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感想・レビュー・書評
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薔薇の名前に感化されて積んであったこれを完読。漠然と思っていた中世のイメージが大きく変わった。
中世のイメージはメトロポリタンやボストン美術館で見た黒基調の陰惨な宗教画だった。つまり教皇に支配されたキリスト教一本槍の社会。
ところが教会組織は堕落し王からはバカにされ自分たちに都合の悪いことは異端のレッテルを貼って迫害。皇帝との権力闘争に明け暮れて最後はアヴィニョン幽閉で宗教改革、ルネサンス、中央集権国家出現で中世は終わり。時間スパンでは約1000年くらいか。なにも変わらなかったイメージではあったが相当なダイナミズムがあつたと理解した。つぎは中世の秋にチャレンジしようか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
民族大移動から百年戦争まで。
十字軍、レコンキスタ、マグナ・カルタ、カノッサの屈辱、修道院、魔女裁判、アヴィニヨン虜囚...中二心をくすぐられる単語が満載。
興味深いのは「国家」「市民」「人権」の成立過程。
それまで自立していた農民が、侵略者や盗賊の襲撃から身を守れなくなったときに、自由と引き換えに地方領主の「保護」を求めて農奴になった。
やがて地方領主もより大きな軍事力-国-に統合されるが、地方領主は武力を持っていたため、農奴にはならず貴族として支配階層であり続けた。
農業生産性の向上は貨幣経済を発達させ、貨幣経済の発達は新しい中産階層を生み出した。新興の中産階層は王権と手を組み、それまでの中間支配層であった貴族に取って代わることで、絶対王政の素地が出来上がる。
イギリス、フランス、ドイツ、ロシアそれぞれの発展段階を比較し、それがどのような形で近世での差異につながっていったかがよくわかる。
一般市民の生活(誕生――結婚――死)や都市の風景、旅の様子、成立したばかりの大学についての考察も詳しい。
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