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- / ISBN・EAN: 4582297250444
感想・レビュー・書評
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小津安二郎監督
笠智衆、原節子主演の「紀子三部作」の三作目。
この作品、2012年「映画監督が選ぶベスト10」で堂々の第1位!!
興行収入や上映期間などの数字などではなく、映画を作る人達から「最高だ!」と言われる評価こそ一番ではないだろうか。
物語はゆっくり進み、カメラも動かない。ただ、一つ一つのシーンがとても緊張感がある。例えるなら枯山水のような美しさ。そこにジャポニズムを感じるのか…説明しづらい芸術がこの映画にはあるんだと思う。
そして、家族の関係は時間と共に変化していく人と変わらない人がいて、そのどちらも悪くない、むしろ変わらない人はこれから変わらなければならないんだよ、と背中を押すように形見の時計をもらう。
原節子の瞳は日本人の奥ゆかしさを表現するかのように、じっと画面からこちらを見つめて動かない。
それとは対照的に日本の背景…老夫婦が息子家から娘家、さらに熱海へと転々と動く様は、時代は変わっていくのだというように感じさせられる。
変わらない素晴らしさと、変わる勇気、どちらも尊重しながらどちらにもなれた原節子はとても魅力的で、僕はそんなところに心を打たれた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
笠智衆を見ているだけで泣けた
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笠智衆の若かりし姿が拝める。といっても役柄はおじいちゃんなんだけど。じじばばが出てくる話はあかんです。胸が痛いです。
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常にストレートに感情を相手にぶつける事を良しとする人には、この映画の情緒は理解しがたいのでは。
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小津安二郎監督、同•野田高梧脚本、1953年作。
<主な登場人物>
尾道に暮らす父•平山周吉(笠智衆)、同じく母とみ(東山千栄子)、同じく小学校教員の京子(香川京子)。東京の医師の長男•幸一(山村聡)、戦死した次男の妻紀子(原節子)、病院経営の長女志げ(杉村春子)
<コメント>
•東京で暮らす息子たちは日々の仕事に追われ、周吉たちに心を失くした対応をとる。トゲのある志げの行動も悪気はない。うまく育てた子供たちとはリズムが違う。そこを、笠智衆と東山千栄子が、慎ましく、しかし対照的に表現していた。
•子どもたちもそのことに気づかない。幸一が父母の帰郷後に、今頃東京話で持ちきりだとか、志げが母は元気そうだとか、わかっていない。わからないからいたわれないのだ。
•老いた親にとって子らに欲しいのは、仕事ができたり生活力があることではなく、寄り添ってくれる優しさ。そのことに気付く映画。
•オリジナルにはよさがあるが、山田洋次監督の「東京家族」のほうがぼくは好き(この映画は3度、寝落ちした)。
<あらすじ(ネタバレ)>
山田洋次監督の映画「東京家族」とほぼ
同じなので略。
https://booklog.jp/users/tesa2/archives/1/B00C5535EG -
アマゾンプライムで見たが、昔の日本、昭和20年代後半から30年代の日本であった。両親が年を取り、子供が成長して、徐々に昔の家族がバラバラになっていき、その哀愁と年を取ってからの寂しさが良く出ていた。子供たちも自分の生活が忙しくて、徐々にバラバラに、あるいは、過ぎ行く昔の家族の思い出、名残りが出ていた。おそらく、戦死した次男の妻の紀子、原節子もこのころを境に相手を見つけて、離れていくのだろうと思う。過ぎ行く家族、昔の時代という感じがする。でも、年を取り私もこのような映画好きになってきた。
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意外といい話だった。子供たちに看取られる、理想の最期。子供も親孝行の機会が与えられてよかったね。言うほど厄介者扱いしてなくない?子供なりに親に感謝して気遣ってるのに。