モーム短篇集〈第9〉十二人目の妻,創作衝動,変り種 (1960年) (新潮文庫)

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  • "ミイちゃんハアちゃん"という言葉だったり、ディケンズの『荒涼館』を『侘しき家』と訳している以外はそれ程違和感を覚えない訳文。ただし、訳者後書でまるまる各短編の粗筋を最後まで語っているのは頂けない。①「創作衝動」ある女性作家が代表作を書くに至った所以:モームのあるジャンルへの愛が感じられ微笑ましくなった。これだから読むのを止められない。②「変り種」イギリス社会に溶け込み財を成したユダヤ人一家の長男坊。将来有望であるにもかかわらずピアニストを目指しドイツへ向かう:レールを外れた人々を書いたらやっぱり天下一品。そんな人物への愛情も感じられ、結末の書き振りに切なくなる。③「十二人目の妻」語り手は保養地で時代から取り残されたような一家に出会う。一方で全く彼らと正反対の悪人にも出会うが…:再読。悪人の語りは実際に話を聞いてきたのかと感じられる程目に浮かび改めて非常に筆運びが上手い。

  • 2009年1月13日(火)、読了。

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著者プロフィール

モーム W. Somerset Maugham
20世紀を代表するイギリス人作家のひとり(1874-1965)。
フランスのパリに生まれる。幼くして孤児となり、イギリスの叔父のもとに育つ。
16歳でドイツのハイデルベルク大学に遊学、その後、ロンドンの聖トマス付属医学校で学ぶ。第1次世界大戦では、軍医、諜報部員として従軍。
『人間の絆』(上下)『月と六ペンス』『雨』『赤毛』ほか多数の優れた作品をのこした。

「2013年 『征服されざる者 THE UNCONQUERED / サナトリウム SANATORIUM 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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