回転 [DVD]

監督 : ジャック・クレイトン 
出演 : デボラ・カー  ピーター・ウィンガード  メグス・ジェンキンズ  マイケル・レッドグレイヴ  パメラ・フランクリン  マーティン・スティーヴンソン 
  • 紀伊國屋書店
3.89
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4523215008631

感想・レビュー・書評

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  • なるほど、これは少年愛と性的欲求不満がないまぜになった物語だったのか! そういう意味でのホラー。

  • 登場人物達の語りが慎み深いというか、はしたない言葉を避けているため、何か不道徳なことがあったんだろうなと匂わせる程度。なのでボンヤリ観ているとあっけなく終わってしまった印象があるかも。実はその慎み深さが感情の抑圧や真実の隠蔽にもつながっているのだろうけれど。
    幽霊譚として観るとただ主人公が幽霊を見て騒いでいるだけ。でも事件によって刺激された主人公の欲求不満からくる妄想と精神的虐待を受けた子どもの問題行動の話として観るとがぜん怖くなる。主人公役のデボラ・カーのヒステリックな演技とマイルス役のマーティン・スティーヴンスのマセた雰囲気がいい。

  • 美しきオールド・ミスの家庭教師が思い込みと幻想に囚われ発狂していく様と取るか、無垢な子供たちが霊に憑かれて生命の灯火を失っていくか、二つの印象に取れるお話。
    情緒的なシーンがいちいち美しいのね。

  • モノクロ映画でありながら3回ほどマジでビビりました。それももちろん好印象なんですが、サイケデリックでもある深いエコーもまたいい。邦画特撮の大ざっぱな感じとは違い、屋敷の空間に響き渡り、逃げる術がないような錯覚すら引き起こす妄想的、幻惑的サウンドは至高です。子どもらの発狂したような叫び、突如口汚く罵るすり替わりなど、突発的なホラー現象が強烈な作品だと思います。

  • <私的ホラー映画祭③>画角やキャメラ移動、構図などが、完璧。そして、怖い。すばらしい作品。白黒だが、カラー作品の何倍もの怖さを描くことに成功している。

    フィクションの世界で亡霊の怖さを純粋に提示するのは実に難しい。それをなしえたこの作品は、屈指の傑作といえるだろう。

    ぬうっと登場する亡霊が怖い。動かないのが怖い。迫ってきたりしたら興ざめだが、男の亡霊も、女の亡霊もただ立っているだけ。それが怖い。女の亡霊は特に、湖の草むらに立って、じっとこっちを見ているだけ。それが怖い。

    本当に怖いのは、亡霊に取り憑かれた子供たちじゃなくて、亡霊を取り除こうとしたその家庭教師のギデンス自身が、その虜になってしまった、という点。子供の口に正面向かってあんなキスをするなんて、怖い。亡霊を眼にしてから、鬼木迫る形相で、怖すぎる。

    あと、オルゴールとフローラの歌声、これも恐怖を増幅させる。やはり、ホラーには音ありき。

    【ストーリー】
    ミス・ギデンス(デボラ・カー)が、ブライハウスにやって来たのは、そこに住む幼いマイルス(マーティン・スティーブンス)とフロラ(パメラ・フランクリン)の兄妹の家庭教師となるためだった。ブライハウスは古い屋敷。兄妹は家庭教師のグロース夫人と生活していた。

    ある日、庭で家の塔を見ていたギデンスは、見知らぬ男が彼女を見下ろしているのに気づき、恐怖に襲われる。彼女は、すぐ塔への階段をかけ上ったが、塔の上にはマイルスがいるだけで、男の影もなかった。

    数日後の夕方、突然いなくなったフロラを探し、ギデンスが池の端に行くと、草むらの中に雨に濡れた黒衣の女が立っていた。その頃からギデンスは、夜ごと、邸内を覆うささやき声に悩まされ、兄妹の行動に割り切れぬものがあることに気づいた。

    耐えかねたギデンスは、グロース夫人に真実を教えてくれと問いただした。グロース夫人の言葉によると、黒衣の女はギデンスの前に勤めていた家庭教師で、ある夜何者かに惨殺された執事の後を追って自殺したのであった。それ以来、2人の霊は兄妹の体を通して恋を語っているのであった。

    ギデンスはショック療法で兄妹を救おうと、まずフロラを激しく問いつめ霊を追い出すことに成功。続いてマイルスを問い詰めたが、マイルスは語らぬばかりか、ギデンスの唇に自分の唇を重ねるのだった。

    しかし、ギデンスが追及を続けると、突然黒い男の影が現れ、マイルスは一言叫んだままこと切れてしまった。後には恐ろしいほどの静寂が流れ、マイルスを助けようとして果たなさかったギデンスの涙に濡れた祈りだけがいつまでもいつまでも続いていた。

    生と死の境界を映画技術の可能性の中で追求しようとする作品。ヘンリー・ジェームズの原作「ネジの回転」を「ティファニーで朝食を」のトルーマン・カポーティとウィリアム・アーチボルドが脚色、「年上の女」のジャック・クレイトンが監督、製作した。撮影は「息子と恋人」のフレディ・フランシス、音楽は「ノートルダムのせむし男(1957)」のジョルジュ・オーリック。出演者は、デボラ・カー、マイケル・レッドグレイブ、パメラ・フランクリン、マーティン・スティーブンスなど。

  • これはデボラ・カーの壊れっぷりがマジで怖いですね。後半、屋根裏部屋の椅子に座っているときの眼のすわりようなんて震え上がるほどです。もちろん、彼女を追い込んでいくマイルズ少年もかなり根性悪くって、最後の最後まで悪童ぶりを発揮してくれます(でも、エンディング部分なんかはデボラ・カーの妄想がかなり入っているんでしょうけれども・・・)。そして、あの妹フローラの泣き叫ぶ声はホラー映画史上、もっとも悲惨なものだと確信しました。まあ、いちばん悪いのは孤児二人を田舎の屋敷に押し込めてる叔父さんなんですけれどね。

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