自省録 (1956年) (岩波文庫)

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  • 「自省録」マルクス・アウレーリウス著・神谷美恵子訳、岩波文庫、1956.10.25
    231p ¥350 (2019.06.10読了)(2019.05.31借入)(1984.06.10/33刷)
    Eテレの「100分de名著」で紹介されたので、読んでみました。
    残念ながら内容を把握できないまま目の前を活字が通り過ぎてゆくだけでした。Eテレのテキストを読んだ方が、マルクス・アウレリウスの言いたかったことがよくわかります。
    Eテレのテキストで引用されていた文章は、この岩波文庫からのものではないようです。Eテレのテキストのものの方が分かり易くなっています。

    訳者の神谷さんは、訳者序でこの本を以下のように記しています。
    「この書物は「古代精神の最も高い倫理的産物」と評され、古今を通じて多くの人々の糧となってきた。」(3頁)

    【目次】(なし)
    訳者序  昭和23年9月末日
    新版に対する序  昭和31年4月2日
    第一章

    第一二章
    解説
    一 マルクス・アウレーリウスの生涯
    二 「自省録」の思想内容について
    三 「自省録」の構成、文体その他について
    文献

    ●アポローニウスから(8頁)
    独立心を持つこと 絶対に僥倖をたのまぬこと ひとに説明するとき短気を起こさぬこと
    ●アレクサンドロスから(10頁)
    緊急な用事を口実に対隣人関係のもたらす義務をたえず避けぬこと。
    ●延期(21頁)
    思い起こせ、君はどれほど前からこれらのことを延期しているか、またいくたび神々から機会を与えて頂いておきながらこれを利用しなかったか。
    ●人生を去る(24頁)
    今すぐにでも人生を去って行くことのできる者のごとくあらゆることをおこない、話し、考えること。
    ●理性(47頁)
    君は理性を持っているのか?「持っている。」それならなぜそれを使わないのか。
    ●復讐(82頁)
    もっともよい復讐の方法は自分まで同じような行為をしないことだ。
    ●後悔(126頁)
    後悔とはなにか有益なものを取逃がしてしまったことにたいする自責のようなものである。
    ●自由行動(128頁)
    自分の意見を変え、自分の誤りを是正してくれる人に従うこともまた一つの自由行動である。
    ●君の判断(137頁)
    君がなにか外的な理由で苦しむとすれば、君を悩ますのはそのこと自体ではなく、それに関する君の判断なのだ。ところがその判断は君の考えひとつでたちまち抹殺してしまうことができる。
    ●死(146頁)
    死を軽蔑するな。これもまた自然の欲するものの一つであるから歓迎せよ。
    ●教わる(195頁)
    書き方と読み方は、まず教わらなくては教えることができない。まして人生においておや。
    ●慣れ(202頁)
    すべて君が苦手だと思うものに慣れよ。

    ☆関連図書(既読)
    「マルクス・アウレリウス『自省録』」岸見一郎著、NHK出版、2019.04.01
    「ローマ人の物語Ⅺ 終わりの始まり」塩野七生著、新潮社、2002.12.10
    「神谷美恵子『生きがいについて』」若松英輔著、NHK出版、2018.05.01
    「生きがいについて」神谷美恵子著、みすず書房、1980.06.25
    (2019年6月14日・記)
    (表紙より)
    アウレーリウス(121-180)はローマ皇帝で哲人。蕃族の侵入や叛乱の平定のために東奔西走したが、わずかにえた孤独の時間に自らを省み、日々の行動を点検し、ストアの教えによって新たなる力を得た。本書は静かな瞑想のもとに記されたものであるが、著者の激しい人間性への追及がみられる。古来、もっとも多く読まれ、数知れぬ人々を鞭うち励ました書。
    (「BOOK」データベースより)amazon
    生きているうちに善き人たれ―ローマの哲人皇帝マルクス・アウレーリウス(一二一‐一八〇)。重責の生のさなか、透徹した内省が紡ぎ出した言葉は、古来数知れぬ人々の心の糧となってきた。神谷美恵子の清冽な訳文。

