裸者と死者〈上巻〉 (1952年) (新潮文庫〈第303〉)

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  • 十数年前から気になっていた本だったがようやく手に入れた。著者が25歳の時に1948年に発表した、戦争小説。太平洋の架空の島で日本軍と戦うアメリカ陸軍兵士たちの群像劇。登場人物はみな癖があり嫌な性格のものばかりで、軍の組織と個人のエゴがぶつかり合う。上巻だけでも560ページあるので少し身構えていたがスラスラと読めた。非常にオーソドックスな構成で登場人物たちの過去などはそれぞれ整理して書かれていてわかりやすく、最近の小説に比べると素朴。戦争小説の代表的作品として有名で、さすがによく出来ているのは確か。
     。この作家は日本では数十年前からすでに忘れ去られた作家だ。以前は和訳の個人全集や選集が新潮や早川からでていたのにだ。公民権運動など、60年台のヒーローで時代に密着しすぎていたせいか。

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