バルカン超特急 [DVD] FRT-035

監督 : アルフレッド・ヒッチコック 
出演 : ノーントン・ウェイン  マイケル・レッドグレイヴ  マーガレット・ロックウッド  ポール・ルーカス  ディム・メイ・ホィッティ 
  • ファーストトレーディング
3.77
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4560285900359

感想・レビュー・書評

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  • 約一年ぶりに再鑑賞。前回は図書館の映画上映会で、視聴覚ホールだから座席はクッションがなく硬いし、スクリーンはちっちゃくて字幕が見えづらいし(たぶん廉価DVDをプロジェクターで投影しただけ笑)と苦しい条件で観たのですがそれでもすごく面白かった。アラはあると思うけど、改めてゆっくり家で観ても面白かったです。

    ヒッチコックのイギリス時代の最後の方の作品。1938年なので、ナチスドイツがオーストリアと、チェコのズデーテン地方を併合。翌1939年にはチェコを占領、そしてポーランド侵攻…と、第二次大戦前夜のヨーロッパ情勢が非常にキナ臭い頃。イギリスのチェンバレンは宥和政策を取っていて…要するにナチスに対して甘かった。

    各国の人々がカリカチュアされ、皮肉たっぷり。特にイギリス人は(島国だからか対岸の火事状態で)最初、主人公の女性に対して我関せずの知らんぷりをする。ではイタリア人は、チェコ人はどうか…という、この点が見どころです。
    つまり「ナチスドイツがヨーロッパ全土を手中に収めようとしててヤバいから、イギリスも知らんぷりしてないでなんとかしようぜ」ってことです。

    2年後、1940年の『レベッカ』以降はハリウッドでの作品。この後も『海外特派員』『逃走迷路』『救命艇』など、プロパガンダ映画あるいは戦時下の影響が直接出た作品を作ってます。


    そういう背景は別にしても、この映画は面白い。サスペンス・ミステリー映画だけど最終的にアクション映画になる!この点大好きです。
    『逃走迷路』→『北北西に進路を取れ』で、このあたりがのちのハリウッドのアクション映画の源流になってると思う。

    冒頭のシーン、クレーンで窓に寄るのはのちの『サイコ』と同じ。しかし『バルカン超特急』の方はミニチュア。ヒッチコック作品は特撮映画としても優れている。

    ホテルのシーンでは、ヒッチコックの変態っぷりが堪能できる。脚フェチ!タランティーノと同じか!笑

    コメディ要素もしっかりとあって飽きさせない。某名探偵ネタはイギリスならでは。コメディリリーフのイギリス人コンビは、この後に他の監督の作品にも出るなど人気のキャラクターになったそう。

    列車という限定空間で…というのは、やはりのちの『救命艇』がボートなので同じパターン。こちらも大好きな映画。

    最後のオチはやはりのちの…音楽ネタですね。色んなジャンル、のちの色んな作品の要素が詰まってます。


    ところでタイトルと日本公開年が気になった。ググったら1941年12月という情報も出てくるけど、真珠湾攻撃の直後にこんな映画公開できたのかなあ?やはり1976年の方が正しいのかな。あとバルカン半島は全然関係ないと思うんだけど…(原題を意訳すると『淑女は消える』とかそんな感じ)。

    気になるので、淀川さんが解説してないかなと調べたら、ヒッチコックと会ったときの面白い話しかしてなかった笑。
    有益な情報はあんまりなかったけど、ヒッチコックの生家は鶏肉店だったので、卵が嫌い、鳥も嫌い(鶏肉を食うのは好き)だったとか。だから『鳥』ができたのね。

  • 走行中の列車内で突然姿を消した女性を探す男女。

  • 迫力あるカメラワークや、きをてらった個性的な演出が映画のクオリティ、リアリティとなんの関係ないことがこの作品を見たらわかる。消失のトリックがこってるわけでも、アクションが素晴らしいわけでもないのに、なにこの引込み力。この映画のオマージュとしてC・ヒギンズがとったのが「ファールプレイ」で、すごくうまくこの作品の空気感を再現しとる。

  • 面白い。
    洒落が効いた、上質な作品。恐らく、色んな作品に影響を与えたのだろう。

  • 想像以上に面白かった!!最初の30分はコメディかと思ったけど、ちゃんとサスペンスだった。でもこれがあのサイコと同じ監督って考えるとそれだけで面白い。
    登場人物も多すぎず、ステレオタイプなお国柄反映してて覚えやすかったし、綺麗にまとまる感じが見やすい。でも微妙に伏線回収しないとこもあって、それはちょっと気になったかな。
    英国人が英国人すぎる映画です!!!!!

  • バルカン超特急で消えた老夫人を探す。フロイさんが結局どのように隠され、包帯巻きの患者となり次の駅にいたのかわからないままだった。マジック的なトラックですよーって雑な説明。冒頭主人公だと思ってた英国人2人組の記者が脇だったのに肩すかし。宿で我が物顔でかんじ悪い若さと美貌をかさに来ている女が主人公だったのにイラッとしました笑

  • サスペンスやミステリーは嫌いだったんだけど、面白くてびっくり。もしかしてこういうのが正真正銘、本物ってやつなんですかね。ヒッチコック監督、サスペンスの神様と言われてるのね。確かに、元祖であり元素っぽいかもしれない。無駄がないのに本質を突いてる感じ。

    犯人や犯罪組織の設定やら感情的な動機などをぐだぐだと描き続けるのは、輸入・加工された国産品の特徴だったのかな。登場人物の行動の動機なんてそんなに入念に描かなくても作品になるんじゃん!って、ハッとさせられました。生まれ故郷とか生い立ちとか、全然いらないんだなぁ。演者どうしの小さなタイミングや、緊迫するシーンでも間延びしないことが凄く大事なのね、きっと。

    観客を変に誘導しないで、煽ってこないのが好き。観ている側に自然に感覚が起こるのがいい。精巧に作られたピンボールの中を球になって転がされているみたい。要所要所できちんと仕組みが働いてる。こういうのならまた観てみたいと思ってヒッチコックを更にいくつかレンタルしました。

  • U-NEXT経由。
    個人的にはヒッチコック作品のトップ5。

    普通の人間がイザコザに巻き込まれでいく展開はヒッチコックの真骨頂。

    サスペンスに皮肉とユーモアを交える2人のイギリス紳士が上手い。

    ただ久々に観ると、担架で運ばれて交換されるところや、修道女の宗旨替えなど、展開が雑なところも見えてきた。

  • フライトプランの元ネタはこれですかね?観てないけど。
    もうちっとネタバレを引っ張って、なんというかこじんまりとしても良いと思ったが、これはこれで良いのかな。
    映画初期の段階でこんなプロットの映画を作られたんでは、今の映画で新しいプロットの映画は作れないよな。ちょっと最近の映画界を気の毒に思ってしまいますね。

  • 確かにそこに座っていたのに、乗客は誰もその女性を知らないという……
    ヒッチコックらしい王道ど真ん中のミステリーでしたが、後半から展開が大きくなりすぎてちょっと残念でした。

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