デタラメの世界 (1969年) (岩波新書)

  • 1969年2月20日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 測定値から本当の値を推測するには、デタラメ(間違い、偏り、バラツキ)を統計処理で是正する必要があります。本書は、統計の本質を学ぶことが出来ます。

    昔の本なので、最近の本では省略されてしまう疑問についても書かれています。たとえば、

     > 問 アルファを5%にとることは、第一種の過誤を20回に1回認めることになる
     > 訳ですが、5%でよいという根拠は何でしょうか?
     >
     > 答 アルファ5%、1%というような水準を設けたのは推計学の創始者
     > ロナルド・A・フィッシャー(1890~1962)ですが、ロナルド卿の亡くなる
     > 半年ぐらい前に、5%水準の根拠をお伺いしたことがあります。
     > 卿の答えは、それで実際不都合が起こらなければよいということでした。
     >
     >  多少注を加えますと、卿はイギリスの農事試験場で仕事を始めたのでした。
     > イギリスの圃場実験では特性値が平均から二標準偏差以上離れたものを、
     > 一応異常として処理して、それで引き合ったということです。
     > 特性値が正規分布をしていると仮定すると、二標準偏差以上外れたものは、
     > 全体の約4.55%を占めることになり、この数字を丸めて5%にしたものと
     > 思われます。これは一つの約束ですから、はじめから5%判定を間違ったときの
     > 対策を立てておけば、圃場試験の場合はそれで十分だったのです。

    は、ずっと気になっていたので、分かってスッキリしました。

    あと、これまで私は探針テストの説明で、「層別抽出法」という言葉を使っていたのですが、「層化抽出法」の方が正式のようです(ウェブでは「層別抽出法」の方が多くヒットしますが)。

    終わりの方に、「迷った時に、勘に頼るのがよいか? ランダムが良いか??」という面白い話題が出てきます。統計を扱おうとする人は読まれることをお勧めします。

  • 難解な本です、少なくとも私にとっては・・
    まえがきはわかりやすかったのですが、本文を文系の知識で理解するのは困難でした。

  • (1971.03.04読了)(1969.09.13購入)
    *解説目録より*
    デタラメとは元々「サイコロを振って出た目次第」を意味するという。しかしサイコロによって得たデタラメと思われる数字も、実はある一定の法則や有効な原理を表している。とすればこの〝デタラメの世界〟を分析して推測統計の基礎的な方法を探りだすことも可能であろう。本書は、一見デタラメと見える様々なデータを素材としてどんな推測統計ができるか、多くの実験例を示しつつ、現代生活に必要な統計の基本的な考え方を平易に説く。

  • 「デタラメの世界」というよりは
    「ばらつき」という感じの本です。

    あるがままを受け入れることが確率,統計では大切であることが分かるかも。

    数字をこねくり回そうとしている人達に、もう一度原点に立ち返るように呼びかけているように感じた。

    ねじと阿片の例の取り方も大胆なので分かり易い。

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