本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4932487023691
感想・レビュー・書評
-
PARADISE NOW
2005年 パレスチナ+フランス+ドイツ+オランダ 90分
監督:ハニ・アブ・アサド
出演:カイス・ナーシェフ/アリ・スリマン/ルブナ・アザバル/ヒアム・アッバス
www.uplink.co.jp/paradisenow/
パレスチナ。イスラエルに占領されているヨルダン川西岸地区の町ナブルス。幼馴染みのサイード(カイ・ナシェフ)とハーレド(アリ・サリマン)は車の修理工場で働いているが、貧しく未来に希望のない日々。ある日、英雄である殉教者の娘スーハ(ルブナ・アザバル)が車の修理にやってきて、サイードは彼女と惹かれあう。しかし同じ日、サイードとハーレドは、所属しているパレスチナ人の組織から、自爆テロの実行者に指名される。二人は家族に秘密で家を出て、髭を剃り、爆弾を巻きつけられ、スーツを着て、テルアビブまで送り届けられるが…。
なんともやるせない。二人がやらされようとしていることは、文字通りの自爆テロだ。しかしトラブルがあり、サイードとハーレドがはぐれてしまったせいで作戦はいったん中止になる。一人でテルアビブを彷徨うサイードの心中は多くは語れないが、体に巻きつけられた爆弾の起爆装置である紐にそっと手をかけながらも、罪のない子供や普通の人々の姿を見て彼はそれを引くことができない。
はぐれたサイードを探すハーレドとスーハの車の中での会話が印象的だ。組織の人間は若い二人を、選ばれし者であり、殉教することで天国が待っていると説得する。知的階級であるスーハはそんなやり方では解決しない、他に方法があるはずとハーレドを止めようとする。彼女は言う「天国はあなたの頭の中にしかない」しかしハーレドは「占領下のここは地獄だ、頭の中の天国でも地獄よりはマシだ」と答える。彼らの求める天国=自由、占領からの解放、貧困からの脱出はいったいどこにあるのだろう。
それでもハーレドはスーハの言葉に心を動かされるが、サイードのほうは、かつて父親が「密告者」として処刑された過去があり、その汚名を挽回するためにもなんとしても自分は殉教者となりたい。彼の覚悟は悲壮だ。
パレスチナ側から描かれた物語ではあるが、しかし占領しているイスラエル憎さよりも、むしろ若い二人を美談で吊って自己犠牲に追いやるテロ組織の大人たちも醜悪だ。無差別テロは憎むべきものだけれど、実行者自身よりも彼らをこうやって追い込んでゆく環境のほうこそ憎むべきだろう。若者を美談で洗脳して死後に神格化するあたり日本の特攻隊とも重なる。難しい問題だ。いろいろ考えさせられた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
パレスチナ人によるパレスチナ問題を題材とした映画…随分と昔に一度だけ見た記憶がある。その時どう感じたのかは、もう覚えていない。
長く続く戦争という諍いの歴史。まともな教育も、まともな職も、未来も何もない世界で何を糧として未来に夢や希望を託して生きれば良いのか?
自分の未来に何かを思い描くことが出来ないなんて、どれほど不幸なのか…
パレスチナ側もイスラエル側も下りることが出来ない。どちらかが全滅しなきゃ終わらないのかな?話し合いや歩み寄りとか、そんな軟弱な思想の入り込む余地も無いのか?そんな疑問ばかりが頭に浮かんでくる。聖戦とは一体何?殉教とは?殉教者はそんなにも素晴らしいものなんだろうか?
これって日本でいう特攻隊と同じ構造なのかもしれないな…自分が文字通り自身の命をかけて敵を殲滅することで、国にいる家族や国民を守ることができるって心理状態…ただそれを実行する者たちは全力で家族や国民を守ることを望んでいたはず。でもそれを扇動する側のもっともらしい言葉が嘘や欺瞞に充ち満ちていて聞くに耐えない…無性に腹がたつ!
