ピカソとの生活 (1965年)

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感想・レビュー・書評

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  • 銀座で「フランソワーズ・ジローの回顧展」
    笠間で「花の女 フランソワーズ・ジロー ピカソ、マティスとともに展」が開催され、
    フランソワーズジローが来日、
    NHKの日曜美術館でも彼女のことがとりあげられました。

    彼女はピカソの6番目の愛人であり、ただひとりピカソから離れた女性です。
    そして彼女が書いたこの本。

    >ピカソは、自分自身の眼でその内容を見、激怒し、自分のプライヴァシーが我慢ならぬほど侵されているとして、この雑誌の押収を二回にわたって訴えた。しかし法廷は、ピカソにプライヴァシーの権利を認めながらも、著者に表現の自由があることをも認めて、処分の申し立てを冷然としりぞけてしまった。
    >これに対して、ピカソを擁護する芸術家40人は声明を発表し、ピカソ自身のプライヴァシーの権利が、著者の自由に先行することを強く主張した。

    日曜美術館でこの本が紹介されて、いても立ってもいられず、図書館に予約、タッチの差で二番になりました。

    芸能人の暴露本とは違います。分厚いし、45年も前の本なので、字がとっても小さいです。
    でも、私の後にも数人予約しているし、調べたら、川崎では27人、横浜では2冊のところに59人が予約待ちしていることがわかりました。
    返却日までに読み終えて、本当によかったです。
    頑張ったなぁと思う

    これから読んでみようというかたは、ピカソの時代のフランスの様子、政治家、文化人、美術の専門用語など…ある程度知識を得ておいた方がいいと思います。

    「なぜピカソがあのような絵を描くのか」
    「なぜピカソの絵が高く売れるのか」
    「なぜ複数の女性があそこまで彼に惚れるのか」

    それが知りたくてこの本を読んでみました。
    難しくて大変だったけど、ちょっとだけ進歩したように思います。

  • 私が間違っていた。これは、ただのゴシップ本ではない。これは、ピカソと7年間?を過ごした30歳位年下の恋人フランソワーズの暴露本。

    他に言いようがないので、暴露本としたが、そんな下品な内容でなく、むしろピカソって偉大と思える内容。
    美大生のフランソワーズに語るピカソの芸術は、教室で聞いてもおかしくない位理論的で、破天荒な人なのかと思っていたので意外だった。
    「キュビズムとは何か」などを簡単な誰でもわかる言葉で語ってくれるので、芸術自体に前より興味を持てた気がする。
    それも、フランソワーズが美大生だからであろう、分かりやすい比喩表現を使ってくれるから。

    最終的には、ピカソは常に新しいものを求めずにはいられない性格で、フランソワーズに悲しい思いをさせてしまう。それで、裁判を起こして、フランソワーズが勝ち、私たちがこの本を読めるわけなのだけれど、なぜピカソが争ったのかが分からない位、読み終わった後に、やっぱりピカソってすごい人なんだと思わせてくれる本。

    ただし、フランソワーズがの思いが溢れたのか、私の嫌いん2段組みで、文字数が多く、読むのは疲れる。

  • およそ日本でのピカソ像はこの本の内容と訳者の美術史家である瀬木真一に基づいているらしい。エピソードの大半が出てくる。ピカソが幼い頃母親は彼に「あなたならなろうとすれば何にでもなれる」といわれたらしいことや、ゲルニカを描いている時に二人の女性が言い争いをしはじめ、ピカソにどちらをとるか決断を迫った時、「きみたちがたたかって決めなさい」と言ったことなど(これは映画のシーンだった気がする)。

    記述がまわりくどい。性的な物事には直接、あまり触れまいとしているのが、よけいわかりにくくしている。いつのまにか子供ができていることになっている。

    しかし、よくここまで詳細に覚えているものだ。警察の事情聴取のようだ。ただし、「魔法が」とけてからの想い出だ。

    ピカソの利己性は、彼自身のゲームのなかで洗練されている、という印象。ここの作品というより、総体として、人間としてこそが彼の作品だろう。

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