現代法の学び方 (1969年) (岩波新書)

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  • 1月?
    全体として3部構成になっている。
    「?一つの訴訟事件を手がかりにして」というテーマで、朝日訴訟を取り上げ、問題提起を行っている。この問題提起に関して、私自身も共感する部分が大きかった。それに続き「? 現代法の基礎理論」でマルクス主義的観点から初期のブルジョア国家から資本主義にいたるまでの歴史、そして法律とのかかわりが理論的に展開されている。残念ながら、この部分の内容に関しては、難解で理解にいたらなかった点が多かった。「? 現代日本の構造」ということで戦後の日本の流れを日米安保条約と日本国憲法という軸を中心に用いて、説明している。戦後日本主義の特徴として、?国家独占資本主義の対米従属的体質と?憲法と安保条約とのあいどの矛盾の尖鋭化を指摘している。この内容は、具体的で面白く読んだ。しかし、行政事件訴訟法の内閣総理大臣の異議申立権が頻繁に用いられたという記述など、今からは少し考えられないことも書いてあり驚きも多かった。出版年が、1969年であり、その当時の時代背景も加味して理解していく必要があるといえる。法律の学び方の一つとしては、こういう方法もあるという点で参考になった。また本書にあるように、「現代法を解明するためにはどうしても、現在私たちが置かれている資本主義社会の仕組みを追求して、それとの関連において法の役割を考えざるをえないことを知るのである。」という示唆は今も通じるものでありその点においては、時代の変遷の中でも不変的な意味があると思う。

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