日ざかり (1952年)

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  • 晶文社から太田良子訳で新訳が出たが、こちらは吉田健一訳の新潮社版。市場にもあまり出回らないと聞いていたが、状態もそこまで悪くないものを入手出来たのはラッキーだった。
    『文芸翻訳としてどちらがいいか?』というのは好みの問題だが、個人的には吉田健一の方がいい。特にラストシーンで登場人物が眺める景色の描写は圧巻で、吉田健一がシェイクスピアの『ソネット』翻訳で見せた叙情性に満ちている。寒いけど、深夜だけど、『確かに現実の日光(※原文旧字)』を感じさせられた。

    因みに太田訳は研究者らしいというか、学者肌のやや硬めの訳文が特徴で、所謂『翻訳調』の文章に親しんだ経験があれば、懐かしく思える。また、ボウエンのややシニカルな作風は、この『翻訳調』との良い相乗効果があって、特に国書刊行会の『ボウエン・コレクション』(全3巻)で顕著。

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著者プロフィール

Elizabeth Dorothea Cole Bowen (7 June 1899 – 22 February 1973)

「2012年 『なぜ書くか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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