落穂拾ひ (1953年)

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感想・レビュー・書評

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  • 「ビブリア古書堂の事件手帖」で著者・小山清のことを知り、
    ぜひ読んでみたくなった…で、古書サイトを彷徨ってみたんだけど、
    さすがに新潮文庫版はつかまりそうにない…図書館で検索し、
    こちらを手にすることができた。

    おそらく、文庫収録作とは異なるんじゃあないだろうか…
    本書は「わが師への書」「聖アンデルセン」「落穂拾ひ」「夕張の宿」
    「朴歯の下駄」「安い顔」「櫻林」の7編。手にしたのは、ぼろぼろで
    黄ばんだ本…歴史的かなづかいも雰囲気あるなぁ。

    独白で綴られる文体…そのどれもが繊細な自意識に満ちていて、
    あぁ、若い頃って、きっと誰もがこんなだろうなぁ…って思った。
    懐かしくもあり、ちょっと前時代的な感じもするんだけど、
    いや、きっと今の若者だって、多かれ少なかれこんなだろう…

    中でも「落穂拾ひ」を面白く読んだ…古書店を経営する若き女性と
    知り合いになった男…少しづつ会話を交わすようになり、
    ある日、ささやかな誕生日プレゼントをもらう…
    思いっきりオジサン呼ばわりされて…旧かなで書くとこう…をぢさん…

    なんだか、お尻が痛くなるような書かれ方なんだけれど、
    なんだか、このをぢさん…まんざら悪い気はしてないようで…
    っていったお話。他になにが起こるわけでもないんです。
    でも、なんだか、ちょっぴりくすぐったくなるような・・・

    こういったテイストの話は、だんだん風化しちゃうのかなぁ…残念…
    あぶらっこい料理のあとに、お茶漬け食べたくなるような一冊、
    できることなら残して欲しいなぁ…たとえを替えるなら、
    平成の時代に鳴らす大正琴のような小説だと思うんだけど…

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