テロ行為を実行に移したはずが、ちょっとしたトラブルで物語は大きくうねる。片や殉教を肯定し、片や殉教を否定する二人の言い争いの興味深さは筆舌に尽くしがたいものがある。
パレスチナの外、イスラエル以外の外国を知る彼女の言い分は至極真っ当で、虐げられてきたパレスチナ人の一人で世界を知らない彼の言葉は偏った情報がもたらした一方的に美化された思想そのものだった…なんだこれって、なんだこれって、なんだこれってそう思う。
洗脳から覚めた彼と殉教を選択した彼、そして別れ…そこから彼女、世話役、煽動者、母親、涙する男、殉教者…それぞれのその眼に映るモノ…
無音のまま流れるエンドロールが多くを語っている様な気がする。悲しい物語であるが、恐ろしくもこれこそがリアル…なんだろうな -
殉教を決意したハーレドが最後の言葉を残している間たべるピタパン。
それを見て、お母さんに対して急に浄化フィルターの話をしだす彼。
はがすことを前提にしていないから、毛がからまってものすごく痛い、爆弾をとめるテープ。
こういう小さなところをひとつひとつ丁寧に書くことによって、
自爆テロは、組織や政治的なイデオロギーやそういった大きなものに組み込まれた中で、如何に個人的な作業であるか、っていうのを実感した。 -
観るだけで、想像するだけで自分を見失ってしまう
-
パレスチナで働く若者は、自爆テロに加担させられる。
貧しい環境だったり、否が応でも爆弾を巻き付けられるのは、現実問題としてある。
世界情勢を知るためにも、観ておくべき一作。 -
【MEMO】
・存じあげない俳優諸氏の演技がリアルな緊迫感を醸しだし惹きこまれて見入った
・自爆テロ=神になる…
自由と平和を勝ちとる=信仰の扇動
・友情とは***
・今日、いまこの一瞬、命ある自分…
この《平和》《幸福》に心から感謝しなければ!と想う -
自分自身の無知無関心平和ボケに打ちのめされる
-
同じ人なのに。
同じように笑い、泣き、息をして、写真をとり、食事をして、煙草をすう。
好きな人がいて、家族がいて、友がいる。
でも一本の線が、同じ顔をして違う名で讃えられる神が、彼らをぶつけて、壊せと煽る。 -
-
パレスチナへ行く前に、DVDで事前に勉強しようとレンタル。
難民キャンプで育ち、定職も見つからず、人生に希望を見出せない。そんな若者がイスラエルへ抵抗するために自爆テロを起こす。宗教的に自分を痛めつけることは禁じられているはずなのに…
絶望の中、他に方法が見つからないと、正しい判断を下すことは難しいことなのだと思った。
特典映像も大変興味深かった。
監督来日時インタビューで、「イスラエル人民とパレスチナ人の反応の差はあったか?」という問い。その答えは、「パレスチナ人からはヌルいという声が、イスラエル人には比較的好評」といったものだった。
最近はパレスチナについての本を読んでいるせいか、どうしてもイスラエルが悪者に見えてしまっていたので、偏見を取り除き、中立的に物事を捉える癖をつけなければと思った。 -
パレスチナ、貧しい青年がテロリストとして
自爆テロの決意をするに至るまでを描いた作品。
主人公の最初不安げなまなざしが、最後にはテロリストとしての決意を
固めたまなざしに変わっていることが印象的だった。
困窮して、父親の不名誉のために常に周りに屈辱的な思いで生活させられた青年には、
日本人が思うような平和な未来は描けないものなのかもしれない。 -
パレスチナ紛争を描いた映画。犯行声明撮影する時にパン食いながらカメラを回す仲間達。自爆用の爆弾を体に巻き付けるテープをはがすときに痛くて切れたり。テロのリアルって意外とこんなモノなのかも。
-
見たいと思ってた作品、ようやく見れた!
