レベッカ [DVD] FRT-001

監督 : アルフレッド・ヒッチコック 
出演 : ローレンス・オリウ゛ィエ  レオ・G・キャロル  グラディス・クーパー  ジュディス・アンダーソン  ジョージ・サンダース  ジョーン・フォンティン 
  • ファーストトレーディング
3.68
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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4560285900014

感想・レビュー・書評

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  • あのグループの音楽ビデオでは有りません(笑)。

    ヒチコック監督が渡米して製作した第一作目の作品。もう70年以上前の作品で、犯罪や殺人を扱ったミステリーではなく、見事な心理ミステリーの傑作です。

    旧家に後妻に来た女性が、亡くなった前妻の陰に悩ませながら夫を信じて暮らして行く。
    古くからその家庭に従事している家政婦(?)は前妻をこよなく信頼し、言わば崇拝していた。前妻の死亡は、病気か殺人か、自殺かが明確になっていない謎が秘められていた。

    あざやかなヒチコック監督の技量を充分に感じられる見事な心理ミステリーです。
    未見の方は是非ご覧ください。鑑賞後に必ず唸られると思いますよ。

  • 主人公マリアンは天涯孤独な身の上。
    金持ちのアメリカ人女性のお供でモンテカルロに旅行に来ている。
    そこで知り合ったイギリスの紳士マキシムと、愛を育み結婚する。

    若くてきれいな女性が金持ちの男性と結婚し、薔薇色の未来を夢見るのであるけれど、それはイギリスにある彼の屋敷に着くまでのことだった。
    風光明媚で有名なその土地マンダレイにある屋敷には、一年前に亡くなった彼の前妻・レベッカの気配が充ち満ちていた。

    レベッカはきれいで、教養もあり、センスもよく、社交界の中心で光り輝くような人だった。
    その彼女がコーディネートした部屋やクローゼットの中の衣装などに圧倒されるマリアン。
    家事を担当する責任者であるダンヴァース夫人は、レベッカとともにこの屋敷に来た人で、レベッカに対する忠誠心は今も変わらない。

    誰もレベッカのことを詳しく教えてくれないのに、マリアンは自分の周囲に常にレベッカの影を感じるようになり、徐々にマキシムとのあいだにも溝ができ始める。
    互いに愛し合っているのに、レベッカの気配が2人を引き離そうとしている。

    そんな時、湖に沈んでいたボートが発見され、レベッカの死体が発見される。
    そしてマキシムは…。

    ものすごく手に汗握って小説を読んだもので、その辺が映画でどう表現されているか心配半分、映像化によって余計にイマジネーションが喚起されるのではないかという期待半分で観ました。
    白黒映画なので、ちょっと心配だったんです。

    光あふれる新婚旅行からマンダレイの景色と、レベッカの影が濃い屋敷のなかとの対比が白黒で表現できるのかしら、と。
    でもマンダレイに着いたときには気にならなくなっていました。

    全体的にレベッカの雰囲気が屋敷中に充満しているのだと思っていましたが、部屋に置いておる小物にもすべてレベッカのイニシャルがでかでかと記されていて、これはマリアンも気分良くないよねえ。
    マキシムも気づけよ、って感じです。

    が、自分に自信のないマリアンは、なんとかマキシムに似合う女性になりたいと思うんですよね。
    彼女の持つやさしさとか寛容とか、レベッカにはない長所をマキシムは愛しているのですが、上流社会に似合う女性であるかというと、さすがのマキシムもそうとは言えず。

    前半の見どころはとにかくレベッカの不在の存在感。
    レベッカの気配に覆われたマンダレイの屋敷の息苦しさが、ダンヴァース夫人によって何倍にも圧力を増してきます。

    後半は、なぜレベッカは死んだのかの謎の解明です。
    小説ではマリアンがロンドンに行くことによって、少しずつレベッカのベールが剥がれていくのですが、映画では急転直下という感じでしたね。
    古い映画なので、急転直下と言っても今の映画よりは十分のんびりですが。

    昔の映画って、音楽が効果音というよりは叙情的に使われていて、いいななんて思って観ていました。
    うん。いい映画でした。

  • 面白いのだけど、いろいろとモヤモヤする映画。主人公の「わたし」を演じるジョーン・フォンテインが屋敷の中で卑屈な姿をずっと見せられるのだが、その中で仮面舞踏会では今までに見たことのない満面の笑顔! でもその次の瞬間に彼女は墜落してしまう。こういうあたりはとってもいいと思うのだが、最後の最後で明らかになるレベッカの死の真相は正直、肩すかしみたいなところもあり、このエンディングで「めでたしめでたし」になるのかという疑問は尽きない。でも、そういうところも含めて実に陰翳のある映画だと思った。

  • なにか事件が起きるわけでもなく、つかみどころのない話がもやもやと進んでいく前半は退屈で、主演のジョーン・フォンテインがとても清楚できれいなのだけが救い。

    前妻レベッカが偶像化されていることが見事なミスディレクションとなるところはうまいなぁとは思いますけど、ちょっと盛り上がりに欠けるか。

  • ローレンス・オリヴィエって老いてからの役しか知らないからなぁ。これはまだ比較的若い頃なのか。
    ジョーン・フォンテインより美人の設定のレベッカってどうなのよ?

