――冬は嫌い
ずっと そう思っていた
――今でも そう思う
寒くて 残酷で 美しいのに 儚くて
肉体と 精神が 研磨されていくような
削り取られていくような 気がする
なくなっていってしまうような 気がして
ずっと心に残っていたような気がする。
ろうそくの火みたいに、冬が近づいて、急に思い出して、暖が欲しくなるように
――そうだ、akikoのあのアルバムを聴こう、てなって
懐かしくて、嬉しくて
なんだか、家に帰ってきたみたいで。
寒い日に、聞きたくなる。心を、温めたい時に。
温かなコーヒーを、飲みながら。
――冬
自然は厳しくても 人の心模様って きっと こんな感じなんだ
冬は寒いのに こんなにも曲はあったかいんだ て思った
雪のように柔らかくて その無音の世界と 家の中の暖炉と。
どうしてこんな寒いのに人々は浮足立つのだろうと、不思議に思っていた
そうだった。クリスマス。
冬は祝福の季節であり、福音なんだって思った。
今年を生き延びた 生命への讃歌
冬の厳しさの中で 温かな春を待ちわびる
冬の風、冬の陽、冬の空、すべてが気まぐれみたいで、
山の気候が、地上に降りてきたみたいで、
本当に、jazzみたいだって、腑に落ちる。変拍子みたいに変わる天候。
冬はjazz