Dear Pyongyang - ディア・ピョンヤン [DVD]

監督 : ヤン・ヨンヒ 
出演 : ドキュメンタリー映画 
  • video maker(VC/DAS)(D) (2007年7月8日発売)
3.88
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レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4571169961748

感想・レビュー・書評

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  • 『かぞくのくに』が面白かったので、その基(?)となった今作を観てみたいと思ったので。

    『かぞくのくに』は発展形と言えば発展形ですが、当たり前と言えば当たり前ですが、完全に別の作品ですね。
    で、ドキュメンタリーとしては、身内ものにありがちと言えばありがちですが、どこかなれ合い的な感じがしてあまり面白いとは思えなかった。
    関係性的には近い分、パッと見、踏み込んでるように思えてしまうけど。

  • 北朝鮮・在日コリアン問題は重いテーマだという認識が少し変わった。国家や主義・思想は違えど家族の絆は変わらない。それにしてもヤン監督のアボジとオモニは素敵だ。

  •  在日の友人がいるせいか、在日問題について僕は怯んだりもせず淡々と受け止めてきたつもりなんだよね。この作品ではどちらの責任か。連れてこられた、いや、勝手に来たんだ。みたいな堂々巡りの議論なんかではなくって、現状が語られている。僕達日本人ってのは、北朝鮮や朝鮮籍の人々に対し距離感を持って接しがちだけれど、どのような思想を持ってようと結局は個人の問題に帰結する例の一つとして、僕はこの作品が好きだ。監督の父は彼の思想や地位を取り除けばとても人のいい優しいおじいさんなんだろう。だって北朝鮮の家族、親戚、友人に対して三十年近く物資を送り続けてんだぜ?頭おかしいだろ。

  • わたしはドキュメントに弱い。そして在日朝鮮人の話には怯みがち。申し訳ないような、怖いような、釈然としないような、怒りたいような、悲しいような、どうにも複雑な感情から逃れられないから。


    でもこの映画は淡々と、娘が父親にインタビューしながら撮影していく。父親は娘の質問に照れたりおどけたりしながら答える。それは可愛い一人娘の前だから…というのもあるだろうし、彼の手元に残っている子どもが、彼女だけだからというのもあるだろう。


    北朝鮮帰国事業について、別に元々北朝鮮側出身の人だけがかの地に帰ったわけではないことを、初めて知った。もともとは韓国出身の人までもが、理想を求めて渡ったのだ。映画作者の父親も、理想を信じて、3人の息子を北にやってしまう。そして、今、いろいろと複雑な事情で、思うように会えない。でも父親は、自分が北を信じたことを、悔やんだりしない。国を恨んだりしない。娘がどんなに揺さぶっても。そこが切ない。


    どうでもいいけど、このお父さん、わたしの父親に似ていて、ちょっと内心、苦笑してしまった。あのくらいの年齢になると、似てくるもんなんですかね。

  • アボジかわいいwww

    在日コリアン2世の監督が、朝鮮総連の元幹部である両親を中心に、家族を10年間撮り続けたドキュメンタリー。

    個人の人生と国の歴史がつながっていることを、ものすごく意識させてくれる。
    万景峰号のイメージがかなり変わった。
    「だって、それが普通だろ?」という台詞をこの映画のどこかで聞いて、自分の普通はどこにあるのか気になった。

    って書くと、すごくお堅い作品のように思われちゃうかもしれないけど、アボジがひたすらかわいく、家族のやりとりも暖かく、DVDパッケージのような笑顔になれる映画です。
    ドキュメンタリーってすごい。

  • 在日2世の女性監督梁英姫が、愛すべきアボジとオモニの姿を10年にわたって撮影しながら取り組んだ長い長い宿題。

    在日2世(3世)が身をもって知る世界情勢やいま身を置く環境と、朝鮮総聯に人生をささげた両親の金日成思想との溝は、ひとつの「家族」のなかにあってとてつもなく大きい。
    生まれ育った大阪市生野区から30数年前、祖国・北朝鮮へと渡った3人の兄たちとの距離もまた、断絶ではないにせよ「家族」にとってはあまりにも遠い。
    自分の知らない親戚や父の同朋たちに至ってはほとんど異邦人にひとしかったであろう。しかしそんな彼らと梁監督との間を埋めるものが、万景峰号であり、大きな段ボール箱いっぱいに詰めた仕送りであり、アボジとオモニの思想そのものなのである。

    「この海は私たち家族を隔てるものなのか、つなぐものなのか」梁監督は船上で自問する。
    アボジとオモニにとって、それは家族と祖国をつなぐ海かもしれない。否、それは家族と祖国をつなぐ海でなければならない。かれらにとっての祖国、すなわち朝鮮統一と国家社会主義の栄耀はいまだ実現されていない。しかし実生活から隔てられているからこそ、目に見えない、手にできないからこそ信ずるべき目指すべき地なのである。彼らが夢見た祖国は実現しそうにないと、彼ら自身もまた気づいている。
    国籍をコリアにしたいと告げた梁監督にアボジは「今の仕事にさしさわるなら仕方がない」と言った。「しかし、おれは(北朝鮮)国籍は変えへん」とも言った。彼は日本でも生まれ故郷の済州島でもなく、彼の祖国の土になるであろう。

    半世紀を経て尚、私たちは世界中に数々の宿題を残したままでいる。21世紀、チェンジやらサステナブルを唱える前にもう一度みんなで見直す必要のある現実があることを忘れてはならない。

