カサブランカ FRT-017 [DVD]

監督 : マイケル・カーティス 
出演 : ハンフリーボガード  クロード・レインズ  ポール・ヘンリード  イングリッド・バーグマン 
  • ファーストトレーディング (2006年12月14日発売)
3.88
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  • レビュー :89
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4560285900175

カサブランカ FRT-017 [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • 実に巧妙なつくりをした作品。
    王道展開なのに、細かな人物設定の妙が徹底的に活かされた、ラブロマンス映画にしてプロパガンダ映画という二つの顔を併せ持つ、名作映画。

    舞台は第二次世界大戦下、1940年のフランス領モロッコの都市カサブランカ。
    カサブランカは、ナチスの支配から逃れようとするヨーロッパの人々がアメリカに逃げるための経由地として通る土地で、そんな「亡命者」のためにビザを用意するブローカーたちが横行していた。
    しかしその反面、ナチスに本国フランスを占領されてからは、当地もナチスのドイツ将校たちが幅を利かせているという、複雑な事情を持つ土地でもあった。

    そんなカサブランカで、アメリカ人のリックは、バー兼賭博場を営んでいた。
    彼の店に、ある日、亡命用のビザを受け取る約束をしたブローカーに会う目的で、チェコ人で反ナチス運動の指導者ラズロと、その妻イルザが訪れる。
    実は、イルザは、リックがパリに住んでいた頃の恋人。パリがナチスの手で陥落した日、一緒にパリから脱出するはずだったリックとイルザ。しかし、イルザは彼との約束を破って姿を消したという過去がある。
    突然の再会に動揺を隠せない二人。

    そして、図らずも彼ら夫婦の命運を握る立場になっていたリック。そこに、ラズロを狙うナチスの将校シュトラッサーや、その支配下にいるフランス人の警察署長ルノーが関わってきて…。

    ストーリー展開自体は、二人の男と一人の女を軸にした、ラブロマンスの王道系です。
    しかし、実際観てみると、多国籍な登場人物たちの清濁入り混じる性格や過去、それぞれに秘めた信念など、背景的な設定の細かさがとてもうまく作用しており、実に良く出来た作品となっているのです。

    例えば、一見、しがない流れ者の酒場の主人で、政治には無関心な、消極的時勢迎合者に見えるリック。
    そんな彼にも、秘めた過去や闘志、情、彼なりの義や信念などを持っているのです。
    それは、彼以外の登場人物も同じ。
    最後の最後まで観ないと明らかにならない、意外な設定などもあって、最後まで楽しめます。

    もともとは、恋愛映画の皮をかぶせた、アメリカおよび連合国側の反ナチスのプロパガンダ映画として1942年に制作された映画だったそうです。
    しかし、却って、そのプロパガンダのために盛り込まれた設定のおかげで、人物像に奥行きや複雑さが出て、恋愛的な哀愁だけでなく、制作から80年近くなった今でも楽しめる、味や深みのある作品となっています。

    名作には名作と呼ばれるだけの理由はやっぱりあるなあ、としみじみ思えたよい作品でした。

  • 2017年最後に観たのが『カサブランカ』。あるあるだと思うけど、映画でも小説でもなんでも、有名な作品ほどなぜか観てないってやつはほんとありますね。
    イギリスのエンパイア誌が「史上最高の映画100本」って発表してて、このランキングの傾向はあんまり偏ってなく、「普通にちゃんと面白い」。要するに芸術性とか、あるいは映画秘宝的な感じの偏りがないランキングなので、普段あまり映画を観ない人にオススメなんですが、100本のうちほとんど観てまして、観てないのが『カサブランカ』と『市民ケーン』だったので年内中に観ようかなと。
    (因みに2014年に同誌が行った「史上最高の映画301本」では『帝国の逆襲』が1位になってました。だからこのランキングを好きなのもあります)

