墨攻 [DVD]

監督 : ジェイコブ・チャン 
出演 : アンディ・ラウ  アン・ソンギ  ワン・チーウェン  ファン・ビンビン 
  • アミューズソフトエンタテインメント
3.26
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4527427638655

感想・レビュー・書評

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  • ●2006年に観たときの感想です。

    渋谷の東芝エンタテインメント試写室で、『墨攻(ぼっこう)』の試写を観る。

    酒見賢一の同名小説と、森秀樹によるそのマンガ版の映画化である(直接の原作はマンガ版のほう)。中国・日本・香港・韓国の合作による超大作だ。

    春秋戦国時代の中国に、「非攻(専守防衛)」の思想を掲げた「墨家」があった。儒家と並ぶ勢力を誇りながら、秦代に忽然と姿を消した謎めいた教派である。
    墨家は戦闘のプロ集団でもあったが、その戦闘技術は大国のエゴから小国を守るためにのみ使われた。いまも残る「墨守」という熟語(※)は、墨家の防衛戦に由来する。

    ※「堅く守る」の意。ただし、「旧説を墨守する」というふうに、あまりよい意味には使われない

    この映画は、「革離」という一人の墨者が、大国の侵略から小国の城を守り抜く闘いを描いた歴史アクションだ。

    絶対的に不利な状況のなか、知略を尽くして大国の猛攻をしのぎ抜く革離。私欲を捨て、弱者を守るために命を賭けるその姿は、ヒーロー像として申し分ない。戦闘シーンの迫力も特筆すべきものだが、その背後の人間ドラマも優れている。

    全編につらぬかれた熱いヒューマニズムが、物語を力強く牽引していく。「全盛期の黒澤明が中国を舞台に史劇を作ったら、こんな映画になったのではないか」とさえ思わせる。

    というより、脚本とプロデュースも兼ねる監督のジェイコブ・チャンには、「自分にとっての『七人の侍』を撮りたい」という意図があったのではないだろうか?

    『七人の侍』は、いうまでもなく、略奪集団と化した野武士の群れから村人を守ろうとする侍たちの闘いを描いたものである。いっぽう、この『墨攻』は、まともな軍隊さえ持たない小国の民を、優れた軍師であり戦士でもある革離が組織して鍛えあげ、大国の侵略を撃退しようとするもの。物語の構造がよく似ている。革離は一人で「七人の侍」の役割を果たすわけだ。

    私は、原作であるマンガ版の『墨攻』も、そのまた原作の小説も読んだ。それぞれ、独自の面白さと価値をもつものである。この映画版は、基本設定こそ原作と同じだが、かなり大幅な改変がなされている。たとえば、映画のヒロインで、革離に想いを寄せる美しい女剣士・逸悦は、オリジナル・キャラだ。

    そもそも、原作では革離も巷将軍(革離と闘う趙国の将軍)も、異相・短躯のブサイク・キャラなのであって、2人を美形キャラ(アンディ・ラウとアン・ソンギ)に変えたこと自体、映画版の大きな特長である。
     
    原作のエッセンスを巧みに活かしつつ、“古代中国版『七人の侍』”ともいうべき勇壮華麗な史劇を作りあげたことは、ひとえにジェイコブ・チャンの手柄であろう。

  • 戦い、裏切り、権力。これらが渦巻く中に彼はいた。「兼愛」と「非戦」が最も大切なことだと、民に伝えた。でも結局ダメだった。愛しい人も亡くし、国はより荒れ、今まで守ってきたものは一体なんだったのだろうか。自問自答してみる。はたして彼はその答えを見出せたのであろうか。

  • 原作のほうが魅力的だと思います。スケール感はありますが、なんだか全体的にボヤけているなあという実感。

  • わかりやすいエンタメとして面白かった。疑いが信頼に、嫉妬に変わる人間模様があり、ロマンスと悲劇あり。主演がイケメンだった。

  • 『キングダム』の裏、同時代の話です。マンガを大分昔に読んだ記憶がある程度でしたが、ストーリーの中心は同じだと思います。
    諸子百家の中で割とマイナーだと思われる「墨家」。当時は儒家と並ぶ勢力でしたが、文字通り”王道”を説く儒教は不変のものとして残りましたが、戦国の世の生き方(平和)を説く墨家は秦の始皇帝(政)の中華統一による戦国時代の終焉と共に消滅しています。
    そんな「墨家」の特異性と卓越した能力を攻城戦を舞台に、戦国の世に博愛と平和を説く難しさを描いています。
    「博愛も結構だが、誰を愛すべきなのかを墨家は知るべきだ」というセリフも墨家の急所を突くいいセリフだと思います。

  • 日本の小説と漫画が原作ということで、これは映画を観ただけでは評価は難しいかなという気がしました。中国、韓国、台湾の名だたる俳優が出演していますが、日本ではアンディ・ラウ主演、ファン・ビンビンを助演女優に据えても、それほど話題になった印象がありません。歴史物は実写にした時の時代考証等、リアリティを持たせるのか、それとも物語として面白く魅せるのかで随分変わってくるので難しいですね。その点、小説、漫画の方が表現の自由度は振り幅があるのかもしれません。

  • 大軍に囲まれて籠城戦というだけでワクワクするにですが、なんか盛り上がらなかったですね。いろんな仕掛けや奇襲を仕掛けて大軍を翻弄すみたいのを期待したのですが。CGも殆ど使われず、歴史スペクタクルという感じではないですね。

    苦悩する主人公の姿はアメコミヒーローっぽいですね。民を救うためにやって来たのに、かえって非難されて追い出されてしまう。そんな内輪揉めばかりで、最後までなんか煮え切らなかったです。アンディ・ラウはカッコいいですけどね。

  • 原作のマンガを読んだのは、
    かなり前。

    ほぼ忘れてから観たが、
    もっと主人公が強かったり、
    頭が良かった感じがした。

    スケール感は良かったけど、
    話のまとまりが巧くいかなかったかな?

    何も知らないで観れば、そこそこなんだろうけど。

  • 墨家、日本流に言うなら軍師か。
    梁、燕、趙、秦、為政者、軍人、そして墨家の戦闘への言葉が哲学的だった。

    アンディ・ラウは墨家よりも梁の王様の方が合ってるのではないか?・・つまり悪役ね。

    原作が酒見賢一だったとは。

    2006中国、日本、香港、韓国
    2018.10.10レンタル

  • 時間があれば

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