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- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4560285902957
感想・レビュー・書評
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柔らかい光を織り交ぜた明るく豊かな色彩と、異国情緒溢れるインドの風景や歳時記をとらえて丁寧に撮られた、映像美に満ちた作品。
ストーリーは取り立てて大きな展開をするわけではないけど、インドに住む英国人少女ハリエットの視点で、初恋の淡さと愛おしさ、そして人生でぶつかる悲しみを、キリスト教にはないヒンドゥー教の死生観を交えながらうまく感傷的に表現していて、じんわりと胸に残ります。
フランス人のジャン・ルノワール監督による、彼にとっては初めてのカラー映画。
印象派を代表する画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの次男で、父親譲りの色彩感覚を世間に認めさせた作品とされています。
確かに、淡く柔らかい色の配置の仕方や光の織り込み方が、とても父ルノワールに近い気がします。
1951年といえば、白黒映画が主流でカラー映画がまだまだ珍しかった時代なので、前例少なくこれだけ色彩に優れたのものを撮ったのは、やはり才能ですね。
でも、ハリエットの友人ヴァレリーは、父ルノワールの描く柔らかな雰囲気の美女というよりは、イギリスの画家ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの絵画からそのまま抜け出してきたような、硬質な印象の口元のハッキリした美女でした。
そのおかげか、フランス人監督によるインド舞台の映画なのに、どことなくイギリス風味が入っていた気が勝手にします。
映画を展開ではなく、色彩の美しい動く絵画として楽しめる方にオススメ。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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