嵐が丘 [DVD] FRT-007

監督 : ウィリアム・ワイラー 
出演 : ローレンス・オリビエ  デヴィッド・ニーヴン  マール・オベロン 
  • ファーストトレーディング
3.31
  • (4)
  • (14)
  • (27)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 98
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4560285900076

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 有名だけど今までまったく触れてこなかった作品。『嵐が丘』と聞くと、どうしてもケイトブッシュの歌声が脳内再生されてしまう。初映画化がこの1939年のウィリアムワイラー版だったらしいのだが、めっっっちゃ面白くて驚いた。もちろん、原作の分量はそこそこ多いのに映画は1時間45分と短いし、映画では描けない内容など、かなり端折られているはずで、これだけを観て「嵐が丘はだいたいわかった」とは言えないけれど、面白かった。

    復讐、簒奪……イギリスの有名劇作家の系譜。ヒースクリフのみが主人公ではなく、キャシーも主人公、エミリーブロンテなので女性の話でもある。嫉妬、羨望、憎悪、後悔……この「女性が愛と富(地位・階級)の間でゆれる」という話は、現代においても充分通じるのではないだろうか。

    幼い頃、ペニストン岩で王子と女王ごっこをするふたり。空想と現実の話は『ネバーエンディングストーリー』と、たまたま今読んでいる『漂流教室』を連想してしまった笑。

    しかし、ぶっちぎりで100点!という作品でもなかった。
    ・ローレンスオリヴィエ演じるヒースクリフの、とあるシーンの顔からは、外見ではなく内面の恐ろしさを感じて、「ピカレスクもの!?」と思ったが、その後の展開はそこまででもなかった。あとで調べたら原作はかなりひどいことをするらしい。
    当時は描けなかった内容だとは思う。しかし、映画版だけを観ると、悪いのはほとんど女側に見える。ワイラー監督が男性だからかも。ブロンテの原作では、どちらもかなり悪いのではと予想。

    ・字幕では翻訳されてなかったけど、キャシーの兄ヒンドリーが、ヒースクリフに対して「gypsy beggar」=ジプシーの乞食と、かなりひどいことを言っている。

    ・マールオベロン演じるキャシー、演技がすごく下手に見える。昔の映画を観ていて、俳優の演技を下手だと感じることはほとんどないのに、この人は珍しく下手だと思う。撮影中、マールオベロンとローレンスオリヴィエは仲が悪かったらしい。ふたりの愛情をあまり感じられないのはそのせい?

    ・ウィリアムワイラー監督。名匠と呼ばれているけれど、この人はもうほんとにすごくてすごくて……私が観ている作品はほとんど面白いし、評価の高い昔の作品以外にも、あとの方の『噂の二人』や『コレクター』も大好き。
    『嵐が丘』に関してはそこまででも……と思うけれど、いくつかのシーンは「ぞっとする」内面の描き方をしていて、よかった。

    ・1939年の映画。古い映画を観ていると、この時期に名作がやたらと固まっていることに気づく。晩年の大林宣彦監督も「映画の最初のピークだった」というようなことを語っていた。アメリカ映画だけではなく、日本やフランスもそうではないかと思う。第二次世界大戦が始まった年。

    ・エドガー役、若い頃のデヴィッドニーヴンじゃないかなあと思ってたら、そうでした。おじさんになってからしか観たことなかったので新鮮。

    ・知らなかったけど、私が子供の頃にやってた『愛の嵐』って『嵐が丘』の翻案なんですね(昼ドラだし小学校低学年なので当然観ていない)。3月に開局したばかりのBS松竹東急で『大江戸捜査網』と『必殺仕事人』を観てると、『愛の嵐』のCMがやたらと流れる。

    ヒースクリフ→渡辺裕之
    キャシー→小川範子、田中美佐子
    父→中尾彬
    母→江波杏子
    エドガー→長塚京三
    エドガーの父?→犬塚弘

    主題歌→下成佐登子!!!

    ちゃんと最初から観ればよかった笑。
    原作もドロドロ愛憎劇だけど、日本版になって『犬神家の一族』的な、よりドロドロの昼ドラになってそう……。

  • 大学の視聴覚ブースにて。

    本で挫折したからDVDはどんなもんかなって感じでかるーく見たら‥衝撃。
    ヒースクリフの一途な愛がせつな過ぎて泣ける。。
    絶対また観る!

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×