穴 [DVD]

監督 : 市川崑 
出演 : 京マチ子  船越英二  菅原謙二  山村聡  石原慎太郎 
  • 角川ヘラルド映画
4.13
  • (9)
  • (8)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 42
感想 : 12
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4988111283252

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1957年、大映映画。監督は市川崑。脚本は妻の和田夏十との共同名義である久里子亭(くりすてぃ)。
    主演はルポライター役の京マチ子です。共演としては銀行員役の船越英二、銀行支店長役の山村聡、銀行出納係の妹役の川上康子、猿丸警部役の菅原謙二、京マチ子の友達役の北林谷栄、タクシー運転手役の浜村純、それに特別出演で作家兼歌手役!の石原慎太郎らが出演しています。

    雑誌記者である北長子(京マチ子)は警察の腐敗を暴く記事を書いた責任を一身に負い雑誌社を辞職させられていた。そこで北長子へ提案されたのが失踪者になりきった潜入ルポを書くということ。さらに一ヶ月間失踪していることができたら50万円の報奨金を出すという約束まで取り付ける。
    すっかり乗り気になった北長子であったが、失踪するにも先立つものが必要である。銀行へお金を借りにいく北長子であったが、かねてから銀行のお金を掠め取ろうと計画を立てていた白州支店長(山村聡)と千木(船越英二)は北長子の一ヶ月失踪するという計画を逆手にとり、北長子の替え玉を仕立てて全ての罪を着せるという計画を思いつく。
    そして、一ヶ月後の一日前。北長子は密かに自分のアパートへ戻ってきたのだが・・・。

    ジャンルからいけばコメディ・サスペンスとでも言えば良いでしょうか。
    主演の北長子(京マチ子)が次から次へと騒動に巻き込まれるノンストップ・ムービーで、斬新な脚本と演出、それにカメラワークや音楽で、モノクロな映像以外は全然古さを感じさせない、むしろスタイリッシュでスピード感溢れる楽しい映画でした。
    全体的なストーリーの作風はアルフレッド・ヒッチコックのような感じでしたかね。
    ただ一つ難点を言えば、あまりにも脚本を綺麗かつ精緻に作り過ぎたよくありがちな陥穽で、次の場面というか物語につなげたいばかりにそんなことは絶対にしないだろうという行動をとらせてしまっているということですかね。行動パターンにリアルさが欠けるというか、普通は50万円の報奨金が貰えるならあと一日は隠れているだろ!とかそんな感じのイライラ感を幾度も感じさせられたところが私の評価が満点でない理由です。

    主演の京マチ子は物凄く良かったですね~。こんな女優さんだとは思いませんでした。(笑)私の中ではコワそうなイメージが第一でしたが・・・。(笑)
    しかし、今回のサスペンスばりのドタバタコメディにも良く似合っていましたよ。
    あとセクシー路線もさることながら、七変化?のようないろいろな変装も楽しいことこの上なかったです。
    こんなにドタバタに動き回る京マチ子が観れて、私のイメージが大きく変わった作品になりました!(^o^)
    後年にいくほどコワそうな役しかしていなかったような気がしますが(笑)、これを観ているとコメディ女優としてもいけたんじゃないかな。

    それから今回、悪役で良かったのは船越英二ですね。
    このコメディ・サスペンスの中で支店長の山村聡をはじめ、唯一真面目に悪事を企んでいる連中でしたが(笑)、中でも船越英二の存在感は大したものでした。
    私のイメージは後年の『熱中時代』の校長先生役なんですが(笑)、へー、船越英二ってこんな役もしてたんだー!?という感じですね。
    この船越英二の存在感のおかげで、サスペンスとして成り立っているといっても過言でなかったと思います。

    あと、猿丸警部役の菅原謙二のコメディぶりもなかなか楽しかったですが、意外なところでは石原慎太郎が歌っているのが注目ですね。
    今と全然顔が違う~!(笑)
    ちょっとした角度で、ああ今と似ている輪郭もあるかなという程度です。
    昔の映画ってこんなところにも楽しみがありますよね。♪

    この映画は脚本と俳優、そして監督の演出がばっちり決まった映画だと思います。
    こういう佳作の映画って色褪せないですね~。

  • 市川崑監督のコメディミステリ。主演は今年5月に亡くなられた京マチ子さん。ジャケのポルカドットが渋谷系でおしゃれ。『黒い十人の女』のリバイバル上映にピチカートの小西康陽が関わってたから、『穴』がソフト化される際にそのあたりのデザイナーさんがジャケを手がけたのかな?と(ミルクマン斉藤さん→groovisionsかな)。

    崑さんの活動歴は非常に長くて、横溝正史とともに復活した『犬神家の一族』の時には私はまだ生まれておらず、リアルタイムだとその後の作品しか知らない。
    崑さんは好きと言えば好きだけど、歳をとってからの作品はものすごく衰えを感じるし、監督本人にはあまり入れ込めないような、そんな監督さん。

    これはなぜか、昔の作品を観てようやくわかってきた。市川崑の作家性というのを考えてたのですが、「そんなものはない」のではなかろうかと。
    いや、テクニック的にはあるんだけど。テンポの速さ、編集の巧さ、元アニメーター的な表現、銀残し……etc.そういうところではなくて。崑さん本人はほんとに職人的だと思う。

