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- / ISBN・EAN: 4560285900717
感想・レビュー・書評
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アメリカ社会で根強く残っているユダヤ人差別を題材としたドラマ。
ユダヤ人差別の問題を認識したのは「青春の輝き」という映画でしたが、ユダヤ人差別が信仰に対する差別であるといことが新しく得た知見でした。クリスチャンがユダヤ教徒を無意識に下の置いて見下していることを喝破する主人公の見識は見事だし、考えさせられます
ユダヤ人差別が出自や外見に基づくものではないため、なかなか顕在化しないところが厄介であり、それがひとたび顕在化したときのハレーションが激しいことに驚きます。
ただ映画として面白いかというとなんとも微妙ですね。差別問題を糾弾するという主人公の志とは裏腹、ドラマは主人公の周囲の半径数メートルの範囲でしか動かず、どうもチマチマしたドラマに終始する印象。結局変わったのは婚約者の女性だけでは…。
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1947
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アメリカ社会にあるユダヤ人差別を正面から描く。この映画で初めて知る。
グレゴリー・ペックの魅力を発見。「ローマの休日」では37歳。こちらでは31歳。縦線のはいった下くちびるがいい。「ブラジルから来た少年」では少年の開発者だったのに気づかなかった!
1947アメリカ
2018.12.6レンタル 図書館で -
ジェイムズ・ボールドウィンがインタビューで、人々が急にユダヤ人問題に気づいて、彼らに親切にしてやらなくちゃならないと思い始めた頃の作品と言っていた。ので観てみた。でもつまらなかったのですぐにやめた。
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ユダヤ人差別に関する記事を書くために一時的にユダヤ人になる男の話。
グレゴリー・ペックがかっこいいという点以外内容を覚えていない。 -
〈ストーリー〉
妻に先立たれて、幼い息子と母親の3人で暮らしているフィル・グリーン。ルポライターのフィルは反ユダヤ主義(ユダヤ人差別)に関する記事の連載を依頼される。企画の発案者は編集長の姪キャシー。キャシーもバツイチで2人は恋仲となり、間も無く婚約する。
反ユダヤ主義に関する記事をありきたりな切り口で書きたくないフィルは、引っ越したばかりのニューヨークの地で自分はユダヤ人だと偽って、ユダヤ人の境遇を擬似体験する事により記事を書くことを思いつく。名前もユダヤ風にグリーンバーグと変え、仕事でもプライベートでも徹底してユダヤ人として生活する。それを知ったフィルの友人でユダヤ人のデイビッドはなんて馬鹿なことをしたんだと反対する。
それからフィルがユダヤ人であるというとはすぐに広がり、周りの態度は一変する。アパートの管理人、母のかかりつけの医者、息子の友達、高級ホテルなどなど。フィルの想像していた以上に反ユダヤ思想は社会に根深く、しかも身近なとろで暗黙の了解として存在していたとに気づく。ついには企画の発案者で、差別を憎んでいたはずの恋人のキャシーともこの問題で不仲となり婚約解消となってしまう…
〈感想〉
日本ではアメリカの差別問題は黒人差別ばかりが取り上げられがちで、ユダヤ人差別はあまり知られていない。私も詳しくは知らなかった。この映画がアメリカで制作されたのは1947年。太平洋戦争が終結したのが1945年だから、この時のアメリカと日本のヒューマニズム思想は天と地ほどの差がある。しかも映画の中では宗教問題も扱われている。と言うか、そもそもユダヤ人差別の根源は宗教問題なのかもしれない。キリスト教の国であるアメリカは、イエスキリストを裏切ったユダヤ人を迫害する。しかし、キリスト自身もユダヤ人だったはず。いかに差別がくだらないところから生まれてきているかが分かる。
映画は差別する人よりも、それを黙認している偽善者(心の中では差別反対と思っているが、口に出さない人達)にフォーカスを当てている。何も言わないのは差別をしているのと同じであるということ。それがすごいしっかり描かれている。
くだらない授業をするくらいなら、こう言う映画を子供達に見せた方がよっぽどいいと思わせる名作でした。 -
反ユダヤ主義風刺。
差別・偏見。
直接的支持はもとより、
間接的黙認が根深く、根深く。
ユダヤを理由に貶され号泣する息子。
「あなたは本当はユダヤじゃないのよ」
この発言がなにより。
クリスチャン優位主義の無意識化の証明。
黙ること。それは強化。
分かり合う。視点の内面化のみが手段。過程には何が。論争、怒り、指摘、内省。