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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4988102405731
感想・レビュー・書評
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芸術って、ある種の麻薬のようなものなのかもしれないと思った作品。
はたからみれば関わるだけ馬鹿だし、自分でも身の破滅だと冷静な頭ではわかっているのに、そばにあると多幸感が得られるからどうしても離れられなくなってしまう類のものという意味で。
特に、天才を見分ける審美眼はあるのに、欲しくてたまらない天賦の才能は持たない凡人にとっては。
ポーランドに実在した謎に満ちた天才画家ニキフォル(1885-1968)と、彼の晩年を支えた画家マリアンという男の物語。
役所で美術関連の仕事をしている、画家のマリアン。画家としては正直鳴かず飛ばずだが、安定した職と収入があり、妻と二人の幼い娘と幸せに暮らしている。
そんな彼の職場に、ニキフォルと名乗る謎の老人が現れ、マリアンのアトリエを占拠してしまう。
ニキフォルは文盲かつ言語障害もあり、頑固者で人とうまくコミニュケーションが取れない。そして、氏も素性もわからない浮浪者同然の男だった。
しかし、一日に三作もの色彩画を描く男で、地元の新聞に取りあげられたことも。
彼の絵に目をつけたマリアンの上司は、マリアンにニキフォルの世話をするように命じる。
最初は嫌々ニキフォルの世話をしていたマリアンだったが、いつしかニキフォルの才能に魅せられていく。
しかし、ニキフォルが重篤な結核にかかっていることが判明する。
周囲の非難や忠告を無視してニキフォルの面倒を見続けたマリアンのもとから、妻と子どもは去ってしまうけれど…。
不世出の異端の天才と、支え続けた凡人の姿がとても静かなトーンで描かれており、1960年代の冬のポーランドの田舎街の寒々しく侘しさに満ちた風景と相まって、独特の吸引力があります。
描き続けたニキフォルと支え続けたマリアンの努力が身を結び、国内の大きな美術館で大規模な個展が開かれるシーンなども、しみじみと胸に染みます。
しかし、展開の中で、ニキフォルの作品をちゃんと見ることができる場面も、マリアンがニキフォルの才能に決定的に魅せられる場面もないので、自分の仕事や家庭を失ってまでニキフォルに尽くすマリアンの心情はいまいち理解しきれず…。
うーん、映画の構成としては、こういった基点となる場面はきちんと盛り込んで作って欲しかったです。自然な感じにしたかったのかもしれないし、ポーランド人にとっては、「あのニキフォル?すごいよね!」という常識があるのかもしれませんが…。
とはいえ、エンドロールではニキフォルが実際に残した作品がたくさん観られます。技巧的では決してない、子どもが描くような非常に素朴な作風ですが、なんだか胸に残るものがある作風です。
いつもと違う雰囲気の映画を楽しみたい時にいい作品ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
クリスティーナ・フェルドマンの演技がすごいです。
感染症で隔離病棟(?)に無理矢理入れられるシーンとか、そこで横たわって虚空を見つめる瞳、その表情…。
それだけでも見る価値はあるな、と思いました。
このニキフォルという画家は、生涯に4万点の絵を描いたそうで、絵そのものがどうというより、その絵と一体化したような生涯が作品っといった方なのかな、と思いました。 -
実際に存在した画家・ニキフォルの話。
おじいちゃん、ニキフォルの役をなんとおばあちゃんが演じてた
ということにビックリ。 -
2008/02/13
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