わが師折口信夫 (1967年)

  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 折口信夫に生活を囲うように迫られる弟子の恐怖記録(?)。
    ハラスメントという言葉がなかった時代…それでも師を尊敬し続ける気持ちがわからないのだが、折口信夫の姿を潔しと思う時代性であったのだろう

  • 稀代の大学者・歌人より執拗なセクハラを受けつつも呪術的ともいえる折口の魅力に抗えず、弟子として長らく仕えた歌人の回想。

    「柳田先生のおっしゃった意味は、ぼくには良くわからないけれど、師弟というものは、そこまでゆかないと、完全ではないのだ。単に師匠の学説をうけつぐと言うのでは、功利的なことになってしまう」

    折口が同性愛者であったことは間違いないのだが、何かの継承、つながりというものを重視する彼の考えからして、上記のように功利的以上の証としての肉体関係という意味合いはあったのだろう。

    しかし、柳田国男が「牝鶏になっちゃいけませんよ」と釘を差していることからも明瞭なように、端から見れば、やはりただのセクハラでしかない。実際、作者も耐えきれずに逃げるわけだし。

    折口の性格、性癖をみごとに活写することで、同時に同性愛セクハラ・アカハラを描いたと作品ともいえる。折口信夫に興味がなくとも十分に楽しめる一冊。

  • 府立中ノ島図書館

  • 「木島日記」を読んで折口信夫本人に興味がわき、
    参考文献に挙げられていた本書を読んでみた。

    同性愛の気質がある方ということは事前に分かっていたのだが、
    実際にこのように文書に書き起こされると非常に生々しく、
    正直気持ち悪いと感じてしまった。
    黒いふんどしの辺りは本当に怖い。

    ただ、折口氏は同性愛というよりも、
    師匠と弟子の関係に非常に執着していたように
    この本からは感じられた。

    師弟関係の延長というか、
    結びつきを強くするための手段としての同性愛みたいな。

    結局自分の弟子とも、
    また師匠の柳田氏の間にも溝があったように見受けられ、
    何というかとても孤独な方なのだろうかと感じた。

    しかし、何故死後15年も経ってからこれを書いたのだろう。
    暴露&告発本なのだろうけれど。

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