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感想・レビュー・書評
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マルクス・ガブリエルの「全体主義の克服」に触発されて老子の再読を始める。テキストは小川環樹訳注の世界の名著。中國哲學書電子化計劃に、原文と王弼の注釈があった。
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(2016.01.05読了)(2015.12.23借入)
「老子」は文庫で読みました。
「老子」小川環樹訳、中公文庫、1997.03.18
『荘子』は、内篇と
「荘子 内篇」福永光司訳、朝日新聞社、1978.07.20
概説書で、
「『荘子』」玄侑宗久著、NHK出版、2015.04.25
「荘子と遊ぶ」玄侑宗久著、筑摩選書、2010.10.15
「荘子物語」諸橋轍次著、講談社学術文庫、1988.10.10
終わりにしようと思ったのですが、外篇と雑篇も目を通しておこうと、借りてきました。
従って、この本で目を通したのは、解説部分の「老子と荘子」と『荘子』の外篇と雑篇の部分です。
外篇と雑篇の全部が収録されているかと思ったのですが、雑篇については、所どころ省略されていました。全体を読みたい方は、他の本に当たったほうがよさそうです。
(全体のページ数の関係で、割愛せざるを得なかったのかもしれません。)
『荘子』の内篇では、無為自然を言っていたのですが、『荘子』の外篇と雑篇では、自然の境地になるには、訓練やら修行やらが必要なので、有意自然を述べている部分がいくつかあります。
【目次】
老子と荘子 小川環樹・森三樹三郎
概論
老子
荘子
老子 小川環樹訳
上篇
下篇
荘子 森三樹三郎訳
内篇
外篇
雑篇
年表
索引
●人情(44頁)
目は美しい色を欲し、耳は楽しい音楽を聞くことを楽しみ、口はうまいものを食べたいと思う。それが人情ではないか。
●書物(48頁)
世の人がとうとぶものは書物である。だが、ほんとうにとうとばれているのは書物そのものではなくて、そこに書かれたことばである。しかし、ことばもそれ自体がとうといのではなくて、ことばのうちにふくまれている意味のほうが重要である。だが、意味もまだ究極のものではない。意味が指向している事実こそ最もとうといものではないか。ところが、この事実というものは、ことばでは伝えられない性質のものなのである。
●他人の指摘(341頁)
そのとおりの事実があるのに、それを他人から指摘されて、その指摘を素直に受け取らないようでは、大変な災いを受けることになるからな。
●有意自然(416頁)
内篇では、人為を捨てれば一挙に自然の境地に達するという考え方が強い。つまり無為自然である。ところが、人為をすてるということは、それほど簡単なことではない。人為をなくすためには、練習や努力という人為が必要なのではないか。もし人為を積み重ねることによって、はじめて自然の境地に達することができるとすれば、これを有意自然と呼ぶこともできよう。
●天性(422頁)
与えられた天性や天命のままに生き、いっさいのはからいをしないことが、結果としては最もよい生き方をもたらす。
☆関連図書(既読)
「孔子『論語』」佐久協著、NHK出版、2011.05.01
「論語」貝塚茂樹著、講談社現代新書、1964.08.16
「論語の読み方」山本七平著、祥伝社、1981.11.30
「老子」蜂屋邦夫著、NHK出版、2013.05.01
「老子」小川環樹訳、中公文庫、1997.03.18
「タオ 老子」加島祥造著、筑摩書房、2000.03.25
「孫子」湯浅邦弘著、NHK出版、2014.03.01
「兵法・孫子」大橋武夫著、マネジメント社、1980.10.25
「洪自誠『菜根譚』」湯浅邦弘著、NHK出版、2014.11.01
「菜根譚」洪自誠著・今井宇三郎訳、ワイド版岩波文庫、1991.01.24
「『荘子』」玄侑宗久著、NHK出版、2015.04.25
「荘子と遊ぶ」玄侑宗久著、筑摩選書、2010.10.15
「荘子 内篇」福永光司訳、朝日新聞社、1978.07.20
「荘子物語」諸橋轍次著、講談社学術文庫、1988.10.10
(2016年1月6日・記)
商品の説明(amazonより)
信言は美ならず、美言は信ならず―儒教思想・文化を否定し、社会の良識に挑戦する老子と荘子は、古代中国が生んだ巨星である。 「自然へ帰れ」と説くその自由思想は、機械文明の重圧に苦悩する現代人に壮大な想像力と魂の安らぎを与える。