今戸心中―他二篇 (1951年) (岩波文庫)

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  • 「変目伝」によって、深刻・悲惨小説の作家としてその名を高めた広津柳浪。
    その後は、題材のどぎつさが作品の中心となったが、それゆえ当時の批判はその点に集中しがちであった。
    そこで、あえて尋常の人物を題材にしたのが「今戸心中」であった。

    心中ものや、遊女/遊郭が描かれることの多かった当時であるから、「今戸心中」も当然そうした流れの中で読まれたことだろう。
    とくに、樋口一葉との比較は、内容のレベルでも、また文体のレベルでも大変面白い。
    同じ遊女を描いても、一葉と異なり柳浪は、吉里をあくまでも男の視線から描き出す。

    さらに、心中という題材とその結末の描き方にしても、たとえば「今戸心中」と「にごりえ」では大きく異なる(逆にそれ以外のところはそっくり)。

    なぜ、柳浪は明らかなかたちで心中を描かなかったのか。
    そこにこの作品の限界と可能性がある。

  • 「変目傳」
    「今戸心中」
    「雨」

    なんで?と問いかけ責めることをためらうような、どうしようもない不幸と寄り添って生きてしまう人たちの話。

  • 8/2

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著者プロフィール

広津柳浪

一九六一(文久元)年佐賀県生まれ。東大医学部予備門を中退。『女子参政蜃中楼』でデビュー。主な作品に『残菊』『黒蜥蜴』があり、社会の暗黒面を描く「深刻小説」と称された。一九二八(昭和三)年没。

「2020年 『吉原の面影』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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