明治の政治家たち〈上巻〉―原敬につらなる人々 (1950年) (岩波新書〈第31〉)
- 1950年4月10日発売
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感想・レビュー・書評
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原敬を中心に、明治時代の政治家たちを紹介しながら、明治憲法下の日本のありかたについて考察がなされている本です。上巻でとりあげられるのは、原敬、陸奥宗光、星亨、伊藤博文、板垣退助の5人です。
著者は講座はマルクス主義の立場に立つ歴史学者であり、明治維新は市民革命ではなく、封建制の廃絶にいたっていないという見かたを示しています。著者は、絶対主義の明治時代において、その政治的見地を代表する人物として大久保利通をあげ、そのような大久保の見識はけっして揺らぐことがなかったと主張します。そのうえで著者は、報知新聞に掲載された若き日の原敬の文章からうかがえる見識が大久保とかさなることを指摘します。
「平民宰相」と呼ばれた原ですが、じつは彼は盛岡藩の家老の家に生まれた人物であり、西園寺公望をのぞく近代日本の首相経験者のなかでもっとも家格が高かったことがしばしば指摘されます。しかし著者は、そうした旧時代の身分にもとづいて原の政治家としてのありかたを解明するのではなく、マルクス主義的な下部構造決定論にもとづいて、原の政治家としてのふるまいが、当時の政治体制の表現であることを明らかにしようとしているということができるように思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オムニバス形式に近いのでしょうか、原と関わりあった人々について少々。
とりあえず陸奥は色気のありすぎる美人なんですって。
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