プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神〈上巻〉 (1955年) (岩波文庫)

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  • 105円購入2011-01-02

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    ── ウェーバー/梶山 力&大塚 久雄・訳
    《プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 1955‥‥ 岩波文庫》上巻
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B000JB54AG
     
     Weber, Max       18640421 Duitch 19200614 56 /~《職業としての政治 19190128 講演》
     Franklin, Benjamin 17060106-0117 England 17900417 90 /~《富に至る道》
     
    …… ウェーバーは、フランクリンの文章をかなり長々と引用している。
    https://blog.goo.ne.jp/514303/e/7c84b76c043548d017262f5d452a347c
     信用は貨幣である(フランクリンとウェーバー)20140102 礫川 全次
    >>
    …… 「時は貨幣であるということを忘れてはいけない。一日の労働で
    一〇シリングをもうけられる者が、散歩のためだとか、室内で懶惰〈ラ
    ンダ〉にすごすために半日を費すとすれば、たとい娯楽のためには六ペ
    ンスしか支払わなかったとしても、それだけを勘定に入れるべきではな
    く、そのほかにもなお五シリングの貨幣を支出、というよりは、抛棄し
    たのだということを考えねばならない。
     信用は貨幣であることを忘れてはいけない。ある一人の人が、支払期
    日の過ぎてからもその貨幣を私の手もとに残しておく場合には、私はそ
    の貨幣の利息を、或いはその貨幣でその期間中にできるものを彼から与
    えられたことになる。もし信用が善且つ大で充分に利用されるとすれば、
    それが少なからぬ額に達することは明らかである。
     貨幣は生来繁殖力と結実力とをもつものであることを忘れてはいけな
    い。貨幣は貨幣を生むことができ、またその生まれた貨幣は一層多くの
    貨幣を生むことができ、さらに次々に同じことがおこなわれる。五シリ
    ングを運用すれば六シリングとなり、さらにそれを運用すれば七シリン
    グ三ペンスとなり、そのようにして遂に一〇〇ポンドともなる。貨幣の
    量が多ければ多いほど、その運用から生まれる貨幣は多く、利益の増大
    もますます速かになってくる。一頭の親豚を殺すものは、それから生ま
    れる一千頭もの豚を殺しつくすものだ。五シリングの貨幣を死滅させる
    ものは、それによって生みえたはずの一切のもの――幾百千ポンドの貨
    幣を殺害し(!)つくすものだ。
     支払のよい者は万人の財布の主人である――という諺がある――こと
    を忘れてはいけない。約束の時期に正確に支払うことが評判になってい
    る者は、友人がさしあたって必要としていない貨幣をすべて何時でも借
    りることができる。
     これは往々大きな利盆となる。勤勉と質素とを別にすれば、すべての
    仕事で時間の正確と公平を守ることほど、青年が世の中で成功するため
    に必要なものはない。それゆえ、借りた貨幣の支払いは約束の時間より
    一刻も遅れないようにしたまえ。友人が怒ってそれ以後一切君の前では
    財布を閉じることのないように。
     信用に影響を及ぼすなら、どんなに些細な行いにも注意しなければい
    けない。午前五時か夜の八時に君の槌の音が債権者の耳に聞えるならば、
    彼はあと六ヵ月構わないでおくだろう。それどころか、労働していなけ
    ればならぬ時刻に君を玉突場で見かけたり、料理屋で君の声を聞いたり
    すると、彼は翌朝になれば君に返却せよと、準備もできぬうちにその貨
    幣を請求してくるだろう。
    <<
     
    (20180902)
     

  • かの有名な、ウェーバーさんの本。経済学や社会学はちんぷんかんぷんなので、読むのはなかなか根気が必要でした。使われている漢字が古かったり、そこも骨の折れるところ。ママンが大学生の頃に講義で使ったものを譲られて、せっかくなので読んでみました。

  • ウェーバーは、マルクスとは正反対に、「経済構造が上部構造を規定する。」のではなく、新教徒の精神が資本主義を発展させたと考える。その証左として、所得税の課税額はカトリック信徒よりよりプロテスタント信徒のほうが多く、職業技術を学ばせる学校に通わせるのは、やはり新教徒>旧教徒である。
    ドイツは新教徒がおおく、従来のカトリックより、その職業を氏名として捉え、励むとウェーバーは解説する。たしかにルイ14世は、アンリ4世が発令したナントの勅令を廃止した。これによってフランスでは、商人や職人がフランスから立ち去り、経済の発展が遅れたという話はある。
    ただし、そのプロテスタントの精神は本来禁欲的であり、その精神が内面的に資本主義の精神(営利を積み上げようとする欲求)とは正反対であるものの、偶然として生まれたとする。
    もっと深い意味は、下巻にて検討してみる。

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著者プロフィール

1864-1920年。西洋近代について考察したドイツの法学者・経済学者・社会学者。代表作は、本書に収められた講演(1919年公刊)のほか、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(1920年)など。

「2018年 『仕事としての学問 仕事としての政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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