アズールとアスマール [DVD]

アーティスト : スタジオジブリ 
  • Happinet (2012年5月26日発売)
4.14
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  • 本 ・映画
  • / ISBN・EAN: 4959241987228

感想・レビュー・書評

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  • は〜…最初から最後まで感嘆のため息のオンパレード。映像が色鮮やかで緻密で…とにもかくにも美しい。

    乳兄弟であるアズールとアスマールという二人の少年が幼い頃に憧れた幻の妖精を探す冒険譚と友情という、ストーリー展開にはよくあるおとぎ話アニメーション。
    けれどその架空の世界に、フランスが現実に直面している人種や差別問題、異文化への接触と理解、迷信に惑わされない冷静さと視野の広さを持つ意義といったテーマが随所に盛り込まれていて、ちゃんと考えさせられるくりをしています。

    でもやっぱりなにより特筆すべきは、色彩と緻密さの嵐とでもいうべき映像の驚異的な美しさ。

    まず目を奪われるのは、19世紀後半のパリでポスト印象派として活躍したナビ派の作品のような、平面と立体が無理なく同居する独特で吸引力に満ちた構図。
    そして、その中に描かれる、イスラムのアラベスク模様を多用した緻密で極彩色の背景の美しさときたら。

    全体的にはなんとなくモロッコなどの北アフリカベースな気がするのだけど、場面が切り替わるたびに、まるで宝箱から飛び出すように、トルコのトプカプ宮殿のハレムや、スペインのアルハンブラ宮殿やメスキータなど、世界の有名建築を連想させる映像が次々と出てきて、本当にエキゾチックで観ていて飽きない。

    そして、ラストシーン。
    様式はやはりイスラム風なようで、その実、パリのノートルダム寺院やサントシャペルのステンドグラスを連想させる深い深い青と光の反射がとても印象的。
    そんなシーンの中で描かれる、人種を超えた乳兄弟の友情と、皆が集まっての長い話し合いの末に二人が得たもの。
    これはまさに異文化への理解と融合の象徴という感じ。

    まさに、大人が楽しめる魅惑のファンタジーアニメーションです。

  • エキゾチックな模様や服装どこをを観てもすばらしい
    王女様がかわいくて最高です。

  • ハリウッドや日本のアニメにはない独特な雰囲気のアニメ。
    幾何学模様や街の情景、色彩は美しく、観ていて飽きない。話の内容は分かっていても、繰り返し観たくなる映画。

  • おとぎ話調でまったりと差別や偏見の無意味さを説く。移民の多いフランスで、今の時代にやることに価値がある。ズートピアおフランス版かな?アラベスク風のCGなので、紙芝居風に結構動くが、ガンガン動かして映える絵でもなかろうから、このまったり感で正解だったのではないでしょうか。最後、あの王女さまを選んだらダメなんですかね。やっぱまずいですかね。

  • [ジブリ美術館ライブラリー]レンタル>とても色彩が鮮やかで美しい画:映像美★うっとりと見とれてしまいました(*^^*)~♪ほんとに美しいおとぎ話で冒険ファンタジー。人種差別を批判しております。外見:瞳の色・髪色等,外見は違えど、互いを思いやり支え合う2人,アズールとアスマールに感心します、それは乳母ジェナヌの分け隔てない育て方の賜物。結末も心憎い演出で好きな作品です♪子供達にオススメ★

  • ものすごく美しい映像だった。
    タイルとか市場とか、コラージュらしい。
    特典映像も多く、手元に置いて時々見たい作品。

  • 大画面で観たくて映画館に行ったフランスのアニメ。
    アラベスク好きは必見。映像が美しい。
    アラブ系の乳母に育てられたフランス人(たぶん)の少年の物語。
    異文化に迷い込んだ雰囲気を味わうために、アラビア語部分には字幕も吹き替えもあえて無し!
    内容はディズニー的な?ファンタジーです。
    アズール=フランス語の「青」
    アスマール=アラビア語の「褐色」 だそうな。

  • とても美しいアニメーションだった。

    あと、コンセプトがしっかりしているっていうか、

    わからない言葉はわからないままに、という考え方も良いと思った。とても、自然な感じがした。

    最近、友逹がパタパタと結婚していき、
    自分もその流れに乗るのかなぁとか、よく考えるのだけれど、
    そして、それにともなって、自分が親になること考えるのだけど、


