ONCE ダブリンの街角で デラックス版 [DVD]

監督 : ジョン・カーニー 
出演 : グレン・ハンサード  マルケタ・イルグロヴァ 
  • ジェネオン エンタテインメント
3.84
  • (121)
  • (176)
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  • (19)
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本棚登録 : 808
感想 : 183
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102497736

感想・レビュー・書評

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  • ダブリンの街角で、男(グレン・ハンサード)はストリート・ミュージシャンをしている。しかし、彼の前に足を止める者はいない。そこへ雑誌や花を売っている女(マルケタ・イルグロヴァ)が現れる。矢継ぎ早な質問を疎ましく思いながら、男は昼間の彼の仕事である掃除機の修理を約束させられる。
    翌日、女が壊れた掃除機を引きずってやってくる。彼は再会に驚きながら、その強引さに押され、彼女がピアノを弾かせてもらうという楽器店に立ち寄る。
    彼女のピアノの腕を確信した彼は、自分が書いた曲を一緒に演奏してみないかと持ちかける。
    二人のセッションは予想を遥かに上回り、美しいハーモニーを生み出した。彼はその演奏に喜びを覚え、彼女に惹かれていく。
    翌日、男は自分の曲が入ったCDとプレイヤーを渡す。彼女の家に寄った彼は、彼女から母親と幼い娘を紹介され、シビアな移民の共同生活を目にする。
    男は曲に詞を付けてみないかと持ちかけ、女は喜んで心に抱えていた想いを詞にこめる。
    彼女は家政婦の仕事に追われ、彼も掃除機の修理と父親の世話をし、別れた恋人のビデオを見ながら曲を作る。
    女は、故郷に夫がいることを告白。夫を愛しているのかと覚えたてのチェコ語で問う男だが、彼女の返事と笑顔の意味はわからない。
    音楽を通じ、徐々に距離を縮める二人。男はロンドンへ渡る決心をし、最後の週末を一緒に数曲レコーディングしたいと提案。
    女は積極的に行動し、レコーディングをセッティングする。当日、エンジニアはタイトな演奏と完成された曲に好反応を示し、録音は順調に進んでいく。
    しかし、書きかけの曲を男の前で弾いた彼女は、突然泣き崩れる。彼女は一人で家族を養っていたのだが、寂しさゆえ男の優しさに心が揺らぎ始めていたのだった。
    一緒にロンドンへ行き音楽をやろうと彼は誘うが、母を連れて行っていいかとの一言で、二人の間に沈黙が訪れる。完成したCDを受け取る女。
    別々の道を歩んでいくのか、一時の別れになるのか定かではないが、二人は微笑んで別れるのだった。
    ドキュメンタリータッチの演出で、路上で演奏しているアマチュアアーチストや花売りの移民女性のしがない暮らしぶりや息子を応援する父親との関係やセッションしながら音楽を通じて絆を深め合う二人の思いがリアルに描かれ伝わってくるので、じんわり心が温かくなる傑作青春音楽恋愛映画です。 ​

  • ギターを持って街頭で歌う男と、チェコから来たピアノの上手い女性がダブリンの街で出会い、一緒に音楽を作り上げていくストーリー。
    チェコの女性役(名前がなくて、エンドロールでもguy とかgirlです)が非常にハマっている。英語がそんなに上手じゃないけど、いきなり話しかけてくるのも、掃除機をガラガラ引っ張ってくるところも、そういうちょっととぼけたところも魅力的。実は娘もいて、さらには夫とも別居してるけど離婚はしていない。それ故に、2人は音楽を通じて心を近付けてもあくまでプラトニックである。

    最後にピアノを送るのは、背中を押してくれたお礼に、最後に何かを返したいという気持ちですね。
    2人ともプロのミュージシャンなだけあって、音楽も素敵なのだけど、やっぱり2人の微妙な関係がいいんだろうな。現実感のある風景の中で、少しだけ文化祭みたいな雰囲気が漂って、なんだか羨ましい。

  • 2007年公開のアイルランド映画。


    ギターを抱えた
    ストリートミュージシャンである男と、
    チェコからの移民である、
    楽器店でピアノを弾くのが大好きな女性が、

    ひょんなことから
    アイルランドは
    ダブリンの街角で出会い、
    二人の好きな音楽を通じて
    次第に意気投合していきます。


    たった一度の大切な出会いと
    切ない想いを
    歌とともに描いた
    本当にリアルな
    ラブ・ストーリーです。


    自分もバンドをやっていて
    音楽は生きるすべてでもあるので、
    おそろしいくらい
    ツボにハマった映画です(笑)。


    主演はアイルランドの実力派バンド、
    ザ・フレイムスの
    グレン・ハンサードと

    チェコ出身の
    新鋭のシンガーソングライター、
    マルケタ・イルグロヴァ。


    監督も同じく
    ザ・フレイムスの
    元メンバーということで
    本当に音楽の使い方が上手い。


    二人には役名もなく、
    ただの、ある男と女。


    ライブ感溢れる
    ハンディ・カメラによる映像は、
    まるで二人の恋のドキュメントを
    覗き観てるかのようです。
    (掃除機をペットのように連れて歩く
    女の子が可愛い〜)



