実践論・矛盾論 (1957年) (岩波文庫)

  • 1957年5月6日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 著者の共産主義(毛沢東主義)革命実践論。姉妹作品としては矛盾論(著者の革命理論)がある。明快で解り易く、小品なので直ぐに読める。毛沢東語録の根底にあるものと言えよう。その割には、何故か中共樹立後に大躍進運動や文化大革命という大失敗を遣って仕舞う。著者もまた人間の限界を超えられなかった事が解る。

  • 最初は「なんか”空想から科学へ”の焼き直しじゃないか」と思っていたのですが、エンゲルスやレーニンの理論を深化させ、より的確に発達させたものであると感じた。

    ただ彼は、国際政治立場上の関係なのか、スターリンを礼賛し、トロツキーを「間違った思想家」としている。しかし私は過去にトロツキーの「永続革命論」を読んだことがあるが、正直この「実践論・矛盾論」を読むかぎりでは、毛沢東の思想はトロツキー主義に近いと感じた。読めば分かるが、「理論に固執し続けることなく、状況を客観的に分析し、最善の策を講ずることが重要」なのである。トロツキーは「スターリンは古典的な二段階革命を国民党に押し付けようとしているが、中国ではブルジョワジーが革命を起こすことはない。共産党率いるプロレタリアートが革命を起こすことができる。」と説いた。どこにでも二段階革命論を押し付けるスターリンが、「客観的に分析」できているのか、疑問に思った。
    実際、毛沢東は中華人民共和国を成立させているので、ある意味でトロツキーの考えは当たった。

    この本を読む前に、「空想より科学へ」を読むことをお勧めする。

  • 「主要な矛盾は一つである」

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