  • 見当たらないので図書館で借りてきた。2007年に岩波文庫で新たな版が出たようだが、字が大きいか行間が広いらしく、ページ数がまったく異なっているので注意が必要。…と思ったら、借りてきたものが2007年の改版されたものだった。

  • どうしようもなくだらだらした時。
    奮い立つか、こんな超人じゃないよと思いつつも、凡人なりに歩く気にならせてくれる。
    身近にこんな思想の方がいたら、また違った気持ちになるだろうから、偉大な先人でちょうどいいよね。

  • 情念に支配されず、理性や自然に従って生きよ。生と死、名誉と不名誉、富と貧、苦痛と快楽は、善でも悪でもない。内なる自然(神、理性)を愛せよ。宇宙の指導的理性によって万物は動かされており、前後の出来事には因果関係がある。ストア哲学の主張が散りばめられた作品。

  • 2015年100冊目。(再読)

    コントロールできるものに対しては真摯で建設的な姿勢を、
    コントロールできないものには委ねる心を。
    自身に起こる外的要因は選びようがないものが多い。
    マルクス・アウレリウスが言うところによれば、それらは宇宙や自然の必要から起きていることであるのだから、煩っていてはいけない。
    逆に内的な解釈は自分が選べることであるのだから、不都合な出来事に対しても、それを嘆かないばかりか、むしろ気高くなれるチャンス。
    ストイックで厳しい内容が多いが(ストア派なのだから当たり前だが)、ずっと心に留めていたい言葉ばかり。
    ====================
    2013年65冊目。(初読:2013年6月30日)

    哲人皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌスの手記。
    自分自身との対話から紡ぎ出された言葉には、
    日本語に姿を変えた後も力強さを感じさせる。

    ■失いうるものは「現在」だけであり、生きれるのも「現在」だけである
    ■外部の事象を解釈するのは「主観」であり、それは自らの力で変えられるものである。
    ■すべての事象は宇宙の自然の為すものであり、一瞬も早くなく、一瞬も遅く、起るべくして起る

    自分がコントロールできるものに対して真摯に向き合うことを大事にしているのだと思う。
    コントロールできないものに頭を煩わせている時間が一番もったいない。
    そう思わせてくれた。

  • 自省という言葉の意味が分かる本。ローマ時代から、こんな深く自分と見つめ合い、「もし明日死ぬならー」とジョブズと同じことを述べるマルクスがかっこいい。毎朝そっと読みたい著である。

  • 正直言って、読みづらかったです。

    題名からして、マルクス自身への問いかけが多く、何を言っているのかはあまり理解できません。さらに、邦訳がひどい。長い文章をそのまま訳出しているだけでした。

    それでも、ローマ帝国の皇帝という立場にありながらも自身の理性的な生きかたを追求したマルクスの姿勢には、尊敬の念を抱かずにはいられません。社会に果たす自己の役割(マルクスは宇宙の真理、ともいいます)を熟考し、義務を果たす為に自らを律する。こうした倫理観を、為政者は持つべきだと思います。

  • 書かれたのは、今から1800年ほど前。
    でも古くない。
    人間は、少なくとも、倫理的な面においては昔も今も何も変わってはいない。

  • 古くから政治家は哲学者でなくてはならないとかいう理想があるらしいんだけれども、歴代のローマ皇帝の中で、一度だけ理想が現実になったときがあったそうな。

    その人がマルクス・アウレーリウス。

    哲学者として、ローマ皇帝として、父親として、夫としてのマルクスの手記が2000年以上の時を経てもなお遺り、人びとのこころを打つことの奇跡、ですよ。

  • 【2009/6/25】
     ストア派のマルクス・アウレリウスの本。

    ・今、目の前の現実にのみ、誠実に取り組め。
    ・欲望に流されてはいけない。
    ・過去も未来も幻想だ。

    ・人間の一生はあっという間だ。
    ・長い星のサイクルに対し、人間の一生は短い。
    ・たまたま生まれ、また同様に土に返っていくだけだ。

    ・自分の歩むべき道を歩め。
    ・自らの外に幸福はない。
    ・この世界は調和が保たれている。

    ・人間の人間たるゆえんは知性(理性)があることだ。
    ・快楽におぼれるものは動物だ。

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