方法序説 (1967年) (岩波文庫)

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感想・レビュー・書評

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  •  何度か読みかけてが途中で読むのをやめてしまって、書棚に眠っていたものを発掘した。なんとも煩雑な訳本である。註解がびっしりと入り込んでいて、本文の流れを止める。そのくせ、専門外の部分に関しては、はたと註解するのをやめて、他書に譲っている。まずは本文を一読してから、註解と照らし合わせて読んでいくのが適当だろう。また、70年ほど前の訳であるから、いささか古風である。この雰囲気に馴染みながら読み進めていくことが「哲学」することであろうか。内容としては、デカルトは、自分の主張を開示すると、ガリレオ・ガリレイのような目にあるかもしれないので、わかっていることも多いけれども、あまりはっきりとは言いたくないとのいいわけ本である。有名かつ重要な第4部だけを読めばよい。他の訳書にもあたってみようと思う。
     なお、ISBNで登録すると、新しい訳の方が出てくるので、ブクログ登録では要注意。

  • 訳:落合太郎、原書名:Discours de la M?thode(Descartes)

  •  
    ── デカルト/落合 太郎・訳《方法序説 1953-1979-19670101 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B000JA8I28
     
     Descartes, René 15960331 France Sweeden 16500211 53 /合理主義哲学
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%C7%A5%AB%A5%EB%A5%C8
     
     四間比者 ~ 空間・時間・人間・世間 ~
     
    …… 世間で演じられるどの芝居においても、役者であるよりは見物人
    であろうと務めながら。(略)「知人のいるかもしらぬすべての場所」
    を離れて(略)オランダに隠棲する。(K233)(20211004)
     
    …… オランダでの〈最初の9ヵ月〉は形而上学的思索に専念したが,
    ローマで観察された幻日現象の報告をきっかけに自然学の研究に移り,
    33年には《光論》と《人間論》とから成る《宇宙論》を完成した。しか
    し同年のガリレイ断罪を知ってその発表を断念し,代りに《屈折光学》
    《気象学》《幾何学》の三つの〈試論〉に,序文として《方法叙説》を
    付けて37年に刊行した。このうち《幾何学》は幾何学と代数学を結合し
    て解析幾何学を(フェルマーとともに)創始した業績として知られている。
    (コトバンク)
     
     小人閑居
     
    https://q.hatena.ne.jp/1608105765#a1276347(No.3 20201216 22:06:57)
    …… 小人閑居して不全を為す。── 《礼記‐大学》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=20210402
     
    …… わたしが暇つぶしに試みたことは、なにひとつ成果がなかった。
     授業中に教わったことも、ひとりで考えなければ身につかなかった。
    https://oshiete.goo.ne.jp/qa/7596553.html(No.5 20120718 17:38)
     
    …… 演劇論(その1)われわれの人生は、演劇の舞台のようなもので、
    一幕を終えて楽屋に戻ると、そこには扮装を解いた共演者たちが待ちう
    けている。「ご苦労さん」とでも声をかけられるのではないか……。
     |
     居あわせた人たちは、ことごとく現実主義者だったので、とても共感
    が得られるはずもなかったが、それでも、カンちゃんはこう反応した。
    「そうかも知れんが、そうではないかも知れんな」(20041128-20050103)
     
    (20141227)(20170923)(20211004)
     

  • ・本来のタイトルは「彼の理性を正しく導き、諸々の学問において真理を求めるための方法の序説、なおこの方法の試みなる屈折光学、気象学および幾何学」。尚、この本には試論は載っていないが、特に幾何学に関する試論は読んでみたい。
    ・Wikipediaの「ルネ・デカルト」や「方法序説」の項目が良いまとめになっている。
    ・平易な文章で手短に書かれている。だが凝縮して書かれているようだ。
    ・第1部
    序。読者に対する注意。学生時代を通して学問に対する所感を述べている。良識は公平に分配(12頁)、詩は天賦の才能(17頁)、と。
    ・第2部
    士官として戦争中の冬、炉部屋で(第3部も)。学問の方法(問題を解く方法)として4つ挙げている。1.明証の規則。2.分析(分割)の規則、選択の規則。3. 綜合の規則、綜合を可能にする順序の規則。4.枚挙の規則。これらは数学から考えたと。
    方法の4規則。
    ・第3部
    生活と学問とをどう調節すべきか(実践道徳の規則を述べる)。第1は、自らの国の慣習に従うこと。第2は、一度自ら決定した以上はそれに従い、迷わないこと。第3は、世界の秩序を自分の欲望に変えようと努めること(ストア的)。最後に、私の理性を開発するために、私が私に命じた方法に従って力のかぎり真理の認識へと前進するために、全生涯を使い果たすこと。
    行動の3格率。
    ・第4部
    アムステルダムへ。神学。形而上学。「私は考える、それ故に私は有る」を哲学の第一原理に。
    ・第5部
    哲学第一原理から自然法則を指摘。そして「神は自然のうちに定め、この種の知識を私どもの精神に刻みつけた」(55頁13行目)と。自然法則の例として、天体、医学、心臓と血流、血液循環説等を。
    「光はほとんどすべてそれらのものから出てくる」(56頁11行)がやや面白く感じられた。
    ・第6部
    禁圧されたガリレオ・ガリレイの自然学上の新説は、賛成や反対は別にして、宗教にも国家にも有害であるものはないと。著者は物理学上の意見の公表を躊躇。本書の慎重な物言いは異端とされることを避けるためでもあるのか。

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著者プロフィール

デカルト

Rene Descartes 一五九六―一六五〇年。フランスの哲学者、数学者。数学的明証性を学問的認識の模範と考え、あらゆる不合理を批判検討する立場を確立した。そのことによってしばしば近代哲学の父といわれる。一六三七年公刊の『方法序説』は思想の領域における「人権宣言」とも称される。長くオランダに隠れ住んだが、終焉の地はスウェーデンであった。

「2019年 『方法序説・情念論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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