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感想・レビュー・書評
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2023/8/8購入
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ちょっと前に読んで感想出ない!でも難しかったのはなんとなく覚えてる。ハノイについて調べてから読めば良かったのと、いくつかのレビューで書いてあるけど、ベトナム戦争当時に実際にハノイにいったソンタグはたしかに大したもんだと思う。
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反戦の立場をとる社会派米人作家である著者が、ベトナム戦争下にハノイへ訪れた際の回想録。
徹底したホスピタリティと親愛の情を示すハノイの人々に対し、敵国からの来訪者である著者は彼らの真意がなかなか理解できず、困惑と懐疑に包まれます。
そこで彼らに宿る精神の理解に努めるべく、著者の内なる格闘が叙述されていくのですが、これが中々読み応えがありました。
内省と観察を続けた滞在の中で著者は以下のような結論に到達します。(以下、一読しかしていない上にうろ覚え独自解釈です。あてにしないで...)
西洋社会における「誠実」とは、形としての礼儀と、実際に抱く感情との解離を認めた上で、実際の行動と建前がどれだけ一致しているかを測るものである。
一方ヴェトナムにおける「誠実」とは、そのような差異を「前提として認めず」、信念や理念など、西洋では建前とされるものが行動原理そのものとなる。
著者の感じたような、他者に感じる理解の及ばない違和感は、我々日本人同士でも日常的に感じていることでありますが、そこから臭いものに蓋をするのか、著者のように自身の前提をどこまでも引き剥がし、他者の精神に迫ろうとするのか...
もし後者を選ぶので有れば、本著に習うべきところが沢山あると思いました。