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- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4523215020657
感想・レビュー・書評
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南米最南端の廃れた島、アルゼンチン フエゴ島。
継父を受け入れられず反発し、若気の至りで恋人と別れた傷心の高校生マルティン。総てを人のせいにしているマルティン。
唯一の理解者と信じる父親に逢いたくて、自転車で南米大陸5万キロの旅に出た。
行く先々で、賄賂、利権あさり、対外債務、アメリカとの関係など、南米諸国のさまざまな問題、不条理な現実を目の当たりにしながら、人の温かさにも触れるマルティン…。
寒風吹きすさぶ高校、水浸しのブエノスアイレス、ベルトに縛られた人々など比喩映像が多様され非現実的だが、総て現実でもある。手で掘り進む金鉱山のシーンは比喩ではなくドキュメント映像だ。
マルティンは行く先々でこれら虐げられた人々と向き合う度に、父親が創った童話を思い出した。自ら不条理な現実にやり切れなくなったときは、童話の登場人物達が心の支えになった。
自分の幸せは自分の中にある。
やがてそう気付いたマルティンは家路へ着く。
南アメリカから搾取して繁栄するもうひとつのアメリカ。
日本も資本主義強国として同様に見られていることにドキリとした。
ラテンアメリカの苦しみ、哀しみを奏でるかのような、切なく美しいタンゴの調べ。
どこまでも続く大地に様々な人種が根付くラテンアメリカを自転車で駆け抜けた少年のロードムービー。
〔081008鑑賞〕詳細をみるコメント0件をすべて表示
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