  •  あこがれのヤン・ヨンヒさん監督作品。

  • 微妙。一方ではある朝鮮総連幹部のお父さんを中心にしたファミリードラマとして、泣かせどころもちゃんと押さえたなかなか抗しがたい魅力のある作品と認めつつ、一方ですっきりしないものが残る。在日コリアンの(一見)ぶっちゃけ人生ドキュメントという点では在日韓国人のハルモニを主人公に撮った「HARUKO」と基本が似ているけれど違うところはハルコさんが北朝鮮に帰還した娘を探したり連絡するコネを持たない無力な普通の朝鮮人(のち韓国籍)なのに対して、「ディア ピョンヤン」の総連幹部のお父さんは3人の息子を半ば無理やり北朝鮮に帰還させ、後に泣きながら後悔していると告白するが、しばしば平壌に住む息子家族らに会いに行くことができる上、自分の出資とはいえ北朝鮮で自分の豪華な誕生日を祝ってもらえる、日本からの帰還者は特に疎まれる傾向にある中にあっては、超特権階級でそれは親父さんが北朝鮮に対しての忠誠を行動で示した結果であるという点。 そのような観点から見ると、私の言いがかりでなければ、これだけなのかなあ? と思う。 情緒的な面や一家のプライベートな話を除外して、作品で描かれている事実は周知のことでもある。しかし、家族や本人の安全を考えれば語ることも当然制限されるだろうし、そもそも描くことを監督が選んで当然だと考えれば、仕方が無いという話になるし、従って微妙という印象が残った。

  • 試写会@九段下の九段会館

    誰も一緒に行ってくれる人がいなかったので
    暑いし行くのやめよーかと思ったりしていたけど、

    結論:観に行ってよかった

    なかなか見ることのない北朝鮮に住む人の実情とかが
    見れるかなーと思って行ったんだけど、
    それもあったんだけど、
    それ以上によくできたドキュメンタリーで
    観て良かったと思います。
    ディア ピョンヤン

    というタイトルのこの映画、
    在日コリアン2世である女性が
    朝鮮総連の幹部として熱心に活動してきた両親(特に父)を撮った
    ドキュメンタリー。

    家族だからなのか、
    そのカメラの目線はとてもあたたかい。
    監督自身は生まれてから日本に住み、
    北朝鮮はとても母なる祖国とは思えない
    と言っている人。
    しかし家では祖国を批判する言葉は言えない
    らしい。

    自分は両親の思想とは違う、と思いつつ
    それでもやはりお互いを支えあう両親を慕っている

    どんな思想があってもそれは本当に暖かくて、思わず笑み。


    でも現実として
    マンギョンボン号に乗って監督の兄3人は北朝鮮へ「帰国」させたら、
    今のところ2度と日本には戻って来れなくなってしまった。

    北朝鮮はとても寒い。
    兄の子どもたちは学校で足が凍傷になってしまった。

    それを聞き、せっせと毎年ダンボール7、8個もの仕送りをする母。


    やはり、北朝鮮はものがないようで。
    同じ「ものがない」状態でも、
    ミャンマーは暑かったから果物もなって食べ物もあるし
    だらだらしてればよかったけど、
    寒いと食べ物もとれないし死ぬ危険もあるから大変だなぁと
    思う。

    しかもこないだ韓国に行ったとき、
    3月なのにかなり寒かった。
    東京の真冬より寒かった。
    ソウルはわりと北寄りだけど
    ピョンヤンはそれよりも北なんだから
    さぞかし寒いだろう。
    過酷だな。

    と、
    そういう事実を
    正確に、ありのままを
    私は本当に知れているのか?

    やっぱりまだまだ知らないことも多いし、
    監督の両親を素敵だとは思うけど、
    監督と同じように金日成万歳の思想にはひどく違和感を覚える。



    監督の父には、
    たぶん、
    北朝鮮に忠誠を
    「誓う」か「誓わない」か
    のどちらかしかなくて、
    北朝鮮が
    「正しい」か「正しくない」か
    という選択肢はないんだろうと思う。
    たぶんね。

    べつに、
    「正しい」か「正しくない」か、
    その人なりに吟味してから
    忠誠を誓うなり誓わないなりするのは理解できるけど、
    それがないのは、なんというか
    やはり、教育とか押し付けの生み出したものというような気がしちゃう。

    だって日本に戻って来れなくて自由に親とも会えない息子たちがいるんだよ
    電話もできないんだよ
    寒い中学校行って凍傷になっちゃう孫がいるんだよ
    これは現実なんだよ

    それなのに、
    金日成や金正日に忠誠を誓い続けるし、子どもにもそうなって欲しいと願えるのが
    私にとっては不思議でならないし、そらおそろしい。


    監督の冷静でバランス感覚のあるナレーションに救われます。


    「思想」が利害をもたらすのであって「人」が利害をもたらすのではない

    のかなぁ・・・


    とにかく色々考えました。


    ひとりでも観に行ってよかった。

    戦争はいやじゃ〜

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著者プロフィール

1964年11月11日大阪府大阪市生まれ。ニューヨークのニュースクール大学大学院修士号取得。6年間ニューヨークに滞在後、初の長編ドキュメンタリー映画「ディア・ピョンヤン」を発表しベルリン国際映画祭ほかで受賞。2012年初の劇映画「かぞくのくに」を発表、ブルーリボン賞作品賞、讀賣文学賞ほか映画賞、文学賞多数受賞。

「2015年 『日本の作家よ、世界に羽ばたけ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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