短篇集とは言わないな、この場合。なんて言うの…?宮中政治ばかりじゃなくて武官側にも色々あるのねって初めて知った。そうよね、平安時代の東北とか九州とかって個人的にだいぶ圏外で知らない人ばかり。更に平安後期になると、京都在住でも知らない人ばかりで参った!この辺は人物関係を整理してから再読したい。
ところで、道綱母や待賢門院の生理日程とかって、分かってるんですねえ。ちょっと気持ち悪いかも。あと、母に「誰に懸想中」とか逐一日記に書かれた道綱って、かなり気の毒。
●伊都内親王(801-861)
在原業平の母。桓武天皇の娘で阿保親王妃。業平の容姿はこの人から受け継いでると言われますが、母の藤原平子って、傾城の熟女・百済明信の孫なんですね、納得。
●良房と伴善男
応天門の変(868)での良房の真意は伴氏でなく実弟良相の失脚にあったとの説。藤原北家って、いっつも兄弟仲悪いよね〜。
●藤原高子の生涯
冬嗣・美都子夫婦の子達は、長良、良房、順子、良相。
順子は良相と仲良しだったとか。同母で人格者と評判の長良とは何故…?と思っていたが、長良の室・乙春の姉が澤子だったのね。仁明天皇の寵を競う相手の妹が嫂とか、そりゃ下がるわ。
●陽成天皇の退位
「清和天皇の業平胤説」。どんだけ引っ張られるのか、高子と業平のロマンスってば。かつ、基経と高子の兄妹喧嘩に振り回される政局…。外伯父やりたい兄と、天皇親政を奪回したいし息子を色惚けにされたくない妹。しかし、27歳で出家した清和天皇に対して「女色で籠絡」は無理がある。気鬱の母に放置された幼帝につけ込んだってとこでは?そもそも摂関家の政権維持秘策が「お色気作戦」とは情けなさ過ぎる。
●業平の東下り
貴族の物見遊山って官費旅行⁈ 官給で路銀も不要って…。
●参議伴保平
確かに伴氏の女性って、菅原道真の母(菅原是善の妻)と源能有の母(文徳天皇の妻)くらいしか出てこないかも。
●藤三位繁子
師輔の娘で一条天皇の御乳母。乳母って授乳期が終わっても解雇されないんですね!しかも段々と冠位が上がって行くの!
●関白師実の母
結論から言うと、進命婦こと藤原祇子。藤原頼成の娘。正妻の隆姫女王に優しいのか単に怖いのか、微妙な頼通の態度がコトをややこしくしたのでは(笑)?