吉野葛・盲目物語 (1951年) (新潮文庫〈第219〉)

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  • 吉野へ旅立つ男が古き時代の遺物へ思いを馳せる「吉野葛」、お市の方の傍近く従ってきた按摩がその波乱に満ちた日々を流麗と語る「盲目物語」の2篇。

    吉野葛は随筆のような雰囲気の小説で、南朝の名残りを追いかけていたはずがいつの間にか母親を追いかける友人の話になっていて少し笑ってしまう。
    在郷の誠実そうな主人が差し出したずくしを頬張ったときの描写の瑞々しさ、紙漉きで痛めつけられた女の指の「いじらしい美しさ」という表現に目を惹かれた。

    谷崎さんの文章は、声に出して読んでみると、その流れるような文体の美しさに気づかされる。

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著者プロフィール

1886年(明治19年)〜1965年(昭和40年)。東京・日本橋生まれ。明治末期から昭和中期まで、戦中・戦後の一時期を除き執筆活動を続け、国内外でその作品の芸術性が高い評価を得た。主な作品に「刺青」「痴人の愛」「春琴抄」「細雪」など、傑作を多く残している。

「2024年 『谷崎潤一郎 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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