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感想・レビュー・書評
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珠玉の文章と言っていいと思います。天才。
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言葉=資本 が成り立っている。
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1103春朝日勉強会で 一生読む 110512到着Y300+250
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本田靖春にはかろうじて間に合った私だが、朝日新聞きっての名文家と
呼ばれた深代氏には指先さえ届かなかった。
その深代氏が、昭和48年から病に倒れ入院する昭和50年までに担当した
「天声人語」を、テーマ別にまとめた1冊である。
打ちのめされている。なんという流麗な文章なのか。世に上手い文章は多々
あるが、読み流して後、後には何も残らない文章もある。
しかし、800字に満たないこのコラムは頭にすんなりと入って後、考える
時間を与え、ある部分は心に残る。
ユーモアあり、皮肉あり。そして、自らも属する新聞の世界を真摯に
省みることもある。
長い文章を書くのは簡単だ。長ければ長いほど、言葉を尽くして言いたい
こと・伝えたいことを書くことが出来る。文の上手・下手を問わなければ、
誰でもが書けるだろう。
ところが、短文となるとそうはいかぬ。限られた文字数の中で、言葉を
厳選し焦点を絞り、伝えるべき情報を盛り込まなくてはならぬ。
あぁ、敵わない。こんな名文を読み終わって、自分の書いたものを読み
返すのは自殺行為にも等しい。深代氏の文章に遠く及ばぬ自分の文章を
反省し、これからも修業しなくちゃいけないな。
朝日新聞きっての名文家は、46歳という若さで急性骨髄性白血病でこの
世を去った。天は意地悪だ。もう少し深代氏をこの世に置いてくれれば、
私は間にあったかも知れぬ。