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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4907953025011
感想・レビュー・書評
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オランダ出身のポール・バーホーベン(「ロボコップ」「トータル・リコール」etc...)がハリウッドで培った物をすべて、母国の映画に注ぎ込んだ大作。善悪のボーダーラインを取っ払った人間の業を描いたらとにかくすごいバーホーベン監督の持ち味がこのオランダ、ナチス、レジスタンスの三つ巴諜報サスペンスに見事な形で体現していた凄さ。エロ・グロ・ナンセンスの描き方が極めてハリウッド的なのも良い、陰鬱な話であるにも関わらずに見終わった後で爽快感を味わった。ホンモノの戦争映画、ホンモノのスパイ映画ですよこれは。
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二転三転と展開していくので最後まで楽しめた。
伏せんも色々あってそれが物語の展開に関係していくこういう映画好きです。
ヨーロッパの戦争ものといったら必ずといっていいほどナチスとユダヤですね。 -
重い。最後には誰が内通者かわかるがモヤモヤする。
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面白い、一気に見れたよ。
次から次へと問題が発生しハラハラドキドキ!
敵味方良くわからない状態でエ〜ッて感じ。
実際にこんなのがあったんだねぇ。 -
・最後まで裏切り者がだれかわからなかった
・よくもぐりこめたな
・ムンツェは、髪の色を見抜いた時すでに気がついていたと思う
・名前忘れたけど、あの将校の醜さの演技すごかった
・おそろしい歴史
・検問のシーンが印象的
・彼女は運いいと思う -
2時間超えの映画ということで、観始める前から「ちょっと長いなぁ…」と思っていた。1時間半を超える映画だと、ものによっては集中力が切れてしまうのだ。しかし、この映画は長編であるにも関わらず、ストーリーが流れるに任せて観続けることができた。ナチスドイツに占領されているオランダという、なかなかない設定。苦しい状況で生き延びようとするのは人間の性で、その時には善悪の観念なんて崩壊してしまうのだろう。いわゆる悪役となった登場人物たちも、許されないことをしているのだけど、それが彼らの本性だったかというと… 正義とか、勧善懲悪とか、語れるのは平和ゆえのぜいたくなのかな。
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第二次大戦末期のオランダを舞台に、数奇な運命を辿ったユダヤ人女性の物語。ナチスとレジスタンス、スパイ、裏切り、ロマンス、迫害と、様々な要素を盛り込んだサスペンス映画で、内容的にはヘヴィなのだが、あまりシリアスな作風ではないので、後味は悪くない。
悲劇的なシーンはあるものの、感傷に浸るまもなく、どんどん話が進んでいくので、良い意味で不快な思いをすることもなく、約2時間半を観終えることができる。
何度も観ようという気にはならないが、良い映画だったと思う。 -
全然知らずに観ましたが、観終わった後の満足度は非常に高かったです。
第二次世界大戦のヨーロッパとなればナチスドイツがどうしても中心にはなりますが、よくあるナチスものとは異なる舞台設定の物語なので、二転三転するストーリーと相まって最初から最後まで面白く観ることができました。
THE・映画、という撮り方、見せ方のこだわりも感じられて、世界観に厚みが出ているのも面白いと思いました。 -
ナチ占領下のオランダの話。オランダでもユダヤ人の迫害があったのかぁと思ったら、考えてみれば「アンネの日記」もそうでしたね。
ナチの占領下で戦うレジスタンスの話がメインで、ユダヤ人を逃走させたり、救出しようとするのですが、いまひとつミッションがはっきりせず、どこに向かって盛り上がるのかがわからないのが難点かなぁと。
裏切り者が誰なのかというポイントもありますが、やはりドラマの部分が興味深いかと。ナチの側にも、被害を少なくしようと考える高官がいれば、レジスタンスにも自分の息子の救出のことばかり考える奴もいたり、解放後に仕返しでナチに拷問するオランダ人がいたりと、紋切型ではないドラマを見ることができます。
それにしても主人公のヒロインの逞しさといったら。あまりに脱ぎっぷりがよすぎて、スマホで電車で見ていた私はとても困った(笑) ちなみにもう1人、したたたかで強い女性がいたことも見逃せませんね。終わってから、映画の最初に出てきた女性だったのかと気づきました(あのプロローグとエピローグが効果的でした)。 -
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セバスチャン・コッホって案外好きな役者さんなんです!「善き人のソナタ」で知って以来5本の作品を見たが、円熟期の56歳の割には13作品でうち2作品がテレビ映画とドラマなので物足りなさを感じる。
やはりドイツ人の俳優さんの活躍舞台は少ないのだろうか?そんな彼がSSの親衛隊大尉を演じるのが
「ブラック・ブック」
https://www.youtube.com/watch?v=vbxwh2QtxrI
主人公はカリス・ファン・ハウテンが演じるエリス。一人の女性であり、家族を奪われた気の毒なユダヤ人、そして命を顧みないレジスタンスと数多くの顔を持つ彼女。ヨーロッパ戦線におけるホロコースト被害にあったユダヤ人を描いている?それとも復讐のためのレジスタンスの活動?