  • 妻を亡くしたイギリスの裕福な男性と結婚した庶民の女性が、前の妻レベッカが絡む災難に巻き込まれる。
    主人公が健気に頑張ってるのに、レベッカの影に苛まれるのが観てて辛い。

  • 登場人物も極めて少ないし舞台もほとんど一軒の邸宅のみ。なのにこの内容の濃さは何なんだろう。

    まず人物ひとりひとりがいい演技をしてる。特に、ローレンス・オリヴィエ演じるマキシムの内に秘めた葛藤のようなものを感じさせるとこ。あとダンバース夫人の雰囲気も異様で恐ろしく存在感があります。

    しかし何より存在感があるのはマキシムの前妻レベッカでしょう。一度も登場せず出てくるのは名前だけ。なのにどの人よりも存在感があります。姿がないレベッカにここまで存在感を持たせるなんて本当にすごい。脚本のうまさなのか、見せ方のうまさなのか、とにかくヒッチコック作品は毎回何か一つ必ず一生印象に残るものを見せてくれるから好きです。

    じわじわとレベッカの影に追い詰められるヒロインを見ながら、まるで見ている自分が追い詰められてる気分になってくる映画です。
    そして最後のレベッカの死の真相、そしてとある登場人物が最後に取った行動は、女の情念の恐ろしさも教えてくれます。オシャレで洗練されたサスペンスとドロドロの人間関係がここまで混じり合うなんて…ヒッチコックの才能がよく分かる作品です。

  • 原作本の紹介文を読んだとき、ずっと以前に映画を観たことがあると思い至り、まだ半分も読んでいないうちに我慢出来ず映画を探して観てしまった。レベッカが余命を告げられたときに言った言葉が「いいえ先生、そんなに長くはない」という訳になっていたが、昔観た時には「そんなに長く」だった。意味が正反対だ。これは英語版の原作も読まねば。

  • とにかく最後まで楽しませてくれることは間違いない。あまりにできすぎた偶然性が気にならなくもないが。
    何はともあれ、「レベッカ」が一度も映像として登場しないところがよかった。美しい黒髪の女性だそうだけれど、実際登場していたら、観る側はいくらか同情心を抱いたかもしれない。ヒッチコックはちゃんと、彼女を憎ませるために周到な用意をしている。

  • すごい。ヒッチコック映画を初めて見たが、視聴者を不安にさせるような撮り方を要所要所でしていて、引き込まれる。退屈な場面が続いても、ちょうど良いタイミングで奇妙なことや、謎解きがなされる。かなり緻密に考えられたストーリーでリメイクしても絶対売れる筋書き。古さを感じさせない。

  • 監督 アルフレッド・ヒッチコック
    音楽 フランツ・ワックスマン
    ジョーン・フォンテイン ローレンス・オリヴィエ ジョージ・サンダース

    ふり幅が小さくて、宙ぶらりんな印象。

  • 繰り返されるどんでん返し!

  • youtubeで英語の字幕付きを鑑賞。主人公の配役はぴったりだが、映画版ではマキシムがイメージとやや異なる。文章で読んでも不思議な雰囲気のある「マンダレー」を、英語で聞けてよかった。

  • アルフレッド・ヒッチコックの名作。
    大富豪マキシムと出会い妻となった女。

    豪邸マンドレーでの生活には、前妻レベッカの影が色濃く映る。
    海辺のコテージに近づく主人公に怒りをあらわにする夫。
    夫マキシムの苦悩の原因とは。

    ローレンス・オリヴィエ主演。ジョーン・フォンテーンがきれい。

  • モノクロが緊迫感をさらに盛り上げている感じがした。なかなか原作に忠実だった。

  • 怪談ゴシックホラーかと思いきや法廷ゴシックサスペンスものに。
    白眉はダンヴァース夫人の異様さ。

  • 名作
    アルフレッド・ヒッチコック

  • ヒッチコックは人間の思い込みや勘違いをうまく利用していつも本当にうまい具合にやらかしてくれる。このどんでん返しが癖になる。火事のシーンは見ものだった。モノクロなのに炎の熱さが頬に感じられて、まるで画面から火が出てくるかのような迫力。

    ローレンス・オリヴィエって目を瞠るようなものすごい美人なのにあの俗っぽい女性臭さがあそこまで出せるのはさすが。
    レベッカはもちろん重要人物なのだけれど、本人は画面に現れることがないのに、現世の人々がその幻影にいつまでもとらわれて振り回される滑稽さが物語の醍醐味だと思う。

    (20120418)

  • この作品ではヒロインの名前が明らかになっていない。
    どういう意図があって名前を明かさなかったのか考えたとき、
    私はこう思った。
    前妻『レベッカ』の存在を強調するためなのではないか、と。
    最初から最後まで見えない存在『レベッカ』の脅威に怯える
    ヒロインだが、わたしはこのヒロインとレベッカが
    うまく対比されているのだと感じたのだ。
    姿はないが名前は明らかになっているレベッカ、
    何度も登場しているにも関わらず名前が明らかとされないヒロイン。
    容姿、教養、女性の品格を持ち合わせたレベッカ、
    そのどれもないが、優しさや愛にあふれているヒロイン。
    お互いにないものをそれぞれに持っている彼女たち。
    この作品はふたりの女の戦いでもあると思う。
    最後にRの文字と燃えていく屋敷のシーンがとても印象的だった。
    レベッカの敗北を物語っているようで・・・。
    全体的な構造が素晴らしく、1度見た後にもう一度最初から見ることをおすすめする。

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