    演出らしい演出は
    ないにも等しい作品なのに、

    そこに流れる
    意志を持った音楽が
    観る者を惹き付けて離さない魅力を放っています。


    お互い過去のしがらみに囚われていて
    お互いの気持ちを
    うまく言葉にできないでいる。

    そんなもどかしい想いを
    音楽に乗せて
    自分の気持ちを伝える男。


    いやぁ〜
    なんともロマンチックです(>_<)


    二人が歌った主題歌
    『Folling Slowly』は
    第80回アカデミー賞歌曲賞を受賞しました。



    素朴で、
    決してドラマチックな恋ではないけど、
    それだけに
    観る人すべてが
    自分自身を投影して
    いろんなことを感じられる作品だと思います。


    切なくて
    じんわりあったかい、
    自信を持ってオススメできる良作です。


    音楽好きなら、
    または
    恋したい人必見です♪

    • 円軌道の外さん

      andesapresriam12さん、
      大変遅くなりましたがコメントありがとうざいました!

      年明け早々から休みがとれないくらい仕...

      andesapresriam12さん、
      大変遅くなりましたがコメントありがとうざいました!

      年明け早々から休みがとれないくらい仕事が多忙で
      やっと落ち着いたと思いきや、
      溜まった疲れからか
      人生初のインフルエンザにかかってしまい、
      今、自宅療養中です(^^;)


      あっ、自分もまったく前情報ナシで
      見たので
      当時かなり斬新に感じたし、
      その音楽の素晴らしさにすっかりハマってしまいましたよ(笑)(^^;)

      その後、お仕事の方は落ち着きましたか?


      「ビフォア・ミッドナイト」って
      もしや、あの「ビフォア」シリーズの続編ですか?

      良かったらまた
      感想教えてくださいね~(^o^)







      2014/02/27
    • andesapresriam12さん
      円軌道の外さんへ

      お久しぶりです!
      2月27日にコメントされていたのを先ほど気づきました。返事が遅くなってすみませんm(__)m
      ...
      円軌道の外さんへ

      お久しぶりです!
      2月27日にコメントされていたのを先ほど気づきました。返事が遅くなってすみませんm(__)m

      インフルエンザにかかられて大変だったんですね(>_<)円軌道の外さんもお仕事大変そうですね(+_+)

      私の方は仕事は忙しかったり、落ち着いたりを繰り返しているのですが、最近は資格を取ろうと思って通信教育をうけているので、そっちの方でも忙しい状態です。

      「ビフォア・ミッドナイト」、映画館で見ましたが良かったですよ!まだご覧になっていないようでしたら、前情報なしで見た方がよいと思います!相変わらずのしゃべりまくりの映画ですがパート1、2とは見終わったときの印象が大分違いました。第4弾も9年後にありそうな終わり方でした。エリック・ロメール監督の映画が好きなので、同じようにしゃべりまくるこのシリーズ気に入っています。円軌道の外さんもご覧になりましたら是非感想を聞かせてください!
      2014/04/26
    • 円軌道の外さん

      andesapresriam12さん、
      ホンマ遅くなってすいません!

      andesapresriam12さんは
      資格の勉強はかど...

      andesapresriam12さん、
      ホンマ遅くなってすいません!

      andesapresriam12さんは
      資格の勉強はかどってますか?

      あははは(笑)
      そう言えばあの時は
      生涯初のインフルエンザに三回もかかって(笑)
      ホンマ死にかけてたんや!(;゜д゜)


      じつは、四十にして
      住み慣れた大阪から
      花の都、大東京へと先週上京してきました!(笑)

      なんやかんやバタバタとしておりますが
      今年もあと少し
      よろしくお願いします(笑)


      そして 「ビフォア・ミッドナイト」は
      andesapresriam12さんの愛ある解説を聞いて
      観たくて観たくてたまらんくなったんですが、
      DVDがぶっ壊れてまだ映画が見れん状況なのです…(泣)
      トホホ…

      でも続編を予定してる終わり方やなんて
      監督も役者もやる気満々ですね~(笑)

      しかも9年後やなんて(笑)
      なんと壮大な!

      しかしこの物語は毎回
      歳の経過をCGに頼ることなく
      実際の役者で実際に設定と同じ年数を経て
      撮り続けてることに意義があるんですよね。

      ああ~、早く見てみたいなぁ~( >_<)
      (あっ、最近ホンマ映画はご無沙汰ですが、るろうに剣心だけは早々に見に行ってきました!コレが歴史に残る傑作なのです!またレビュー書きます!)