    で、有名な作品ってなぜか観てなかったり敬遠してしまうこともあると思うんですが、サクっと観た方が絶対に良いですよ。これは経験上そう思います。
    小説だと読むのちょっと時間かかるけど、映画とか90〜120分程度で終わるからね。(『七人の侍』とか以外w)

    で、観てみた結果ね、「あー言うほど面白くなかったな…」か「あーさすが名作と言われるだけあってやっぱり面白かったな!」か、どちらかしかないんで。映画とか小説とか、所詮そんなもんですよ。

    『カサブランカ』は、「あー言うほど面白くなかったな…」の方でした笑。
    ただね、『マルタの鷹』や『三つ数えろ』なんかよりも、この映画のボギーが一番かっこよかったです!ほんとに。

    この映画のファムファタール、イングリッドバーグマンがほんとにどっちつかずのクソ女で…いや理由あるから許せる部分もあるんだけど、ボギーが堪えて貫く様がほんとにかっこよい。
    しかしバーグマン演ずるイルザは、女の狡さと弱さどちらもあるキャラクター。これはもうほんとに現実的というか、この映画から75年ぐらい経ってるけど今だに感じます。というのは、男とか女とかいうのは社会が作ってるんで、本質的な部分ではやはりそこから脱却できてないのかもしれないですね。

    でさらにバーグマン本人が、のちに夫を捨ててロッセリーニと結婚してるという。
    バーグマンが演じてるからみんな許せるのかもだけど、『現金に体を張れ』みたいな小狡そうな女優だったら、絶対怒ってるよね。そもそも恋愛映画になってないかもしれない。

    この映画は恋愛映画に分類されることが多いと思うけど、実はそうじゃなくて。
    昔の映画を観たら、色んなジャンルの要素が混ざってることが多い。ジャンル分けって今は細分化されてるけど、1930〜40年代から徐々に成されてきたらしいので、「これは恋愛映画です!」ってはっきりとは言えないんですよ。そして色々混ざってる映画の方が面白いしね。

    先日、他の人のとこで『トラウマ恋愛映画入門』について「それって恋愛映画なの?」って話の流れになったんだけど、特に古い映画についてはジャンルが細分化されてないというのも理由のひとつだと思いますね。

    『カサブランカ』は、同じプロデューサー、共通キャストで『マルタの鷹』の翌年に作られてるので、ある意味フィルムノワールと言っても良いんじゃないかと。それと戦争映画でもあります。

    観たらわかるんだけどこれ、プロパガンダ映画でもあって。アメリカはナチとつながりある企業も多かったし、元々モンロー主義なんだけど。「ドイツと闘おうぜ!フランスを解放しようぜ!」っていう内容の映画です。
    プロパガンダ映画ってどうなの?と思うところもあるけど、まあ基本的にはナチ=悪ですから。タランティーノの『イングロリアスバスターズ』が「映画でナチをぶっ殺す!」みたいな話だったけど、リアルイングロリアスバスターズみたいな映画ですね。だから途中の『ラ・マルセイエーズ』のシーンなんかはけっこう泣けます。

    バーグマンがクソ女だからイライラするし途中まで退屈だったりするんだけど、ラストの10分ぐらいの展開がすごく良いです。「うぉぉーっ!」ってなる。それがなかったら★3どまりでした。

    あと「君の瞳に乾杯」、何回言うんじゃwwww

    今ではもうクサすぎるセリフになってますが、これ訳した人天才ですね。有名な翻訳者の方らしいですけど。

  • じつに 70年以上前の作品であるが、
    小粋で、言葉がよくねられている。

    バーグマンは やはりきれいだね。
    これだけの美人は なかなかいない。
    眼がとてもきれい。
    ナミダを溜めたときの眼がすばらしい。

    ハンフリーボガードは、粋な言葉を平気で吐く。
    それでも、反骨精神がある。
    第2次世界大戦の中で レジスタンス運動。
    その時代背景が 色濃くでて、うまい編集である。
    レジスタンスの闘士も レジスタンスらしくなく
    おしゃれに徹している。

