- 本 ・映画
- / ISBN・EAN: 4959241987228
感想・レビュー・書評
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は〜…最初から最後まで感嘆のため息のオンパレード。映像が色鮮やかで緻密で…とにもかくにも美しい。
乳兄弟であるアズールとアスマールという二人の少年が幼い頃に憧れた幻の妖精を探す冒険譚と友情という、ストーリー展開にはよくあるおとぎ話アニメーション。
けれどその架空の世界に、フランスが現実に直面している人種や差別問題、異文化への接触と理解、迷信に惑わされない冷静さと視野の広さを持つ意義といったテーマが随所に盛り込まれていて、ちゃんと考えさせられるくりをしています。
でもやっぱりなにより特筆すべきは、色彩と緻密さの嵐とでもいうべき映像の驚異的な美しさ。
まず目を奪われるのは、19世紀後半のパリでポスト印象派として活躍したナビ派の作品のような、平面と立体が無理なく同居する独特で吸引力に満ちた構図。
そして、その中に描かれる、イスラムのアラベスク模様を多用した緻密で極彩色の背景の美しさときたら。
全体的にはなんとなくモロッコなどの北アフリカベースな気がするのだけど、場面が切り替わるたびに、まるで宝箱から飛び出すように、トルコのトプカプ宮殿のハレムや、スペインのアルハンブラ宮殿やメスキータなど、世界の有名建築を連想させる映像が次々と出てきて、本当にエキゾチックで観ていて飽きない。
そして、ラストシーン。
様式はやはりイスラム風なようで、その実、パリのノートルダム寺院やサントシャペルのステンドグラスを連想させる深い深い青と光の反射がとても印象的。
そんなシーンの中で描かれる、人種を超えた乳兄弟の友情と、皆が集まっての長い話し合いの末に二人が得たもの。
これはまさに異文化への理解と融合の象徴という感じ。
まさに、大人が楽しめる魅惑のファンタジーアニメーションです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エキゾチックな模様や服装どこをを観てもすばらしい
王女様がかわいくて最高です。 -
ハリウッドや日本のアニメにはない独特な雰囲気のアニメ。
幾何学模様や街の情景、色彩は美しく、観ていて飽きない。話の内容は分かっていても、繰り返し観たくなる映画。 -
おとぎ話調でまったりと差別や偏見の無意味さを説く。移民の多いフランスで、今の時代にやることに価値がある。ズートピアおフランス版かな?アラベスク風のCGなので、紙芝居風に結構動くが、ガンガン動かして映える絵でもなかろうから、このまったり感で正解だったのではないでしょうか。最後、あの王女さまを選んだらダメなんですかね。やっぱまずいですかね。
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ものすごく美しい映像だった。
タイルとか市場とか、コラージュらしい。
特典映像も多く、手元に置いて時々見たい作品。 -
これ、凄い良かった。密かなテーマも素敵。絵も綺麗だし。香川照之参加してるし。いやぁ感動した。
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青い瞳のアズール と 黒い瞳のアスマール。
中世イスラムを舞台にした
オスロ監督の創作童話。
最初人物が3Dになっていてびっくりしたけれど
(昔のFFみたいだった)
グイグイ引き込まれます。
品があり、鮮やか。
やっぱり素晴らしい色彩美。
フランス語とアラビア語が半々なのですが
アラビア語部分はあえて訳されていなくて
本当に自分が異国に踏み入れているような気持ちになります。
文化 肌の色 言葉 瞳の色 宗教。
優劣や差別はひっくり返しても結局は同じだということ。
自分との違いを知り、常に美しいものを見る目を持つことが大切だということ。
様々なメッセージがコラージュされた
きらきらと豪奢な絵本のような物語。
「血の色は同じ」という乳母の言葉がとても素敵。