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感想・レビュー・書評
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作品の舞台は鹿児島県枕崎市から始まり、坊津、終わりには熊本県の阿蘇山へと変わって行きます。筋書きもなく、上り調子なのか下がり調子なのかも分からない、言ってしまえば結末もない放浪小説(のようなもの)。東京の精神病院を抜け出した一患者の五郎という中年男性が過去の記憶を頼りにあちらこちらと行ってみたり。。。
止めようもない時の流れに沿って、もやもやとした主人公の葛藤や、曖昧な出会いと別れ、そして朧な過去の記憶が入り交じっていて、とても神秘的で、《幻化》という言葉の似合った作品です。
昭和文学全集にて読了。
※幻化(genke)とは-----
幻と化。幻はまぼろし、化は仏・菩薩の神通力による変化。
実体のない事物、また、すべての事物には実体のないことのたとえ。
(2010.01.01)詳細をみるコメント0件をすべて表示
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