正法眼蔵随聞記 (1960年) (角川文庫)

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  • (2017.01.01読了)(2016.12.25借入)(1976.04.30・19版)
    『正法眼蔵』に取り組むにはまだ荷が重いので、「随聞記」で肩慣らしをしてからにしたいと思います。肩慣らしだけで終わる可能性も十分あるのですが。
    岩波文庫版が手元にあるのですが、現代語訳がついていないので、現代語訳のついているこの本を図書館で借りてきました。かなりかみ砕いて訳してくれているのですが、50年以上まえの訳なので、それなりに難しいところが残っている、例えば四字熟語的なものは訳さずにそのまま残っていたりするので、自分で購入したり、大きな図書館が近くにある方は、最近出版されたものをお勧めします。僕の利用できる図書館では、現代語訳付きの本は、この本しかありません。
    内容の話に入ります。懐奘さんが、折に触れて道元さんに質問してみたときの回答や道元さんが話したことをまとめたものということです。
    「道元禅師随聞記」という題名でもよかったのでしょうけど、『正法眼蔵随聞記』となっているのは、『正法眼蔵』を読むうえで、または理解するうえで手引きになるよ、ということなのでしょうかね。
    道元さんは、仏の道に沿って生きることを喜びとしたのでしょうね。そうだから、他の人も出家したからには、一生懸命修行して、仏の道を見つけて生きることが喜びになると、そのための手助けをしようとしたのでしょうね。
    修行優先で、個人的な世俗のことは、気にすることはない、と。ただ、世の中で困っている人に請われたら、そちらを優先しなさいともいっています。
    結構濃い中身の本です。

    【目次】
    凡例
    重刻正法眼蔵随聞記序
    第一
    第二
    第三
    第四
    第五
    第六
    跋語
    解説  古田紹欽

    ●座禅(47頁)
    行は能力と性質とに順わなくてはならないということになるが、今日禅門に相伝していてもっぱら修めているところのものは座禅である。この座禅の行はよく多くの人々の能力に適応した教えであり、すぐれた性質の人にも、普通の性質の人にも、劣った性質の人にも等しく修することの得られる教えである。
    ●出家の孝順(114頁)
    出家の孝順は父母の恩を捨て世事を否定した世界に入るのであるから、父母に恩を報ずるのではなく、一切の人々を等しく父母とし、その恩の深いことを思ってすべての善根を広い宗教的世界に行き渡らせるようにすることである。
    ●自我を離れる(135頁)
    ただよいことをし、人のためによい事をしてその代わりを得ようと思ったり、名前を世に顕そうと思ったりしないで、本当に代償を求めず、多くの人々を利益することをする、これがすなわち自我を離れる第一の心構えである。
    ●仏道(212頁)
    仏道を学ぶにはすべからく自己中心的な我を離れなくてはならない。

    ☆関連図書(既読)
    「道元『正法眼蔵』」ひろさちや著、NHK出版、2016.11.01
    「道元入門」秋月龍珉著、講談社現代新書、1970.02.16
    「「正法眼蔵」を読む」秋月龍珉著、PHP文庫、1985.11.15
    (2017年1月7日・記)
    (アマゾンより)
    道元自身の「正法眼蔵」に見る高い宗教精神、哲学的思索とは異なり、師匠と弟子との間にかわされたその折々の愛情に満ちた断片的説示を、弟子の懐奨が聞くがままに筆録した求道日記ともいうべきもの。

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