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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4988111284426
感想・レビュー・書評
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旧日本陸軍のスパイ養成学校「陸軍中野学校」の創設当時を舞台にした国産スパイ映画。
のちにシリーズ化されて第5作まで作られ、主演の市川雷蔵の現代劇における代表作となったものだ。
前から一度観てみたいと思っていたものだが、初見。
予想を上回る面白い映画だった。スパイ映画といっても、007シリーズのような軽妙洒脱な味わいは薬にしたくもない。暗く、重く、少しもおしゃれではないスパイ映画。でも、そこがいい。日本映画ならではの作品だから。
役者がみんないいし、脚本も巧み。とくに、主人公・三好次郎(雷蔵)と、その婚約者・雪子(小川真由美)の悲劇的な関係が胸に迫る。次郎がスパイとして選ばれたばかりに2人は引き裂かれ、クライマックスには雪子の死というさらなる悲劇が待っている。しかし、その悲劇こそが次郎を真のスパイにしたのだった(このへん、007の誕生秘話を描いた『カジノロワイヤル』に通ずるものがある)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第二次世界大戦前の日本軍に実際にあった、スパイ養成所の中野学校という所が舞台のスパイ(養成)映画。雷蔵たちはその一期生という設定。
話の内容自体は、現代の複雑な筋立ての映画を見慣れた目には、単純に見えるけど、けっして陳腐という訳じゃなく重厚。登場人物の誰もが、嫌な奴でさえ折り目正しく品があって美しい。そして、雷蔵の存在感の凄さ。台詞もそんなに多いわけじゃないし、感情を表に出す役でもない。生徒たちの中の中心人物という訳でもない。でも、主役とは言えとてつもなく目立つ。そして、美しい。かげりや哀しさを背負った美しさだと思う。
古いからモノクロ映画なんだろうけど、それさえもスパイ映画らしいスタイリッシュな演出に見えるから不思議。
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