罪と罰 (落合尚之) 全10巻完結セット (アクションコミックス) [マーケットプレイスセット]

著者 :
  • 双葉社
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感想・レビュー・書評

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  • ドストエフスキーの同名作品をベースに現代に置き換えて描いたマンガ。

    正直、ドストエフスキーの話は、老いぼれ馬をみんなで痛めつける~、ぐらいのエピソードしか頭にもはや残っていなかったので(笑)、割と新鮮に読めたと思います。(要所要所で時折思い出して頭の中で繋げてはいましたが)

    初めの方はやはり、かなり原作を意識した重苦しいムード、閉塞感のあるエピソードが続くのですが、中盤以降から若干原作から離れてオリジナルなストーリーになりつつあるのですが、このあたりで作者の何か心境の変化があったのかな、と思いました。

    ヒロインのエチカのキャラクターがちょっと薄めだったかな。
    不幸を食いつくして生きるヒロイン、というエチカのアイデンティティがあまりはっきりと描かれていなかったので、なぜ彼女が自ら不幸を選んで身体を汚していくのか、とか、ときおり主人公弥勒に振るわれる謎の暴力(笑)、とかが、若干共感しにくいキャラクターになってしまっていたのが残念。

    個人的に、一番魅力があるのは、主人公を差し置いてピカレスクであった首藤かな。彼の生き様とかはすごく興味深い。

    罪を犯した二人が、弥勒は生きて罰せられる道を選び、首藤は自ら命を絶ってしまった。この二人の対比がすごく印象的。

    罪とは罰せられることではじめて罪へと昇華するのではないか。
    罰せられるということは、逆にその魂が赦されるということではないのか、などと考えてしまいました。

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