これ結構面白いです。くぎ付けになりながら二転三転する物語の流れに夢中になっていた。まぁ~ありがちな流れですがいい作品だと思います。 -
とてもいい映画だった
歌い手として、将校の女としてナチスのスパイになるユダヤ人女性の話
あの時代の異常さはとてつもない
あの戦争の異常さはとてつもない
あんなに身近な人がどんどん殺されていくのがび日常なんて、それが現実にあったなんて
しかも、戦争が終わると今までの立場が一瞬にして逆転して、ナチス軍がひどい目にあわされるのだが、
その人間の変わり身の早さってなんだろう
あの頃のああいう人たちは何を行動の指針にしていたんだろう
生命を大切にするっていう力を何かの集合意識が失わせてたのかな。
前の私はあの大戦のことも全部が歴史の中の話で、ぜんぜんつかめてなかったけど、
自分が、異常な長い戦いをしているのとエリスがどんどん重なってきて
最後の「いつまでこの苦しみは続くの」
って泣くとこ
そして、その後それでも生命力で立ち上がるとこ
は
涙が出た
私も永遠に続くかのように思えた、あり得ない地獄の苦しみを越えながら、こんな気持ちになった
こんなに苦しみを越えたのに、まだあるの?って
それでも、彼女は死を選ぼうとはしなかった
私もエリスのように強く生き抜こう -
ポール・ヴァーホーベンが撮る映画にはブレがない。本作で描かれる欲深き人間の姿を観てその思いを強くした。『氷の微笑』然り、『インビジブル』然り、『グレート・ウォリアーズ』然り。陰毛を金色に染め上げるショットや糞尿を頭から被るショットなんか絶対彼にしか撮れないと思うのです。
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恐らくこの映画を面白いと思わない人は、例えば戦争を始めたら「勝つ!」ことしか考えられない究極のポジティブマインドが備わっているからのような気がする。
それは恐らく、「♪走り出したら止まらないぜ」みたいな横浜銀蝿的ヤンキー気質を是とする、或いは「欲しがりません、勝つまでは!」みたいな大政翼賛会的婦人会連合気質を是とする、それはそれは美しい日本の私達だからなのかもしれない。
しかし欧州人は、そんな私達とはチョッと違う。
例えば↑の映画でも「この戦争が終わったら・・・」的な言動が、毎日がパラダイスの上げ上げムードのドイツ軍将校からでさえ発せられる。
恐らく彼らは、盛者必衰のことわりを常に忘れていないのである。
だからこそ「もし原発事故が起きたら…」という仮定も現実問題としてシュミレーション出来るし、ドイツとフランスでは全く正反対の見解で国としての見解は確立しているのだろう。
悲しいかな、私達にはそれが出来ない。
と言うか、そういうときには必ず思考停止に陥る。
もちろん、そんな状況では「原発に賛成or反対」位の議論しか出来ない。
そして更に悲しいのは、そんな二元論から脱却し私達の行く末を真にシュミレートする能力が伴わない限り、原発問題だけでなく消費税云々や社会保障改革に対する真剣な議論など出来ないということに私達自身が気付いていないことである。 -
過去に観たことがあった作品だった。
もうだいぶ前だったのだろう、あらすじはもう記憶のなかに、埋め込まれているので、映像が進むとその少し先のことが、予め蘇ってくるという感じだった。ただ、観たことがあるにしては、ずいぶんとハラハラさせられた。
戦時下を描いた作品なのに、映像が綺麗なのと、全体を流れる悲惨さが漂ってこない。ストーリーはかなり、揺れ動く人生を描いているのにである。 -
