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- / ISBN・EAN: 4511749801101
感想・レビュー・書評
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ストーリー的にはカウリスマキの『マッチ工場の少女』と似ているんだけど、映画のタッチやアプローチの角度が全然違う。似て非なる二作品。実際比べて語られていることもほとんどありませんね。こちらは現代の中国の民族問題も重要なテーマになっていて、その点も興味深かった。
観終わった後の余韻としては、ダルデンヌ兄弟の『ロゼッタ』に少し通ずるものを感じました。
恒久的な諦念、絶望と隣り合わせの生活の中での「生きようと思う」ことの難しさ。それを実に丹念に描けていると思いました。
手のひらにあるわずかな希望も、すべて零れ落ちたわけではない、そう信じたいけれど、あのやるせないラストを前にしては何も言えなくなってしまう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
近所のビデオ屋でお勧めされていたので借りる。
すごく殺風景で投げやりで出てくる人物みんなの瞳が死んでいる。特に国境近くの共産主義のあらゆる規制で縛られているような世界では、心が荒んでしまうのか、皆弱者に対する当たり方がひどい。
テレビを買ってとせがむ息子に野外にテレビを置いて見させるなんて、お母さん優しいんだか若干投げやりなんだか、常に殺風景な映像の中で少し笑えた。
個人的には若くてハンサムで親切で好意を寄せてくれている警官に惹かれればええやん、と思ったのだが。 -
「漢民族」が量的には大半を占める中国で、数的に大半を占める多民族。そのなかの「朝鮮族」の母子を通して、現代の中国をひとつの側面から描く。若くてきれいな訳ありの母と無邪気な子、そしてそれを取り巻く様々な人々を通して淡々と描かれていく貧困層の生活。後で記憶に残る映画です。