    作品のトータルコントロールということを考えると、やはりホン。つまり市川崑の中身、市川崑の作家性というのはイコール奥さんの和田夏十なんだなと、50年代60年代の全盛期の作品を観ると、ものすごく感じる。
    かつてトリュフォーが市川崑にインタビューしてイライラしたそうだけど、崑さんではなくて和田夏十さんにインタビューした方が良かったんじゃないかと思う笑。

    1957年の『穴』、59年の『鍵』、61年の『黒い十人の女』。このへんの作品を観ると、女性が男性をやり込めたり、復讐したり、性的な解放だったりと、和田夏十っていう人がかなり出ていると思う。「崑、死ね!」みたいな笑。
    だからこの頃の和田さん脚本作品は面白いし、女性にも当然おすすめ。


    映画の内容について。

    込み入ったプロット、早口のセリフで脚本はすごく良いと思う。スクリューボールコメディ的で、ヒッチコックというよりはビリーワイルダーのコメディミステリに近い。クリスティ原作の『情婦』とか。
    (因みに三谷幸喜ってワイルダーと市川崑が好きな人で、『いだてん』で市川崑の役を演じる)

    ただ、セリフが早口で倒置法が多くわかりづらいのが難点(聴き取れるレベルではある)。それとミステリにありがちな、後半の説明ゼリフの多さも映画としてはダメな点。(わかりやすい例だと『名探偵コナン』とかね)

    京マチ子の七変化は素晴らしい。今まで『羅生門』や『雨月物語』など時代劇で和服のイメージしかなかったけど、洋服を着るとめちゃくちゃグラマーなのがわかる。胸の谷間の強調!ここから『鍵』のエロスにつながる。
    メイクもきついイメージしかなかったけど、ノーマル状態の薄いメイクの京マチ子さんの顔は別人で、すごくキュートだった。女は化粧で化ける。こういう顔の人けっこう好きなんだけどなー。

    ラストの「穴」ができるところ、ここのテンポとタイミングは最高で、崑さん的。

    ラストシーンの一番最後のところがけっこう重要。女と男の関係性に注目すると、『穴』→『鍵』→『黒い十人の女』と、和田さんの心情の変化が感じられて面白い。(映画の通りなのかはわからないけど、ね)

  • 2013年の今観てしまうと「それってどうよ」と突っ込みどころ満載なんですが、映画全体のスピード感が立ち止まって考える事を許しません。もしかしたら欧米のおしゃれコメディみたいに作りたかったのかもしれませんが、昭和32年ではどうしても「おしゃれ」感が醸し出せていません。老害と言われた政治家のあの人が何故かトンチンカンな歌を披露しています。肉感的な京マチ子がエロ可愛いです。

  • 京マチ子が痛快。テンポも良くて観やすかった。
    所々わざとらしい(演技を感じさせる演技というか)仕草が目立ったけれど、それすらも面白い。

    あと感じたのは、
    京マチ子のこれぞ日本人のえろ、という体つき。

  • 面白かった。地に足が着いた感じにくだらなく、程々にサスペンスも効いてて、洒落てる。これが65年前か。

  • ジャケットのおしゃれ感にひかれて何の気なしに手を出してみたら、思いのほか傑作で嬉しかった。洒脱でよく練られていて無駄のない見事なストーリー。
    京マチ子がいちいち可愛くてずーっとニヤニヤ眺めていたい気持ち。芸達者だ。
    ラストの言い争いもツボすぎた。

  • オシャレな映画じゃないけど面白かった!京マチ子のブラジル人みたいな変装とか、電気コードを使った罠のシーンとか、荷物預かり所での細工など…巧みな演出に驚いた。

  • 単純にすごい楽しめた!!!

    多少、推理とかは単純なところがあったけど、話の進み具合などテンポがよかった。

    京マチコはお高い役ばかりを演じてたのかと思ったら、こんなにコミカルな役も上手いんだなぁ・・と感心!

    若いころの石原慎太郎が出演しているのも必見(笑)!

  • 1ヶ月間世間から隠れきれたら賞金50万をもらえる、
    という雑誌の企画から自称ジャーナリストの北長子が、事件にまきこまれていくコメディ風のサスペンス。とにかく面白くて最後まで飽きずに観られた。
    最近の邦画にありがちな話があるようなないような、 日常の一部を切り取ったものではなく、キチンとストーリーがあるエンターテイメント。テンポがよく、今観ても新しいものがいっぱい。北長子が無実をどう証明するか、それが見もの。
    戦後間もない1950年代の日本の風景はもちろん(電柱の張り紙、タクシーの愛らしさがたまらん!!)
    当時のアパートの様子も舞台となっていて、時代背景とでもいうのでしょうか、こちらも大変興味深く観ることができました。しかし京マチ子早口すぎて若干聞き取りづらい。他の作品を引き合いに出すのもあれですが、月曜日のユカの若かりし頃の加賀まりこも早口だった。当時の人々は会話のテンポが今より早かったのでしょうか。気になる。非常に気になる。

  • すっごい面白かった。ナイスコメディー。京マチ子、最高。。。最初から最後までよくもここまで面白く笑えたもんだわ。。。石原慎太郎がツンツンして出てるとことかも逆に笑える。(07/11/22)

全10件中 1 - 10件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×