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- / ISBN・EAN: 4529264125701
感想・レビュー・書評
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ある日の高校。一見、なんの問題もなさそうに過ごしている高校生たちにも人生に関わるような悩みを抱えてその日をサバイブしていたりします。親にも相談できず、教師もサインに気づかない日常はもはや監獄にいるかのようです。アドベンチャーゲームのように、別人格に乗り換えていく撮影手法は新鮮でした。悲劇が起こる2:37の場面はショッキングですが、なによりこの作品が若干21才の俊英の手によるものというのも驚きでした。そんなムラーリ・K・タルリ監督がその後、作品を作っていないのはどういうことでしょうか?
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まるで辻斬りのような映画だったなあ。
監督は当時19歳。
友人の自殺や自身の自殺未遂の経験を元にこの映画を作ったという。
映画製作の経験はなかった。
二年の制作期間を経て出来上がった彼の「想いの結晶」は世界中に届けられ、各地の映画祭で絶賛されるものになる。
そして、うちのDVD デッキにも届いた。
高校のトイレの個室で誰かが大量の血を流している。
それは誰かは分からない。
とある高校生達の一日と彼らへのインタビューで構成されている。
彼らは口々に自分の「悩み」を語る。
共感できるのもあれば出来ないものもある。
でもみんな自分のことでいっぱいいっぱいだ。
観る人は「犯人」を予想するように彼らを見る。
「どうして?」「なんで?」「誰が?」
でもこれはミステリー映画ではない。
19歳の男の子の
「俺(ら)の痛みを体感しろ」
との圧を感じる。
最後のほう「誰か」が自殺するシーンの「真相」が明かされる。
ホラー映画も鑑賞し、グロいシーンも割りと平気な私がとても辛かった。
観た後もしばらくその場面を忘れられないほど。
『ひとりでも自殺者が減ってほしい』
そう監督は語っていたそうだ。
ヤフー映画に載っていたこの監督の作品はこの一作のみ。
言いたいこと言い切っちゃって、称賛も浴びまくっちゃったからかな。
落ちてるときに見ないほうがいいかもしれません。 -
映画製作の知識も何もない青年が親友の自殺と自身の自殺未遂経験を元に、僅か19歳で撮りあげた渾身の一作。 これはもう思い入れがハンパじゃないから正当な評価なんて出来ないよ。悩みながら高校に通ってた18歳の頃に観て救われたというか、生きてていいんだって教えられた本当に大切な一本。人それぞれ特別な映画ってあると思うけど自分にとってのそれ。デビュー作故にまだまだ粗削りで『エレファント』の模倣なのは明らかだし、大人からしたら幼稚でわがままなただの子供に見えるかもしれない。でも、それでも言いたい《ありがとう》と。この感謝の気持ち死ぬまで忘れたくない、生涯BEST。
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なんてことのない、とある高校の一日。
いつもの当たり前の光景。
そんな中、一人の生徒が自殺を図る。
2時37分、その生徒が自殺した時間である。
物語はその日の朝から始まる。
主要な登場人物たち6人の日常が交互に描かれていく。
果たして、誰が自殺を図るのか、そしてその自殺の理由とは。
そのような謎解き要素を含み、物語は進んでいくが
まさにラストで我々は驚愕する。
そう、所詮我々の考え、そして期待など陳腐なものだと。
ある意味、人間の本質というものをしっかりと捉えた作品だろう。
誰もが理解できず、そして理解する。そんな物語だ。
撮影の手法的にはガス・ヴァン・サントのエレファントを
彷彿とさせるものだというのは一目でわかる。
この物語を紡ぐにおいて、最良の手法だろうと。 -
成績優秀なマーカス(フランク・スウィート)と妹メロディ(テレサ・パルマー)など、一見悩みとは無縁そうに見える6人の高校生たち。しかし、時間が経つにつれ、それぞれが誰にも言えない悩みや問題を抱え、今にも押し潰されそうになっている現実が明らかになってゆく。そして、午後2:37、1人の生徒が自殺を図り…。
排泄器官の障害により虐めを受けるスティーブン(チャールズ・ベアード)、ゲイであることを公言して以来差別されるショーン(ジョエル・マッケンジー)、スポーツ万能でモテモテだがショーンと肉体関係にあるルーク(サム・ハリス)、ルークの恋人だが彼の心を掴みきれず悩むサラ(マルニ・スパイレイン)、妹を強姦した実体験をテーマに論文を提出する優等生のマーカス、その兄の子を身ごもるメロディ、この6人を中心に事件のあった午後2:37までを振り返るのですが、いずれも問題を抱えた人物なので「誰が自殺するのか」という興味と緊張感が途切れません。真相はミステリーとしてはアンフェアですが、製作者の意図を強く感じる良作だと思います。 -
ちょっと衝撃だった…。いきなり生徒の自殺シーンから始まり、自殺した生徒は誰なのか?6人の生徒の1日を振り返りながら探る展開。6人それぞれ悩み抱えてる中で最後はお前かよ!?と…。誰か気づいてやれなかったのか?声をかけられなかったのか?事が起きてからでは遅すぎる。現実は突然やってくる。