エンディング近くは「冒頭のあのシーンがここにつながるのか!」という感嘆の連続。見ている最中は物語が二転三転していくので「いったい、この映画はどこに向かっているのか」と思うのですが、それも見終わったらすべて納得。ポール・バーホーベン監督らしいゴア描写もきちんとあって、「スターシップ・トゥルーパーズ」ファンにもお勧めの一作。
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戦争は人を変えるし、生きるために変わらなければならない状況がある。人間って怖い。この時代にいなくてありがたい一方、それだけでは済まされない感情が残る。映画は鬼気迫る演技に加え、プロットも見入ってしまう。一度は観るべき。
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バーホーベン御大は全然ブレてない!!
心情的には★5個!!
バーホーベンが母国オランダに戻って、自分の幼少期・・・7歳の頃の第二次大戦について撮った映画。空虚な内容だった『インビジブル』の反省からVFXを使ってないそう。また予算面でも非ハリウッド作品だからか画ヅラは「ちとお金がかかったテレビ映画」風。ジャケットデザインも低予算映画っぽくダサいのが非常に残念!!
戦争サスペンス映画だからか、他の作品と比べるとかなりマジメに作られてる印象。だけどブレてない!エロ!おっぱい!グロ!残虐!善も悪もあるものか!!
ただ、いろいろと惜しい点も多いです。
映画の中盤で若干中だるみしちゃう。
あと、戦争映画もかなり多いのでなんとなくベタな展開。アルドリッチの『特攻大作戦』とか思い出しちゃう。
純粋なエンターテイメント作品としては、この映画の3年後にタランティーノが『イングロリアス・バスターズ』を作ってるのでやはりそっちの方が面白いし、ドラマ性・メッセージ性の部分では手塚先生の『アドルフに告ぐ』に軍配があがる。
『イングロリアス・バスターズ』と『アドルフに告ぐ』を、足して3で割ったような・・・なんとなく、帯に短し襷に長しといった感じ。
やっぱり重要なのは、冒頭とラストに出てくる「1956年のキブツ」なんですよ(キブツがわかんない人は調べてね)。たまたま今日、バラエティ番組でイスラエルに行ってキブツに住んでる日本人の方を観たんですが、興味深かったです。
そして、母国のことをバーホーベンがこうして描いたってことに感動して、それだけで泣けてしまう。
御大はいま75歳。いつ亡くなってもおかしくない年齢。『コナン・ザ・グレート』のリブート作『ザ・レジェンド・オブ・コナン』をやる話はどうなったのか・・・観たいなあ、超観たいなあ・・・。 -
主人公エリスがセルロイドの人形みたいでちょっと怖い。本ワルはこいつじゃん、明らかじゃん、と思っていたら全然違う人だったのでびっくり。他の映画を観ていても思うのですが、ナチスと関係を持った同国人の女性達に対する魔女狩りみたいな雰囲気ってものすごく恐ろしいですね。あんなスカトロプレイを観せられるとは思いませんでした。この話は1956年時点での主人公の回想で始まるんですが、何故1956年なのかを考えると暗澹たる気持ちになります。このラストシーンがなかったら、単なる冒険譚で終わっていたでしょう。ところで、見るからに悪人のフランケン中尉ですが、この人ピアノは弾くし、歌は上手いし、諜報戦は抜け目無いし、挙句のはてに小型船まで操縦できちゃうって、かなり器用な軍人ですよね。
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