洋食や (1973年)

  • 1973年2月13日発売
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  • いろいろな改訂出版されているようだが、図書館の保存庫から出てきた昭和40年代のハードカバーは装丁も活字も懐かしく、手にとり読んでいるだけでうきうきしてくる。たまたま料理人の書いた本を最近立て続けに読んだが,リズミカルでエネルギッシュで大層センスが良い。小粋で愉快。料理することと文を書くことは近しいのかもしれない。

    [more]<blockquote>P14 「コック四十五で野たれ死」「洋食屋のコックと知らずにほれたらメンチボールのような児ができた」などといわれたものでした。

    P57 「私は肉を食べるときナイフで切るのがかわいそうで,何でもホークで切って食べます」というお方に会ったことがあります。分るような気もしますけれど,なんだかよく分りません。

    P69 テン・カウントの礼をうけ、万感胸に迫り深々と頭を下げリングを去って行く。どんなに強くて華々しい選手にもこの日は遅かれ早かれやってくるものです。

    P72 うちの店では母親が毎朝商売繁盛致しますようにと言いながら,八枚一組ずつにし,折り終わると火打石で清め神棚に上げたものです。ですから一枚も無駄遣いはできない,そのせいでしょうか,ナプキンやにおたくは商売の割にナプキンは使いませんね,と言われます。

    P90 お客様のお弁当を見るとお赤飯でした。次の方もお赤飯です。そうか,今日は11月15日、七五三の祝だったなあ,戦争に負けても日本人には何か一つ守られているものがある,この国は滅びないぞ,とほっと安心したことを覚えております。

    P105 「いやいや旦那、おれくちではお知らせしてもご迷惑と思いましたので」私は,浅草には江戸っ子がいるなあとしみじみ思いました。

    P112 「今年,弟が大学を出たので,お友達を呼んでお祝いするのです。両親に早くから別れましたので,せめてお赤飯くらいと思ったのです」とのお答え。私はなんと優しいお姉さんだろう、弟を大学卒業させるにはいろいろつらい目にもあったろうと,胸が熱くなり「あなたは本当のマンマさんです。ご卒業おめでとうございました」と心から申し上げたことでした。

    P120 いいもんだなあ,オレもいつの日か松の内に遊べるような男になりたい。そう思って寒い夜の商売に励んだものです。「にいさん,いまほど」これが私にとってはクラーク先生の言葉「少年よ大志を抱け」でした。、</blockquote>

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