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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4562102150299
感想・レビュー・書評
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一人園子温祭り三作目。
話の筋だけ追うともうわけがわからない。めっちゃくちゃである。
まず、基本の線として高校生の少女と飲食店の従業員男性の恋愛ドラマがある。それに平行して、写真家荒木経惟、舞踏家麿赤児、ファッションデザイナー荒川眞一郎、これら三人のドキュメンタリーが展開。さらには本作品の台本読みやキャスティング、園子温本人のインタビューなどの制作過程がドキュメンタリーとして差し込まれる構成になっている。
もうぐちゃぐちゃである。
だがメッセージは実にシンプルであった。
この映画が描いているのは「虚構」と「現実」の境目についてだ。
メインで展開していく少女と男の恋愛ドラマは完全な「虚構」だが、その節々に「現実」が入り込んでくる。
画面内にもろに音声用のガンマイクが映りこんでいたり、カメラマンが見切れたりするので、虚構として観ていたものが虚構として観られなくなる。これも現実なんだぞ、と引き戻される。
少女がハチ公像を引きずって渋谷センター街を歩くシーンなどは特に象徴的で、これは明らかにゲリラ撮影で撮られているので、集まっている群衆のどこからが演者で、どこからが偶然その場に居合わせただけの人なのか境目が全然わからない。虚構に現実が食い込んでいる。これらの現実がものすごい異物感でこちらに迫ってくるのでとにかく落ち着かないのだが、同時にド迫力のリアルさを感じる。力強い。
シュールな構成に異様な映像が続くので万人にお勧めできる作品ではないが、普段観られないものを観ることができる迫力のある映画だと感じた。
アングラな作風だが決して雰囲気だけで作っていない、地に足のついた映画だと思う。面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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