    ラズローも、いい役回りだが、
    やはり このポイントは ルノー署長だったね。
    このクワセモノが 実にうまく立ち回る。
    時代の中で 風を よく見ている。

    いやはや。傑作だよ。この映画は。

  • とにかく、ボギーがいい男。
    っていう映画。
    スパイスにはプロパガンダを。

    ハンフリー・ボガート演じるリックのダンディズムには確かに憧れる。クールだが実は情に厚い。頭も切れるし度胸もある。小道具はもちろん酒、そして煙草。これぞ男の美学!私もこんな男になりたい。もう、登場した瞬間から最後のワンシーンまで、全編を通してこれでもかとリックの格好良さが描写される。

    反面、そんなリックがあれほどまでに愛した女、イングリッド・バーグマン扮するイルザの描かれ方には最後まで納得がいかなかった。終始「この女は何がしたいんだ?」ともやもやしてしまい、手放しでこの映画を楽しむことができなかった。
    イルザの行動は全く不可解だ。
    夫ラズロが実は死んでいなかったと分かれば、さっさとリックと別れて夫の元へ走る。なのにリックから一緒に逃げる計画を持ちかけられたら一転、もうリックと逃げることしか頭にない。かと思えば、最後の最後にラズロと逃げるようにリックに諭されると、言われるがままにあっさり去っていく。君は何がしたいんだ。そもそも真にリックを愛しているのなら、他の男と逃げるための通行証をリックから買って自分だけアメリカへ出奔するなんて真似はできないのではないだろうか。自分勝手にころころ態度を変えて、挙句の果てには涙を流してリックに縋り「あなたが代わりに考えて」だなんて、都合が良すぎやしないか。
    そこには主体性なんてものは欠片もない。彼女は美しく愚かな女。結局、ボギーの「男の美学」を引き立たせるための添え物でしかない。酒や煙草と同じような小道具の一つだ。こんな女をそれでも愛してしまう、それが男ってもんだぜ。


    ラストはよかった。一番好きなのはルノー署長かも。

  • 何よりもハンフリー・ボガードが格好良くて男前だし、イングリッド・バーグマンは美人だ。
    「君の瞳に乾杯」という有名な言葉はこの映画の中の台詞であり、「時の過ぎゆくままに(As time goes by)」はこの映画の挿入歌である。

    話の筋としては、イングリッド・バーグマン扮するイルザの優柔不断さが鼻につくようなつかないような――と思うのだが、当時の時代背景や女性の立場を考えると致し方ないと言う他ない。寧ろ当時の状況下では、イルザはかなり革新的な女性だろう。
    リックを取り巻く人々もみな魅力的だ。明日をも知れぬ時代を必死に生きている。悪党に見える人たちも、完全なる悪党ではない。自分本位ではあるが生死が身近にある日々では当然ともいえる程度の腹黒さだ。
    リックの人柄は勿論、ラズロや署長も中々粋で、一見の価値ありだと思う。

  • リックええヤツや…。

  • As Time goes by がいい曲だからと好きな人から教えられた映画。反独がすごい勢いで出てきます。内容はラブロマンス。リック役がカッコよすぎる。バーグマンもかわいきれい。ルノー所長もいい味出してます。内容は結構スッキリ。ただ君の瞳に乾杯など私ら世代には砂を吐くようなセリフも多々ありーのです。
    素敵な映画だと思います。

  • 脚本がよい。さりげなく必要な情報を映像で伝えてくれる手腕はさすが。役者もみなさん達者。リックがかわいそうではあるけど、イルザと一緒になったら、後悔の念で、2人とも不幸せになったと思うから、この結末しかなかったんだろうと思う。

  • 映画として完璧に素晴らしい。そして大人になった今ならわかることが多い。いい男はそういうとこあるよね…。ただしクソビッチにだけは生涯理解を示すことが出来ないね。

  • 昔の映画は、俳優さんもストーリーも映像も台詞も音楽も本当にいろんなものが美しい。

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