだと思う

    でも僕はこの人は好きじゃないです
    いや時代が違うから仕方ないとは思うのだけども

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