      2014/09/08
  • 音楽の大きな力を感じるキラキラした素敵な映画でした。
    歌が美メロで歌詞もいい、ふたりの声も良くてサントラ欲しくなった。楽器店でふたりがはじめて声を合わせるシーンは、ほかのどなたかも書いてらっしゃってますが、エロい。

    ラストは一瞬ビミョウな気持ちになったが、考えてみると、慎ましやかで品の良い終わりだったな~と気持ちが変わった。

  • はじまりのうたとシングストリートと観たのにこちらを観てなかったので!
    わりとあっさりしてるんだけど、もう歌が…良すぎて…染み渡るような。鳥肌立つ、静かに。あたたかで切なくてさみしくて。音楽っていいなって思える作品ばかり。

  • アイルランドの首都ダブリンで、ストリートシンガーの男性とその前をたまたま通りかかったチェコ系移民の女の子が、音楽を通じて心を通わせていくという映画。
    或る人の言葉を借りれば「地味によかった、いや、地味"で"よかった」(笑)。

    なんか、フィクションならではのカタルシスや感動は全く得られないんだけど「あぁ、こういうことってあるよね」的な共感は得られる映画。

    お互い恋愛関係になることはあり得ないんだけどなんか惹かれちゃう相手とか、そういう相手と往々にして迎えがちな結末とか、疲れた深夜のふとした瞬間に思わず搾り出してしまう本音とか、徹夜で何かに打ち込んだ後の妙にハイで楽しくて、でも頭の隅っこで「終わり」を感じてて切ない気持ちとか。
    こういう、一つ一つの心の動きが私の色んな思い出とシンクロして、ラストの爽やかな風景を見ながらジーンとしてしまった。 ちなみに最近では、「ONCEを理解できない人とは恋愛できない」とまで言い切っている私です(笑)。

    音楽も良かった。
    でも、この作品で女の子が「私ピアノ弾けるわ〜」と言って弾きだしたのが、私も昔ピアノで習った曲なんですが・・・あれ弾けたくらいで「ピアノできる」って言っちゃっていいんでしょうか??・・・と、ストーリーとは関係ないところでちょっと引っかかりは残っているw

  • 4.5。音楽って、いいね。
    あとアイルランドの天気と。

  • めちゃくちゃ良かった〜

    リサハニガンからダミアンライス、グレンハンサードと聞いていって、この映画に辿り着きました。

    UK路線だけどゆったりフォーキーな曲調が、今の自分にピッタリはまったなぁ〜

    映画のストーリーはなんてことない普通のラブストーリー。言葉にすると気恥ずかしいけれど、やっぱり音楽の力っていうのかな…メロディと言葉を大切に作られた音楽が、この映画の台詞にならないけれど大切な部分を伝えてくれていると思う。

    一番好きだったシーンは、やっぱりレコーディング。音出しチェックの時はほんとに下らない音を出してたバンドなのに、グレンが歌い出した途端にあの変わり様…!!エンジニアのやる気が一気に変わって、寝ずに朝を迎え、カーテストまで一緒にするまでに…

    鳥肌たった〜!!

  • ラブストーリーにおいて好きな結末の一つ。音楽をメインに扱っていて、その音楽が素晴らしいなんて素晴らしい。

  • 傷付くのが怖い人。
    自分の想いに未来を描けない人。
    誰かと繋がっていたい人。
    2人の奏でる旋律は、甘く切なく。
    でも人間臭くて、傷付いてもいいから。
    ちょっと誰かに心を惑わされてもいいから、恋に全力で在りたい。
    自分に正直で在りたい。と願う思いを受け止めてくれて。
    心に灯をともすキャンドルの様にそっと寄り添ってくれます。

    恋に愛に傷ついた2人だから、音楽を通して心通わせ。
    簡単な想いではなかったから、忘れる事も前に進む事も出来ない。
    思い出の欠片を集める様に。
    踏み出せずにいる、その一歩の重みを誰よりも知っているから。
    隠せない思いに…ギターの旋律とピアノの音色が2人を繋ぐ。

    傷付く事は辛いけれど、音楽に触れている時の2人は自分を偽る事なく。
    彼と出会ったから。
    彼女と出会ったから。
    溢れる想いをメロディーに乗せ。
    胸の苦しみを歌詞に込め。

    育む事も結ばれる事も無く。
    でも2人は、お互いを励まし合い。
    痛みを分かち合い。
    想い合い。
    本当の想いに気付かせてくれ。
    人との出会いって、こんなにも素敵な贈り物をしてくれるんだと…ダブリンの街角で。
    もう一度立ち上がろう。と。

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