フレンジー [DVD]

監督 : アルフレッド・ヒッチコック 
出演 : ジョン・フィンチ  アレック・マッコーエン 
  • ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
3.39
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本棚登録 : 49
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4582131186212

感想・レビュー・書評

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  • ごろごろいもと土と汗と死体の匂い



     できれば真っ白な状態で観られたらいいのですが。ヒッチコックの映画だと知らなかったら楽しめそう★ 全盛期と比較すると緊迫感に乏しいように感じられるのが損で、自分の先入観を恨みます。
     特定の映画監督を気に入った人が、初めて会った頃のように新鮮な気持ちのまま観続けることは可能なのでしょうか? 初めのままでいられないなら、印象の鮮度は何作まで保つのか? 何も知らずに出会いたい。映画通になんてなりたくない★

     そんな雑念の最中だったのと感想がどうしても連動してしまい、真っ白な状態で観られず……、客観性を欠いたレビューを書くしかないけど、それでも述べます。ヒッチコックというブランドに過度な期待を寄せずに観れば、『フレンジー』はどこかチャーミングで、後期物きってのクリティカルヒット作だろうと☆

    「こういう話、本当にありそう」と思わせる魔力を感じるのです。
     女性をねらった陰惨な事件が続き、新聞が盛んに書きたてる、いかにもな感じの展開なのですが、不謹慎ながら、一昔前のイギリスに猟奇殺人、テムズ河に死体は実に似合ってます(?)。嘘みたいなこんな事件でも、あってもおかしくないのです。

     犯人に仕立て上げられてしまった男が追いつめられる過程は、古い映画らしい、じっくりとした感じで撮られている。煽り立てるような調子ではなく、丁寧に映された絞殺シーンに恐怖感がじわじわと……。殺人があったと匂わせながらも現場を映さず、どんどん引いていく絵も効果的で、いいぞいいぞ!

     それと、『フレンジー』と言えばイモですね~★ ごろごろ転がるじゃがいも、もがく犯人の焦りは、地味にやってる中にも脂汗の匂いがにじむ、面白い場面の一つ★ 芋袋からは土の匂い、トラックからはほのかなガソリンの匂いがしそう。
     他にも、洗濯に出した服が臭そう……など、随所で空気中ににじむものがあり、何か印象的な匂いを嗅いだ映画です。

  • ヒッチコック唯一(?)のR15!という触込みが気になって見てみたけど、(当然といえば当然だが)今見てもそれほど刺激は無かった。
    「きれいだ…きれいだ…」と繰り返して興奮しながら苛立っていき→絞殺
    という様子が言外に"インポを拗らせた変質者"感を物語っていてよかった。

  • 恋人のバーバラが、殺人鬼と知らずラスクの部屋へ入って、バタンと扉が閉まってそのままドンドンカメラが引いていく演出、ぞっとする。刑事の奥さんがおいしいとこ持って行った感がある。

  •  ヒッチコックの5~60年代の作品をまだちゃんと全部観てないんですが、遺作のひとつ前の『フレンジー』。お話自体は今までにもよくやってた勘違いされて追いつめられるパターン(『北北西に進路を取れ』とか)ですが、傑作でした。
     演出方法、ちょっとわざとらしい「やってやった感」はあるんですがすごく好きです。5~60年代はヘイズコードの規制もあったし全然できなかったことが、’72年だもんでやりたい放題おっぱいもばんばん出してます。これまでの作品を観ても、ヒッチコックはかなり変態なんですよねえ。
     逆に考えると、規制の中でそれを逆手に取った『サイコ』なんかはやっぱり素晴らしいですよね。ヌードを完全に出さないことのエロチシズムとか、血の色の表現の為かあえて白黒だったりとか。
     ヒッチコック作品は『泥棒成金』や『鳥』のように、ポップなかわいらしさというのもあるんですが、『フレンジー』はちょっと方向性が違っててサスペンスにコメディを入れてると思う。ポランスキーの『袋小路』やコーエン兄弟の作品(『ファーゴ』とか特にそう)に近いものを感じました。

  • 「午後のロードショー」にて。倒叙サスペンスなので、プロットでみせるというより、演出でみせるタイプか。俳優が地味すぎて盛り上がりに欠ける。

  • 『間違えられた男』の二番煎じ感

  • クローネンバーグが「ヒッチコックにもどぎついシーンがある」と話した作品だそうです。70年代でだいぶ世間の検閲も緩んだのか、拘りを感じる死後の肉体の再現。意思を持ったように硬直する死体との格闘は、保身意外の意味でも十分嫌な汗をかきそうで、そういう含みもちゃんとあるんですね。中流階級の誰もが専門家のようにサイコパスを論じたて、あまりに的外れで滑稽なのに、容疑者にとっては非常に残酷な現実。この二面性が一枚のコインとなって、ホラーぽさ全開だと思います。そして色んな仕掛けごった煮も彼らしく、誰視点で見てよいやら。そして最後のケースを落とす名シーン!

  • 奥さんが絞殺されるシーンは必見!

  • ヒッチコックだね~。

    警部の妻の料理にも、オチがあるのかと期待したけど無かったね。

  • 巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督の最後から2番目の作品。久々に故郷のイギリスに戻って撮影し、評価を落としつつあったヒッチコックの復活作と評された。

  • 最初のカットから気合いが入ってるな、と。分かりやすい話だとは思いますが好きです。

  • 10月25日鑑賞。ヒッチコック作品。異常性愛殺人者の友人に汚名を着せられる男の恐怖・・・。ちゃんと指紋や精液を採取して鑑定すればすぐ犯人は分かるんじゃないか?という野暮なことは言いっこなし。根底に深い女性不信のような感情が横たわっているような気がして、少々居心地が悪い。ヒッチは女性関係でうまくいってなかったのかしらん?果物を食べたり夕食をとったり酒を飲んだりするシーンがちっともうまそうでなく、不気味。

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