多分興味ない人には相当つまらない映画だと思う。
あとパレスチナ問題について知識が全くないと分からないかも…
友達からネタバレを聞いてなかったので、
ものすごい反戦とかイスラエル=悪とか描かれているのかと思ってたら
全然そうではなかった。
インタビューで「映画を見て議論してほしい」と言っていたけれど、
この監督はこの映画で自爆テロを肯定も否定もしていない。
エンディングも、完全に観客に委ねられていて考えさせられる。
何が善で何が悪なのか、殉教とはなんなのか、
自分の行為はこれからの誰かのためになるのか…
暴力シーンを使うことなく淡々と最後まで進むのが印象的で
それが悲壮感や虚無感を強めていたと思う。
個人的な意見なんだけど、
ホロコーストやユダヤ人迫害をテーマにした映画はたくさんあって
これまでイスラエル・ユダヤ人は常に「被害者」だった。
少なくとも私の見解では、迫害され虐殺されイギリスに騙され
イスラエルという地に無理やり収められた「被害者」だった。
けれど縁あってパレスチナ問題を調べていった結果、
彼らはただの被害者ではなく「加害者」でもあると思うようになった。
それをとてもよく表していた映画だと思う。
それでいてパレスチナ出身の監督の作品であるのに
自爆テロを肯定するだけの映画ではないのがすごい。
だって日本が戦争の映画を撮ると、そうはならないでしょ?
キスシーンのキレイさと最後の衝撃は圧巻です。
興味ある方は是非見てみて下さい!
--
パレスチナ人監督とイスラエル人プロデューサーが手を組み、ゴールデングローブ賞受賞を果たした話題作。自爆攻撃者に選ばれたふたりの幼馴染みが、葛藤しながらテロ決行に至るまでの48時間を描く。吹替え版に個性派俳優・窪塚洋介とARATAを起用。 -
ふつうの青年が自爆テロ実行犯になるまで。
-
0059
-
見たいと思ってた作品、ようやく見れた!
多分興味ない人には相当つまらない映画だと思う。
あとパレスチナ問題について知識が全くないと分からないかも…
友達からネタバレを聞いてなかったので、
ものすごい反戦とかイスラエル=悪とか描かれているのかと思ってたら
全然そうではなかった。
インタビューで「映画を見て議論してほしい」と言っていたけれど、
この監督はこの映画で自爆テロを肯定も否定もしていない。
エンディングも、完全に観客に委ねられていて考えさせられる。
何が善で何が悪なのか、殉教とはなんなのか、
自分の行為はこれからの誰かのためになるのか…
暴力シーンを使うことなく淡々と最後まで進むのが印象的で
それが悲壮感や虚無感を強めていたと思う。
個人的な意見なんだけど、
ホロコーストやユダヤ人迫害をテーマにした映画はたくさんあって
これまでイスラエル・ユダヤ人は常に「被害者」だった。
少なくとも私の見解では、迫害され虐殺されイギリスに騙され
イスラエルという地に無理やり収められた「被害者」だった。
けれど縁あってパレスチナ問題を調べていった結果、
彼らはただの被害者ではなく「加害者」でもあると思うようになった。
それをとてもよく表していた映画だと思う。
それでいてパレスチナ出身の監督の作品であるのに
自爆テロを肯定するだけの映画ではないのがすごい。
だって日本が戦争の映画を撮ると、そうはならないでしょ?
キスシーンのキレイさと最後の衝撃は圧巻です。
興味ある方は是非見てみて下さい!
--
パレスチナ人監督とイスラエル人プロデューサーが手を組み、ゴールデングローブ賞受賞を果たした話題作。自爆攻撃者に選ばれたふたりの幼馴染みが、葛藤しながらテロ決行に至るまでの48時間を描く。吹替え版に個性派俳優・窪塚洋介とARATAを起用。 -
パレスチナの街並みがどんなかはこれ見ればリアルにわかる。でも自爆が突き詰めるとなんなのかぶっちゃけ消化不良のままだった。
-
ある意味とってもリアル。日本人はどうしてもイスラーム圏での「テロ」に対して「狂信的、特攻的」なイメージしか抱けず、その実態からは目をそむけがち。なんでその人はテロをしようと思って、どうやって実行したのか、っていうとこまでは考えない。この映画は、それについて教えてくれる。そこには普通に暮らしている人々がいて、その生活の中に「テロ」はあるということ。そして、そこには私たちと何の違いもないということ。
本棚登録 :
感想 :
