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- / ISBN・EAN: 4527427639829
感想・レビュー・書評
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2007年公開。本谷有希子の舞台脚本を映画化。女優志願の姉・澄伽が東京から両親の訃報を受け、何もない山奥の田舎町に帰郷。ワガママな姉による内気な妹・清深への執拗なイジメから平穏な家庭が崩壊していく…。超ゴーマンでエゴ丸出しの姉・澄伽に佐藤江梨子。コレが彼女のために脚本を書いたのかと思うほどのまさにハマり役(笑)!その姉にイビられ虐げられながらも、どこかしたたかな漫画家志願の妹・清深には佐津川愛美。血の繋がりのない妹・澄伽とイケない秘密を共有する兄には実力派の永瀬正敏。そして兄嫁役にはこの演技で各賞を総ナメにした永作博美が、人がいいにもほどがある哀れな嫁を怪演(笑)!いやぁ〜マジで腹抱えて笑えます。蕎麦のシーンなんかもう悶絶もんだったし〜(笑)。全編ブラックなテイストいっぱいなので、そこが好き嫌いの分かれ目かな。なんとものどかなド田舎の風景と、ド派手な衣装に身を包んだ佐藤江梨子とのミスマッチが無性に笑えます。また対照的な妹を演じた佐津川愛美はこれから気になる女優さんですね〜。どこかエロチックでドロドロした昼ドラの雰囲気を漂わせつつ、先の展開の気になる悪趣味なまでの演出も見事です。強烈な印象を残すラストも個人的には満足でした。ラストに流れるチャットモンチーの『世界が終わる夜に』がまた映画の世界観にピッタリ!ブラックユーモアの判る人にならオススメします。しかしある意味、ブッ飛んだ永作博美を観るための映画とも言えるなぁ〜(笑)。夢を見続けることって周りから見たらこういうことなのかなって、ちょっとドキリとしてしまった(汗)
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4人ともが何かおかしい。持って生まれた性格もあるしトラウマのせいでもあります。日本的で閉鎖的な集落で、衝動が家族に向かいます。妻の爆発をいつどんな風にと期待しましたが不発でした。旦那と念願のエッチをしたからでしょう。残念。サトエリの家族の振り回しぶりと妹とのバトルが最高でした。“和合”という苗字も皮肉ですね。ただ、タイトルの“悲しい愛”は安易です。
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開始直後の数カットの数分で、
これは面白いと感じられる作品は、
確実に最後まで面白い。
それぞれの生々しさと、
痛々しさと、
苛立つくらいに我儘で傲慢な在り方が、
絶妙に絡み合った結果についてコミカライズする物語を、
更に俯瞰しながら映像化しているという入れ子状態が、
哀しくもあり可笑しくもあって、
同時にひどく怖い。
同監督の、
『桐島、部活やめるってよ』
『紙の月』
にも通じていくこの複層感と、
シニカルなユーモアが、
人間臭さを形成していて苦笑いする。
それにしてもしかし、
永瀬正敏のどうしようもない格好良さ!! -
本谷 有希子の原作を先に読んでいて鑑賞。
いや、なかなか良かった。
何よりも助演女優賞とった永作博美が良い味出しすぎていて最高。
登場人物にまともな人間は一切いない。
はっきり言ってどうしようもない。
サトエリ演じる主役の超勘違い女優志望のすみかは本当に見ていて嫌気が差すほど最低の人間。
でもなんか飽きずに見れるこの映画。
最後までしっかり見ちゃうこの映画。
それは監督の力量なのか、原作のおかげなのか、いや、はたまた実力派俳優陣の存在感なのか。
どちらにせよ久々に見てよかったと思える邦画に出会いました。
永作博美をよりいっそう好きになりました。 -
最後のお姉ちゃんの啖呵で、最低な人たちしか出てこないその世界が、ちょっと愛しくなった。
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超性格が歪んでいて女優になろうと日々めちゃくちゃなことをする姉とその様子をホラー漫画にする妹。
この映画のテーマの一つは表現すること。
この妹ちゃんは漫画に表現することで、姉に対する怖さとかから逃げたかったのかもしれない。で、普通なら家族の恥を漫画に応募しないんだけど、表現したら見てほしいっていう欲望に勝てなくなる。
この妹が最後の方で言う”おもしろい”っていう言葉の重さ。作品になっちゃうと、いいとか悪いとか悲しいとかみじめとか、そんなの全部とっぱらちゃっておもしろいかおもしろくないかの一次元になるんだと思う。
振り回す姉、耐えながらそれを見て描く妹、愚鈍にイエスマンである兄嫁、みなが病的であるけど、でもそれは作品になっちゃうと”おもしろい”の一言になってしまう。 だからこの映画はおもしろい。
サトエリがちゃんと脱いでないのでマイナス1点 -
人の心のぐずぐずした部分をみていて気分が滅入る。反面、面白く見えてしまうのはなんでだろう?永作博美の演技はなんだかホットさせる気がした。
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いやーブラックブラック。ちょっと砂糖入り。
やっぱり狂ってる人間見ると引いちゃうけど安心しちゃうなぁ。
キャラ的には待子が好き。惹かれちゃうのは清深ですね。 -
面白かったです(笑)
なんか全部(笑)つけたくなる感じなんで★3つです(笑)
さとえりすげーーいろんな意味で。おっぱいわけろ!そして役を地で行くような感じがイーね!
さとえりの役柄の強烈さが目立ちますが、実は出てくる人全員狂ってて、そこが醍醐味な映画だと思います。チャットモンチーもイイネ!
タイトル、インパクトあってカッコイイですよね。
ブラックユーモアあふれる作品ですよ。
しず...
タイトル、インパクトあってカッコイイですよね。
ブラックユーモアあふれる作品ですよ。
しずくさんが、どう読む、どう観るかドキドキです。
>原作を読んだときは、自分のことを妹の清深キャラだろうと感じていたが...
>原作を読んだときは、自分のことを妹の清深キャラだろうと感じていたが、ときを経て映画版を観ると十分姉の澄伽キャラだったという衝撃。
自意識過剰で、承認欲求過剰で、勘違い人間。
痛いほど解るぅ!
最初、本谷さんがモデルは自分と語っていたと知り?と思いましたが
そういうことです。観終わってじわじわ伝わってきました。
身に覚えがあるほど、痛さが増す、そんな作品でした。
暴れ回るモンスターのような澄伽キャラは、たぶん...
身に覚えがあるほど、痛さが増す、そんな作品でした。
暴れ回るモンスターのような澄伽キャラは、たぶん、自分の中にまだいるのだろうと改めて痛感しました。
しずくさんのレビューの中の
>呆気にとられた結末に、このふたりはタッグを組んで売り出したら成功するかもと笑いたくなった。姉妹ふたりは腑抜けの私に檄を飛ばして去ったのだ。あんたもあれやこれやと惑わないで取り合えず息をしとけばと肩を貸された気分になった。
の文章は痛快です。
フフフと愉快な気分になりました!
もしかしたら、澄伽と清深はふたりでひとつなのかもしれませんね。