黒人文学全集〈第3巻〉山にのぼりて告げよ (1961年)

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  • 第一部安息日はジョンの誕生日1935年3月の土曜日、土曜の夜の礼拝の前の清掃をジョンとエリシャで行っている。第二部の信者の祈りでは、第一章伯母のフローレンス、ジョンの養父にあたるガブリエル、ジョンの母親のエリザベスの生い立ちが語られる。第三部の打穀場では再び教会の中へ場面は戻される。
    第一部では、グライムズ家の主人ガブリエルは、彼の息子ロイが居住区で白人ギャングとの喧嘩でナイフで刺された際に、妻のエリザベスを平手打ち、さらには息子ロイを殴り続ける。伯母のフローレンスは気違いは生まれつきと述べるように、暴力的な一家の主人であることがわかる。

  • ジェイムス・ボールドウィンの自伝的教養小説。黒人として生まれ、体験する世界は、物語とはいえ近しいことがあったと思われ胸が痛い。神に仕える者として、清廉潔白でなくとも矛盾と向き合う日々を重ね苦悩する大人。一方で神に仕えることを見出す少年の純粋さの対比が、誰もが矛盾を抱えて生きていかねばならないんだと教えてくれる。もちろん肌の色も関係ない。こういう時代もあったということを出版を継続することで繋いでいってほしい。

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