    わたし、怖くて子どもが産めない。

    「自分が育てる」ことに関しても、まぁ、そう思う。
     でも、一番は、

     「日本が、変わらない限り、成熟した大人を育てられる土壌が、最早ここにはない。」

     と感じるため、プラス、自分が今、生きている意味っていうか働く意味の中に、
     
     わたしは、成熟した大人を育てることができるような土壌を作るためにここにいる

     と感じるためな気がする。

     それは、未成熟な人間として自分がここにいて、苦しんでることにほかならない。


     わたしは、留学していたことがあるけれど、30年近く日本で生きていて、もう「日本人」であることは逃れようもないくらいに血肉化していまここに存在している。

     日本にいて、日本語で考え、日本語で意思疎通をし、日本の今を生きる。

     もし子どもができたら、その価値観を(疑いながらも他の方法を知らぬという意味で)子どもに引き継がせてしまうと思う。

     
     私は、自分の考えに、多分絶対の自信を持っている節があるけれど、自分という人間を肯定しつつも(しなきゃやってらんないw)、自分が大人の考え方をすることができない恐ろしく大きな自意識に苛まれた未成熟な人間だという自覚がある。(成熟っていろんな意味があるけど、ざっくりそれを肯定するって前提が自分のどこかにあるんだろうと思う)


     「こうある自分」は、親の教育の失敗でもなければ、学校教育の失敗でもない。私が望んで育ちたい方向に自分の芽を伸ばしていった結果に過ぎない。

     でも、だ。このように育ってもらいたいという社会の要請やら、世情は、自分の育ちたい方向性を決めていくのに無関係じゃない。

     それを考えると、今社会が若い世代に求めていることは、絶望的にお先真っ暗なことな気がするのよ。
     ※その具体的なことについてはまた今度詳しく書きたい。

     私は、どうしよもなく日本人なのだけど、これからの日本で、「日本人」を育てていくには、あまりに非力な気がしてしまう。

     「沈みゆく日本を、愛せますか?」

     わたしは、YESと言えないかもしれない。
     沈みゆくことを、絶望的じゃなくて、もう少し客観的に捉えて、それに対応するように生きていくようなシステムは、今日本にない。ない気がする。このまま過去の栄光にすがった人の育て方して、出来上がった子どもに対して私は責任を持てない。(わたしは子どもの可能性を否定しすぎているだろうか。)

     「日本を愛する」って、次に繋ぐ遺伝子を、逆境に耐えうるような力強い遺伝子を残してあげる事が、私にできる一つだろうと思うのだけど、

     日本の中で、それはできる気がしない。


     なんとか、しなくては。わたしがなんとかしなくてはという焦りばかりが募る。

     ほんと、非力なくせにね。

     小さい頃さ、親に聞いた話なんだけど、まだわたしが言葉も話せなかったような小さい頃、

     2つ上の兄が、近所のもう少し年上の子にいじめられて、泣きながら帰ってきたことがあって、

     わたしは、言葉も話せないガキなくせに、よちよち外に出て行って、
     まだうちの前にいた、そのいじめっ子に、

     叫び声(言葉も知らなかったからでしょうね)あげて帰ってきたことがあると、言われたことがある。

     兄が泣いて帰ってきたことが、悔しかったのだと思う。

     なんか今、そんな気分なんだよね。

     まぁ、そんなこと思いつつ、お互いを思いやる行為が、このお話の結末が、本当に輝かしく思えました。

  • これ、凄い良かった。密かなテーマも素敵。絵も綺麗だし。香川照之参加してるし。いやぁ感動した。

  • 青い瞳のアズール と 黒い瞳のアスマール。
    中世イスラムを舞台にした
    オスロ監督の創作童話。


    最初人物が3Dになっていてびっくりしたけれど
    (昔のFFみたいだった)
    グイグイ引き込まれます。
    品があり、鮮やか。
    やっぱり素晴らしい色彩美。

    フランス語とアラビア語が半々なのですが
    アラビア語部分はあえて訳されていなくて
    本当に自分が異国に踏み入れているような気持ちになります。


    文化 肌の色 言葉 瞳の色 宗教。
    優劣や差別はひっくり返しても結局は同じだということ。
    自分との違いを知り、常に美しいものを見る目を持つことが大切だということ。
    様々なメッセージがコラージュされた
    きらきらと豪奢な絵本のような物語。
    「血の色は同じ」という乳母の言葉がとても素敵。

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